後巷説百物語 の商品レビュー
今回は語り手の百介が年寄りになって、過去を語りながら回想する形で進行していきます。 この中で百鬼夜行シリーズと繋がっており、向こうのシリーズでは怪異として伝わっているのが実に素敵でした。最後の終わり方なんかも、前回に続いて物悲しくて好きです。
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※このレビューにはネタバレを含みます
【2024年181冊目】 赤えいの幻、六部と舞首、生き続ける蛇、山男と移りゆく時代、光る青鷺、終わりの百物語。世に不思議なし、巷説百物語シリーズ第三段。 読むのに随分と時間がかかってしまいました。前作は「もしかしてここで終わるつもりでした?」みたいなお話でしたが、今作はその後の話です。どちらかというと読者側、巻き込まれ側の百介が語り手に変わり、四人の元武士たちが読者側という立ち位置に。 交錯する昔に起きた事件と、現在の事件を繋ぐ一白翁の回顧録というのが正しいかもしれません。ただ、小股潜り一向が好きな私としては伝聞ではなく臨場感あるその場その場の話として読みたい!と思うなどしました、だからなかなか進まなかったのかも。 京極堂シリーズに出てきた由良氏もひょっこり登場してきたりして、他シリーズとの連動ににっこりするなどしました。やはり鳥に囚われてるんですねぇ。 今シリーズは全部で七作、果たして次はどのような巷説百物語が展開されるのか。やっぱり目が離せそうにありません。
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少し趣向が変わって、時代は現代に近づく。なんとここで百鬼夜行シリーズとつながってしまうとは。加えて素晴らしいのが小野不由美による解説で、百鬼夜行シリーズのファンも是非とも読むべき。
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『赤えいの魚』 なんともまあ、表現し難い気持ちになる話で、 逆にそれがめちゃくちゃ印象に残った。 そしてラストの『風の神』 終わり方凄すぎる…… ああ……もう、 様々な意味で【終わり】なんだなあと。 読み終わって暫くは放心してしまった……
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明治十年。文明開花の音がするも時代は変われど人は変われず。 北林藩の元藩士で貿易会社に勤める与次郎は、腐れ縁の仲間たちと一白翁と名乗る老人のもとを訪れるが。 明治と江戸、二つの時代をまたぐ事件の結末とは……。シリーズ3作目、第130回直木賞受賞作→ 連作短編集。全二作と緩やかに...
明治十年。文明開花の音がするも時代は変われど人は変われず。 北林藩の元藩士で貿易会社に勤める与次郎は、腐れ縁の仲間たちと一白翁と名乗る老人のもとを訪れるが。 明治と江戸、二つの時代をまたぐ事件の結末とは……。シリーズ3作目、第130回直木賞受賞作→ 連作短編集。全二作と緩やかに繋がり、そして一つの時代が終わる。 もうね、なんも言えん。読み終わって一週間経つけど、いまだに最後のページを開くとなんも言えなくなる。 ただ、良かったなぁ、と。おそらくこれは、終わりの物語。一白翁の、そして「小豆洗い」から読んできた私たちの。→ 前作「続巷説百物語」のラストがあまりに突然だったから。 又市や百介と一緒に旅をした私たち読者の気持ちの整理をつけさせてくれた、これは京極御大の優しさなんよ(と、勝手に思っている) いやもう、最高。「小豆洗い」を読んだ全ての人に「風の神」読んでほしい。最高だから。
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続巷説百物語が市内の図書館の蔵書になくて、一作飛ばして後巷説です。 時代は、江戸から明治へと移り、妖怪話を集めてきた百介もすっかりご隠居となりました。 そこへ、一人の巡査と仲間の若者達が、ちょっと妖しげな困り事があると、知識と知恵を借りに百介の元にやってくる。そこで、経験譚として...
続巷説百物語が市内の図書館の蔵書になくて、一作飛ばして後巷説です。 時代は、江戸から明治へと移り、妖怪話を集めてきた百介もすっかりご隠居となりました。 そこへ、一人の巡査と仲間の若者達が、ちょっと妖しげな困り事があると、知識と知恵を借りに百介の元にやってくる。そこで、経験譚として若者達に妖怪話に含まれた人間の業を語り聞かせる。といった趣向。 巷説の最後を飾る「風の神」。古式に則った百物語が繰り広げられる。百介が最期に恨みを晴らす一芝居。 この本は、お厚めで少しずつ読んだんですが、切れ目がよくて、読み進めやすかったんです。後書を読むまで気が付かなかったのですが、見開きごとの文章のレイアウトにも気を配っているとか。こだわり感が凄い。 百物語を経験した事が無くて、一度、D瓶さんの本棚でいかがでしょう。蝋燭の絵文字を誰かに作ってもらって。
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今までの話は大体綺麗さっぱり忘れがちなのですが、京極堂シリーズも全く同じなのですが、ちょうど鉄鼠の檻を読んだところだったので、百鬼夜行シリーズともつながってるのー!となりました。 あと、圓朝祭り行きたいな、と。 ナウでヤングなナンパお兄さんたちは京極夏彦を知らないらしく、つまり妖...
今までの話は大体綺麗さっぱり忘れがちなのですが、京極堂シリーズも全く同じなのですが、ちょうど鉄鼠の檻を読んだところだったので、百鬼夜行シリーズともつながってるのー!となりました。 あと、圓朝祭り行きたいな、と。 ナウでヤングなナンパお兄さんたちは京極夏彦を知らないらしく、つまり妖怪の本ですと言ったら爆笑してお帰りになりました。人選ミスですよ!!!
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シリーズ二作目「続巷説百物語」の「老人火」で早くも主人公同士の別れのシーンがあり、三作目の本書はそれから40年後明治の話。 ずっと心の中で交流していたのだな。 満足げに静かに微笑んで終わる人生でありたいな。自分の意思で笑って。 「枯れた小さな老人は、その紙束の中で目を閉じで笑っ...
シリーズ二作目「続巷説百物語」の「老人火」で早くも主人公同士の別れのシーンがあり、三作目の本書はそれから40年後明治の話。 ずっと心の中で交流していたのだな。 満足げに静かに微笑んで終わる人生でありたいな。自分の意思で笑って。 「枯れた小さな老人は、その紙束の中で目を閉じで笑っていた。何だか子供のようだった。」 鉄鼠の檻や陰摩羅鬼の瑕など、百鬼夜行シリーズ登場人物の祖先も登場してくるおまけつきで嬉しかった。
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最終話が良すぎて鳥肌たった。 百物語にはじまって百物語に終わる。 百介が最後まで百介で、そこがとてもよかった。 繋がりは、なくなってはなかった。 きっと彼らは、いつも見守ってくれていた。
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島が沈む話、かなり怖かったけど一番好きだったかも 由良氏登場でおおーっとなった 又市さんから京極堂へと受け継がれていくかんじなのかな
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