太陽と毒ぐも の商品レビュー
ラブコメディってこういう作品のことを言うんだろうな、と思う。 ラブコメという響きは、なんだか安っぽくてチンケなテレビドラマを連想してしまうのだが、この【太陽と 毒ぐも】は、たしかに安っぽくてチンケな要素満載だけれど、テレビドラマではなくて単館映画的な、 淡い色合いがする。あ...
ラブコメディってこういう作品のことを言うんだろうな、と思う。 ラブコメという響きは、なんだか安っぽくてチンケなテレビドラマを連想してしまうのだが、この【太陽と 毒ぐも】は、たしかに安っぽくてチンケな要素満載だけれど、テレビドラマではなくて単館映画的な、 淡い色合いがする。あえて言うならシュールな作品とでも言おうか。 以前にここで山崎ナオコーラの【人のセックスを笑うな】の感想を書いたときに書いたかもしれないが、 恋愛ってやつは、やっている本人たちはとても真剣に愛だの恋だのやっているけれど、傍から見ればただの 喜劇でしかなく、けれども本人たちは真剣だからどうか笑わないでやって欲しい、っていうそんな感じの 言葉がこの【太陽と毒ぐも】にもピタリと当てはまるかもしれない。 男と女はなんてくだらないことばかりを繰り返すのだろう。誰も彼もが間抜けな色恋を繰り返す。 でも、間抜けだから素晴らしい。恋愛が間抜けなものではなくて、とてもとても崇高なものでしかなけ れば、僕らは色恋に気持ちを躍らせ、うつつを抜かす青春や情事を過ごすことなどないのではないか。 身近にあるからこそ間抜けで素晴らしく、笑えるものになる。高嶺の花では笑い飛ばすこともできないく らい人というものはその扱いを変えるものだ。 【太陽と毒ぐも】にはそんな間抜けで身近な恋愛模様がたくさん詰まっている。 角田光代はあとがきでこう言う。 「だれかを好きになって、相手もこちらを好いてくれて、とりあえず関係性としてはハッピーエンド。 そのハッピーエンドからだらだら続くしあわせな恋人たちの日常を書いた。書きながら、また読みながら ばっかじゃねえのこいつら、と私は思ったが、けれどページのそこここに、些細なことで恋を失ったり 愛をだだんと踏みつけた私自身のばっかみたいな影がはりついている。恋愛を喜劇だと蓮っ葉にとらえた ことなどただの一度もないが、書いたものはみな情けないコメディのようである」 僕の知人女性で「恋愛は人生で最大で最高の暇つぶしだ」と言った子がいたが、その言葉の意味が、 この本に詰まっているような気がした。
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「糧」という題の物語の中で、 「憎しみというものはとても長く抱えることができる」 というところがあって、それになんだか安心してしまった。 安心ってなんか変だけど。 能天気に生きているようで、全然能天気じゃない自分を 発見してギョッとしてたから。
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初めて読んだ光代作品。 思っていたよりも普通の話だった。 世の中にはいろいろな女性がいる。
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思わずギクリ、としてしまうような短編集。 好きだけれども、それだけは許せない… そんな恋人として長く暮らす人々の複雑怪奇な心境が描かれています。 「愛がなんだ」や「幸福な遊戯」において、 角田さんは登場人物の心情をリアル以上に生々しく描くなぁと思っていたのですが、 今回も読んで...
思わずギクリ、としてしまうような短編集。 好きだけれども、それだけは許せない… そんな恋人として長く暮らす人々の複雑怪奇な心境が描かれています。 「愛がなんだ」や「幸福な遊戯」において、 角田さんは登場人物の心情をリアル以上に生々しく描くなぁと思っていたのですが、 今回も読んでいてなんだか不安になるよう生々しさが随所に漂っています。
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恋は成就しても、きっとその後はどうなるか誰も知らない。 どんなに愛し合っていても、本当の内面は分からない。 男と女、人と人はそういう汚い部分の隠し合いで寄り添って、一緒に生きている。
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角田さんの書くラブストーリーは私でも読めます。 そのくらいさわやかではっきりしていて後味がいいんです。
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雨と爪 おれたちは自分の意思で何かを決めて、 少なくとも決めようとはして、 そのとおりに日々過ごしているのか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 未来 きっと彼らは、 平日の昼間に電車に乗っても、 目的地をたやすく思い浮かべることができ...
雨と爪 おれたちは自分の意思で何かを決めて、 少なくとも決めようとはして、 そのとおりに日々過ごしているのか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 未来 きっと彼らは、 平日の昼間に電車に乗っても、 目的地をたやすく思い浮かべることができるのだろう。 自分はどこへいくのかなんて、 子どもじみた疑問をふと感じたりはしないのだろう。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ だれかを強く愛することと、 冷蔵庫を空っぽにするそのだれかに苛立つことは、 決して矛盾しない。 遥か上空で太陽が光り輝いていても、 ときとして濁った色の悪い雲に遮られ 私たちに届かないのと同じように。
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4/21 角田光代の中では比較的好きなほうだったけど、やっぱ会話とかが気持ち悪い。というかどうでもいい感じ。伝えたいことはわからなくはないんだけどわたしには何か足りないように思われる。
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角田光代、短編もいい。 角田さんの書く物語は、どこか情けない登場人物ばかり出てきて、人間って実のところくだらなくてどうしょうもない日々を送ってるものなんだ、ってことを飾らずにちゃんとまっすぐ見つめていて、でもそれは温かいまなざしで、という感じ。 なんかダサいとおしい。 特に、...
角田光代、短編もいい。 角田さんの書く物語は、どこか情けない登場人物ばかり出てきて、人間って実のところくだらなくてどうしょうもない日々を送ってるものなんだ、ってことを飾らずにちゃんとまっすぐ見つめていて、でもそれは温かいまなざしで、という感じ。 なんかダサいとおしい。 特に、読んでるこっちまで息苦しくなってくる「旅路」、東京ではつつがなく日々を送っている恋人同士が、スリランカでの旅の道中で互いに相手の嫌な点を許せなくなり、互いに憎悪を抱きつつ旅を続ける・・といのが、すごくリアルに感情を切り取っていて、心に残った。 こうやって人間のダサい日常をまっすぐ見つめる角田さん、大好きだぜ。
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角田光代の太陽と毒ぐもを読みました。とても好きなのに、ここだけは許せない、というカップルたちを描いた短編集でした。あなたの好きな人が、風呂嫌い、記念日フェチ、買い物中毒、隠し事ができない、迷信好き、野球狂、万引き常習、酒乱などというような困った性癖をもっていたらどうしますか。とい...
角田光代の太陽と毒ぐもを読みました。とても好きなのに、ここだけは許せない、というカップルたちを描いた短編集でした。あなたの好きな人が、風呂嫌い、記念日フェチ、買い物中毒、隠し事ができない、迷信好き、野球狂、万引き常習、酒乱などというような困った性癖をもっていたらどうしますか。というようなシチュエーションの物語たちでした。いくつかの困った性癖は自分でも心当たりがあるので、他人事とは思えません。自分が同じ立場だったらどう判断しただろうか、と考えさせられる物語たちでした。昔はある程度狭い地域で同じような常識の中で育った男女が組み合わさることが多かったと思うのですが、今は日本の中でも別の地域で育ち、常識もそれぞれ異なる男女が組み合わさることが多いので、このようなことはずっと起きやすくなっているんだろうなあ、と考えさせられました。
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