パリでひとりぼっち の商品レビュー
題名と装丁の昔のパリの写真に惹かれて手に取った。 著者も内容も知らずに読み始めたのは変な先入観が無くて良かったかも。 私の拙い想像力では昔のパリを上手く思い描くことは出来なかったけど、レ・アルやシャトールージュの様子は読むだけで見えてくるようで面白い。 なんとなくハッピーエンドに...
題名と装丁の昔のパリの写真に惹かれて手に取った。 著者も内容も知らずに読み始めたのは変な先入観が無くて良かったかも。 私の拙い想像力では昔のパリを上手く思い描くことは出来なかったけど、レ・アルやシャトールージュの様子は読むだけで見えてくるようで面白い。 なんとなくハッピーエンドになる気がして気楽に読めた。なかなか興味深い本だったので、この後昔のパリを描いた本をもう少し読みたいな。
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コマキ少年が学費滞納でリセをほぼ文無し状態で追い出され孤軍奮闘するパリ生活の記録というような内容だんだん堕ちていくコマキ少年だがなんというか 昔の日本人の潔さとかそういうもののせいか 汚れたり 擦れたりしない最後はちょっと?な部分もあるが全体的に ちょっと寓話的な感じがよい
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この時代のフランスは鹿島教授の専門だけあって 「100年ほど前のパリの人々の生活」という 物語風の講義を聞いているような感覚でした。 書かれ方は少々ぎこちない感じでしたが 下手な小説家が書く物語より面白いと思います。 ペリーヌという女性が出てきますが 彼女は「ペリ...
この時代のフランスは鹿島教授の専門だけあって 「100年ほど前のパリの人々の生活」という 物語風の講義を聞いているような感覚でした。 書かれ方は少々ぎこちない感じでしたが 下手な小説家が書く物語より面白いと思います。 ペリーヌという女性が出てきますが 彼女は「ペリーヌ物語」からの特別出演ですよね(笑) レトロな表紙に黄色い枠で囲まれたタイトルも とても洒落ていてセンスがいいと思います。
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癒し系の本である。鹿島さんのパリ留学記かなと思って買ったら舞台は1912年。パリに留学していた少年コマキ・オオミヤが家からの送金が滞って寄宿舎を追い出されるところから物語は始まる。ほとんど文無しの日本人が、保証人に会うまでの9日間、ピンハネされたり、だまされたりしながら過酷な肉体...
癒し系の本である。鹿島さんのパリ留学記かなと思って買ったら舞台は1912年。パリに留学していた少年コマキ・オオミヤが家からの送金が滞って寄宿舎を追い出されるところから物語は始まる。ほとんど文無しの日本人が、保証人に会うまでの9日間、ピンハネされたり、だまされたりしながら過酷な肉体労働をし、パリの底辺の人々の暮らしにふれ、ベルトという娼婦やアンネというくず拾いをやりながら弟を養うたくましい少女に惹かれる。殺人事件の容疑をかけられ刑事に追われるが、最後は保証人に助けられ、日本大使館でアルバイトをしながら大学受験資格試験であるバカロニアの勉強に励む。ベルトはなんどもコマキにラブコールを送るが、最後はもとの愛人のもとにいき、その愛人と警察との銃撃戦で愛人をかばって死ぬ。コマキははたしてアンネとどうなるのか。ぼくはコマキは結局、パリで大学を出て日本に帰るのではないかと思う。ちょうど「舞姫」の主人公のように。
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