ヘンリエッタ の商品レビュー
引きこもりのまなみはあきえさんに拾われてヘンリエッタという名前の家に居候している.好きな人ができると魚を飼うみーさんと一緒の3人暮らしで,ささやかに静かな毎日が過ぎていく.牛乳屋さんとの出会いなど,少しずつ癒されてまなみが外に心を開いていく様子を応援しながら読んだ.
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すごかった。透明感もすごいし、ストーリーもすごいし、とにかく引き込まれる、筆者が高校生って嘘だろう、途中から忘れてしまう。でも高校生だから書けたのかもしれないけど高校生でこれだけ小説を分かっているってすごいなと思った。ふわふわしたものをふわふわと書いて、なぜわたしたちは伝わるんだ...
すごかった。透明感もすごいし、ストーリーもすごいし、とにかく引き込まれる、筆者が高校生って嘘だろう、途中から忘れてしまう。でも高校生だから書けたのかもしれないけど高校生でこれだけ小説を分かっているってすごいなと思った。ふわふわしたものをふわふわと書いて、なぜわたしたちは伝わるんだろう。家から出たくない、安全地帯にいたい。でもたまに自分でも抑えられない衝撃におそわれて攻撃的になってしまう。そんな女性におすすめします。
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そこは、家でも外でもないところ。“最高の場所を見つけました”高校生が描く、静かな癒しの物語。第43回文藝賞受賞作。 ---------- ヘンリエッタというタイトルにひかれて借りてみた。 具体的な説明はほとんどない奇妙な共同生活を描いている。 それぞれが個性的な女性三人。 好き...
そこは、家でも外でもないところ。“最高の場所を見つけました”高校生が描く、静かな癒しの物語。第43回文藝賞受賞作。 ---------- ヘンリエッタというタイトルにひかれて借りてみた。 具体的な説明はほとんどない奇妙な共同生活を描いている。 それぞれが個性的な女性三人。 好きな人ができたらその人に似た魚を買ってきたり 三輪車を盗んできたり 家から出れなかったり。 いい感じの空気だなー。 ただ深みがもう一歩。 高校生だからのみずみずしさかしら。
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文章自体は好きです。 ヘンリエッタの外側の広さが印象的なのに対し、 内側の世界は狭くて逆に居心地の悪さを感じてしまいます。 それはすべて、あきえさんに起因することだと思います。 三輪車のバリケードにしても、 世界に向き合わない姿勢にしても。 救いがないんだよねあの人には。 そ...
文章自体は好きです。 ヘンリエッタの外側の広さが印象的なのに対し、 内側の世界は狭くて逆に居心地の悪さを感じてしまいます。 それはすべて、あきえさんに起因することだと思います。 三輪車のバリケードにしても、 世界に向き合わない姿勢にしても。 救いがないんだよねあの人には。 それにしては印象が薄すぎるのが残念です。 願わくば、もう少しあきえさんを描き込んでほしかったなと思います。 そうすれば、もっと大きな作品になったのではないかと思います。
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自分の旧姓と同じ人の本を読んでみよう、と図書館で探し 装丁がキレイで手に取り、作者が高校生ということで読んでみることにした。 ヘンリエッタにただよう空気の描きかたや、キャラクターや、 ちょっとどこかにありそうだったけど、高校生が書いてるとは思えない! なんかその「高校生が書いた...
自分の旧姓と同じ人の本を読んでみよう、と図書館で探し 装丁がキレイで手に取り、作者が高校生ということで読んでみることにした。 ヘンリエッタにただよう空気の描きかたや、キャラクターや、 ちょっとどこかにありそうだったけど、高校生が書いてるとは思えない! なんかその「高校生が書いた」っていうことがすごくビックリするような文章だった。 魚や三輪車のエピソードも、クリスマスも、牛乳屋さんとの交流も なんとなく全部面白くて、いいなぁ、っていう感じ。
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第43回文芸賞受賞作。作者は高校3年生。 ヘンリエッタという家に住む引きこもりっ子のまなみ・恋するたびに魚を飼うみーさん・時々三輪車を盗んでしまうあきえさん。 ヘンリエッタを愛し、ヘンリエッタに愛される3人の物語。 陸上部で足の速い牛乳屋さんが、真面目で誠実で、でも等身...
