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太陽と毒ぐも の商品レビュー

3.5

51件のお客様レビュー

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2016/02/10

夏でもお風呂嫌いの彼女、買い物依存症の彼、ひどい浮気性の彼…一見すると安定して見える恋人たちがふと抱える問題と陰りを描いた11の短編集。 第三者としては「なんでその人なの?」と思ってしまう相手でも、当人同士にしか分からない魅力があるものです。 相手の良い面・好きな面を見てわくわ...

夏でもお風呂嫌いの彼女、買い物依存症の彼、ひどい浮気性の彼…一見すると安定して見える恋人たちがふと抱える問題と陰りを描いた11の短編集。 第三者としては「なんでその人なの?」と思ってしまう相手でも、当人同士にしか分からない魅力があるものです。 相手の良い面・好きな面を見てわくわくした気持ちで付き合い始めたはずなのに、相手のことを知れば知るほど見えてくる、目を背けられない引っ掛かる部分。我慢をしつつ、たまに相手に小言は言ってみるけど変わる様子はない。であれば自分さえ我慢すればいいと無理矢理納得してみるも、一度気になってしまうと会うたびに嫌な部分が鮮やかに映る。 嫌なら別れればいい、とは簡単に片づけられない心の葛藤がうまく描かれています。 「ここが…ここだけが嫌なだけで、他は申し分ないんだけどなぁ…」 そんなぼやきが全篇通してため息とともに聞こえてきます。 他人同士が一緒にいて平穏を保てるのは、努力の程度に差はあるにせよ、歩み寄る努力をしているからこそだと思わずにはいられません。 角田さんの作品は、現実を丁度よく教えてくれる。他人事ではない恋人たちの恋模様。

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2015/03/22

恋人たちのなんでもない日のなんでもないおはなしが集められた短編集。 なーんかズレてる彼・彼女にあるあると共感できたり、ナイナイと突っ込めたり…読んでいて面白かった。 結末までキチンと描かれていないのも、こちらが思い思いの想像ができて楽しい。

Posted byブクログ

2015/02/22

うん、あ、そうそう、そだねーなんて、相槌打つような感覚で読了。自分よりも砕けてる彼らと比べて安心しちゃったり。比べてしまうほどに、原寸大。

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2014/10/15

人間って誰でも癖とか趣向とかがあって、他人には受け入れがたいこともある。でもみんなそれぞれ妥協し合って、納得できることや共通の部分でつながってるんじゃないかな、って思わされた。 その人間の100%を受け止める必要なんてないんだって。相手も受け止めなくていい。できる範囲の中でみんな...

人間って誰でも癖とか趣向とかがあって、他人には受け入れがたいこともある。でもみんなそれぞれ妥協し合って、納得できることや共通の部分でつながってるんじゃないかな、って思わされた。 その人間の100%を受け止める必要なんてないんだって。相手も受け止めなくていい。できる範囲の中でみんな一緒にいるんじゃないかな。 誰かに、神経質な部分って誰にでもあるんだよって伝えたくなったら読ませたい一冊。

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2013/10/10

少しクセのある彼氏彼女を持つ人のショートストーリーなんだけど、こんな女いたらぶち殺したいとか、こんな彼氏だったら速攻別れるとか、胸くそ悪くなるぐらいの人物描写。 この作家は人間のドロドロした汚い部分を見る観察眼たるや、並大抵ではない。 よくぞここまで深堀しましたね、と毎回感心...

少しクセのある彼氏彼女を持つ人のショートストーリーなんだけど、こんな女いたらぶち殺したいとか、こんな彼氏だったら速攻別れるとか、胸くそ悪くなるぐらいの人物描写。 この作家は人間のドロドロした汚い部分を見る観察眼たるや、並大抵ではない。 よくぞここまで深堀しましたね、と毎回感心してしまう。 この本で目にした言葉でとても印象に残ったもの。 「食べることを共有できない人とつきあうって、定職がない人とつきあうことより難しいことだと私は思っちゃうのよね」 納得!!!

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2013/05/25

2013.5.25 他人である男女が生活を共にするにあたり生じる価値観の違い11編。八日目の蝉や空中庭園とは全く違った趣き。

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2013/04/28

カップルのすれ違いをテーマにした11の短編集。 恋人のことをすごく好きな気もちと、 恋人のなかに絶対に許せない部分があるってことは、全く矛盾しないで日常のあらゆる場面で溶け合っている。 このことを、とてもうまい具合に、おもしろく表現している小説である。 恋人と長く付き合うほど...

カップルのすれ違いをテーマにした11の短編集。 恋人のことをすごく好きな気もちと、 恋人のなかに絶対に許せない部分があるってことは、全く矛盾しないで日常のあらゆる場面で溶け合っている。 このことを、とてもうまい具合に、おもしろく表現している小説である。 恋人と長く付き合うほど、距離が近づくほど、決定的に「分かちがたい」何かを相手のなかに見つけてしまう、ということは、おそらく交際をしている(したことがある)誰もが経験してきたことだろう。 著者自身もあとがきに書いていたが、本書にでてくるカップルたちの滑稽さやバカらしさを笑いながらも、彼らのなかに自分や恋人の姿をふと見つけ、ぎくりとさせられる。 特に、『糧』と『旅路』は、自分を正当化するあまりに相手を許せなくなっていく男女の姿がよく描かれていてとても面白かった。 ここ最近読んだ角田さんの本で一番好きかもしれない。 長く付き合っている恋人がいる人や、 同棲中のカップルには特におすすめ。

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2013/02/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

女性作家、そして短編集をあまり読まない自分にとって、この『太陽と毒ぐも』のような作品は、人から教えられない限りは視界にも入れなかったが、それ故に新鮮であり、この本自体も一つ一つのストーリーの切り口が面白かったこともあって、一気に読んでしまった。 突き詰めれば同じようなことでケンカしている男女をだらだらと描写しているだけだが、誰もが経験したことがある(ように感じる)出来事を少しの違和感もなく表現しているので、自分が登場人物の一人になっているような感覚で楽しめた。 意外だったことは、男性が主人公の話よりも、女性がそれである方が面白いと感じたこと。女性の目に映る男性の姿が分かったからか、それとも男性が主人公だと、実際の自分を鏡写しで見せられて、詰られているように感じたからか?

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2013/02/07

なにしろ表紙がださい。なんだこの絵は。この表紙で買うのを迷ったほど。 でも角田さんは好きだし、おもしろかった。それぞれの短編が、終わり方がなかなかはっきりしない、とゆうのは読んでてもやもやするけど、恋ってそーゆうものかもな。

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2013/01/27

本当に些細な、些細な諍いがきっかけでお互いの距離がこんなにも離れてしまうものかと思った。諍いの種類は人それぞれ…食の好みだったり旅に対する考え方だったり。 結婚となると、こういったお互いの持ってるものを、許したり、妥協案を提案したり、時にはひたすら我慢したり…を繰り返していかなく...

本当に些細な、些細な諍いがきっかけでお互いの距離がこんなにも離れてしまうものかと思った。諍いの種類は人それぞれ…食の好みだったり旅に対する考え方だったり。 結婚となると、こういったお互いの持ってるものを、許したり、妥協案を提案したり、時にはひたすら我慢したり…を繰り返していかなくちゃいけないんだろうな。自分には出来るだろうか。彼氏彼女がいる人には読んでもらいたい作品。とても参考になりました。

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