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もの・こと・ことば の商品レビュー

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2024/06/03

勁草書房の単行本が発売されると大学の生協で即購入した。 廣松渉の著作は学生時代ずいぶん熱心に読み、雑誌の対談もすべて目を通した。 教養時代、彼の哲学概論は全て聴講したし、学部生になっても彼の講義だけは聞きにいった。 何故なら、彼は最新の著作に関する講義を行うからだ。 新著の解説...

勁草書房の単行本が発売されると大学の生協で即購入した。 廣松渉の著作は学生時代ずいぶん熱心に読み、雑誌の対談もすべて目を通した。 教養時代、彼の哲学概論は全て聴講したし、学部生になっても彼の講義だけは聞きにいった。 何故なら、彼は最新の著作に関する講義を行うからだ。 新著の解説を、ご本人から聞ける訳だから、それはみんな聴講しようとする。 講堂はほぼ満席。 こんな大人気の講義は他に知らない。 四年間の彼の講義録はどこかにあるはずだ。 廣松渉の思想は、「世界の共同主観的存在構造」と「ら事的世界観への前哨」に尽きている。 後はその解説に過ぎないと言ったら言い過ぎだろうか。 だから、この著作も廣松渉哲学への入門書的意味合いを持っているという位置付けだ。 二つの主著を読んだ者には繰り返しに思えるのだ。 したがって、星3つ

Posted byブクログ

2010/12/13

廣松渉さんの名前は前から知っていたが、「アカ」のイメージがなんとなく強くて敬遠していた。 ところが、木村敏さんが著書の中で、廣松さんの「コト的世界観」を援用しているのを見て、よし、読んでみようと思ったのである。 ものすごく難解なのかな?と思っていたが、そうでもなかった。少なくと...

廣松渉さんの名前は前から知っていたが、「アカ」のイメージがなんとなく強くて敬遠していた。 ところが、木村敏さんが著書の中で、廣松さんの「コト的世界観」を援用しているのを見て、よし、読んでみようと思ったのである。 ものすごく難解なのかな?と思っていたが、そうでもなかった。少なくとも、この本は。 今どき絶対使わない旧漢字とか、見たこともない熟語とか出てくるけれども、言っていることはそんなに難しいわけではない。 思想の中身はとても刺激的だった。緻密な論じ方で、なるほどと唸らせられる。とりわけ前半の「事」の現相学がおもしろかった。 そして、「モノ」が個体として現出するに先立って「コト」が第一次的にあること、実体よりも「関係」が先に現出すること、などなど、自分の考えていたことと重なる部分もあって感銘を受けた。 この人の本、もう数冊読んでみたいな。

Posted byブクログ