第43回文芸賞受賞作。作者は高校3年生。 ヘンリエッタという家に住む引きこもりっ子のまなみ・恋するたびに魚を飼うみーさん・時々三輪車を盗んでしまうあきえさん。 ヘンリエッタを愛し、ヘンリエッタに愛される3人の物語。 陸上部で足の速い牛乳屋さんが、真面目で誠実で、でも等身大の現代っ子で好感度大。 ラストでみーさんが、万年生きるまなえとあきえさんによく似たカメを飼うわ!と宣言するのもほほえましかった。 話の概要はコバルト文庫の「シナモンハウスの午後」に似てたかな。 家主のあきえさんが梨央で、まなみが琴子、みーさんは桂。 3人が3人とも問題を抱えていて、3人が本当にお互いを必要としているところがそっくり。 女の子3人って、結構居心地がいいのよね。 この話もすとんと読めるところがすごいと思った。 ちょっと擬音語・擬態語がうるさく感じる部分があったけど、大まかすとんと読ませたのは、高3にしてはすごい。 文芸賞選考委員は角田光代・高橋源一郎・藤沢周・保坂和志の4人なのだが、角田・高橋氏あたりが好みそうな話だな~と思った。
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5/31 本日2冊目。やっと調子が出てきた感じ。 取り戻せなかったらどうしようかと思った。。。 ヘンリエッタとなずけられたお家で暮らす、まなみと2人の同居人のお話。 これはこうです!って全然はっきり書かれていない感じが良かった。 簡略に言ったら、心が病んでしまった女の子がヘン...
5/31 本日2冊目。やっと調子が出てきた感じ。 取り戻せなかったらどうしようかと思った。。。 ヘンリエッタとなずけられたお家で暮らす、まなみと2人の同居人のお話。 これはこうです!って全然はっきり書かれていない感じが良かった。 簡略に言ったら、心が病んでしまった女の子がヘンリエッタという家で2人の同居人と過ごすことで回復していくっていうお話なんだけど。 押し付けが無い文体も魅力的だったし、どこかしら欠けている3人が寄り添って生きていく幹事がとっても良かった。 でも、やわらかいだけじゃなくって、力強い存在の登場もあったり。 すきです。こういうの。
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ふしぎだった。 わたしはすでに眠くなっていた。その「ねむたい」感じは、かなしい気もちによく似ていた。目にじわりと熱い水がしみてきて、びっくりした。 (P.121)
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これ読んだとき確か中山さんと歳がすごくちかいことに気が付いて驚いた。 感情はとてもわかくて青い印象だけれど、この感じの青さはアラウンド30的な女流作家さんが書いたものかと思ってた。 この先この人が書き続けたらどんな風になるのか楽しみ。
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第43回文藝賞受賞作。個人的には、江國香織、島本理生といった若い世代から支持されるような作品を書く作家がまた出てきたなあ、という印象。しかし、「いつも水のような空気が満ちている」ヘンリエッタの質感や室内の細やかな部分までキチンと描写されていて、読む者をヘンリエッタの一員かのような...
第43回文藝賞受賞作。個人的には、江國香織、島本理生といった若い世代から支持されるような作品を書く作家がまた出てきたなあ、という印象。しかし、「いつも水のような空気が満ちている」ヘンリエッタの質感や室内の細やかな部分までキチンと描写されていて、読む者をヘンリエッタの一員かのような錯覚に陥らせる筆力は17歳にしてはかなりのレベルと言えよう。「ヘンリエッタ」というのは女3人―外に出られず高校を諦めたまなみ、恋をすると魚を飼うみーさん、時々三輪車を盗んでくるあきえさん―が共同生活を営む家の名前であり、そこでタイプの違う3人が春夏秋冬、ゆるやかなペースで生活している様子を描いた物語。特筆すべき出来事は何も起こらない。ヘンリエッタで流れる時間を、彼女たちの生きる姿を一部切り取った、ただそれだけの作品。それを支えるのは前述した彼女の表現力、それだけだと思う。全体的に閉鎖的な雰囲気をにじませているように感じられたのは、外との関わりをほとんど描かず、ヘンリエッタ内部での出来事に重きを置いて書かれていたからであろう。 そのせいか、どことなくメルヘンチックなベールに覆われた1冊である。でも、地に足はついている。ヘンリエッタの不思議。
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