ジャック・デロシュの日記 の商品レビュー
第二次大戦中のポ-ランド東部のソビブルに存在したナチス・ドイツの絶滅強制収容所の兵士ジャック・デロシュ(共産主義に対抗したフランス義勇軍としてドイツ軍に協力した) の日記を17歳の孫のエマが見つけ、大きな衝撃をうけ深く傷つきます。暴かれたくない過去の傷跡をもつジャック、冷徹なまで...
第二次大戦中のポ-ランド東部のソビブルに存在したナチス・ドイツの絶滅強制収容所の兵士ジャック・デロシュ(共産主義に対抗したフランス義勇軍としてドイツ軍に協力した) の日記を17歳の孫のエマが見つけ、大きな衝撃をうけ深く傷つきます。暴かれたくない過去の傷跡をもつジャック、冷徹なまでに真相追及をするエマ、戦後60年を経て戦争の新たな悲劇が待っていました・・・。フランス児童文学者である著者のホロコ-ストを題材にしており、人間のもつ業悪さの深淵を見せつけられる衝撃作です。
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敗戦後、大日本帝国を全否定したところから、私たちの国は始まったはずだった。 けれど、本当は全然否定できていなかった。戦争も、終わったふりをしてただけだった。何もかも終わらせることができないまま…。 もしも、大日本帝国が蘇るとして、その時私はその亡霊どもに従うことを拒否できるひと...
敗戦後、大日本帝国を全否定したところから、私たちの国は始まったはずだった。 けれど、本当は全然否定できていなかった。戦争も、終わったふりをしてただけだった。何もかも終わらせることができないまま…。 もしも、大日本帝国が蘇るとして、その時私はその亡霊どもに従うことを拒否できるひとりでありたい。
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戦争ものはあまり好きではないのですが、児童書向けになってることもあり、完読しました。 ただ、児童書向けにしては表現が過激だったり言葉が難しかったりします。 ジャック・デロッシュが誰なのかわからず、ずーっと日記だけの話で途中でやめようかと思ったんですが、(実際ななめ読みであまり内容は覚えてないです…。)最後にジャック・デロッシュが誰なのかがわかってもう一度読みたいと思いました。
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本の紹介は以下の通り。 =========== 祖父母の隠された過去を偶然知ったエマは、悩みながらも真実を探ろうとするが…。古くて新しいホロコーストの問題に、「拒食症の女の子」という現代的なテーマを組み合わせ、14もの海外文学賞を受賞した衝撃の物語。 ============ ...
本の紹介は以下の通り。 =========== 祖父母の隠された過去を偶然知ったエマは、悩みながらも真実を探ろうとするが…。古くて新しいホロコーストの問題に、「拒食症の女の子」という現代的なテーマを組み合わせ、14もの海外文学賞を受賞した衝撃の物語。 ============ 確かに、衝撃的な内容に、 この本を児童書として推薦していいのかどうか悩んだ読書サークルもあったりしました。 まぁ、重いです。 本当に重いのですが、避けて通れないテーマでもあります。 この本のテーマは、突き詰めれば「生きる」と言うことなのだと思います。 背景は先の戦争と現代。 交錯する時代に、それぞれが抱える「生きる」と言うことの意味。 刻限状態に人はどうするか? そして、 生と死が眼前にないとき、人は何を拠り所にするのか??? 考えます。
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自分のことをわかってくれない両親と暮らすエマ。彼女にとって一番信頼できる相手は祖父母だった。しかし、祖母の死と、祖母の隠し持っていた日記を手に入れた時から少しずつエマの歯車が狂い始めた。 ホロコーストと拒食症という過去と現在の問題を重ねたサスペンスな内容で引き込まれる物語だった。 【以下ネタバレ】 主人公はいわゆる「思春期の現代っ子」で、親の想いなど色々なことに気付けず、危うい。強い感受性をもち、ホロコーストの事実と尊敬する祖父母の恥ずべき一面を受け止めきれず、拒食にはしっていく。 エンディングの対峙シーンのエマのセリフは、偽善で子どもの戯言かもしれないけれど、ユダヤ人虐殺について知った時に感じる怒りと憤りの全てを代弁していると感じた。戦争とが許されないものであることを度外視しても、何の罪のない人たちを、その人種というだけで全滅させようとする発想と行動は理解に苦しむ。当時、自分がその立場だったら…と考えることさえ難しい。 『ヒットラーのむすめ』を連想した。自分の身内が、愛する人が、戦時下に人(しかもこの作品の場合は、罪のない大量の人たち)を殺していたという事実を突きつけられた時、どうすればいいんだろう。その人にどうして欲しいんだろう。やはり悔いて欲しいのだろうか。命で償って欲しいのか。謝罪して欲しいのか。涙して欲しいのか。
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ホロコースト文学は言葉を絶する。 過去の出来事は早く忘れてしまおう。過ぎ去ったことで頭をいっぱいにするのは無駄だ。古い世界の灰のなkあから、やがて新しい世界が蘇るだろう。個の世をけがしたものをすっかり取り除いた、これまでよりもずっと力強く健全な世界が。そのためにぼくはなにができる...
ホロコースト文学は言葉を絶する。 過去の出来事は早く忘れてしまおう。過ぎ去ったことで頭をいっぱいにするのは無駄だ。古い世界の灰のなkあから、やがて新しい世界が蘇るだろう。個の世をけがしたものをすっかり取り除いた、これまでよりもずっと力強く健全な世界が。そのためにぼくはなにができるだろうか。 ユダヤ人とヨーロッパ人のあいだには、否定しようのない深い精神的な溝が存在する。だから両者が共存することは無意味なのだ。ユダヤ人はなにも創らず、何も生み出さない。彼らは定住民族に寄生することで満足している。それならいっそ遠くへ追い払った方がいい。 我々は自分の環状をコントロールできるからこそ有能なのだ。我々が処理しているのは人間ではない。この明白な事実を理解し受け入れることは実際はこの上なく困難だが、それを本当に理解したとき、すべてはもっとずっと単純になる。それと同時にいわゆる道徳的な言い回しで疑問を投げかけないように気をつけなければならない。 彼らの罪はユダヤ人だったということ。ただそれだけ、他には何もない。 まるで罪をもって生まれてきたみたいに。
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自分がその時代に生きていたなら、どう行動してたのか。 戦争中の人間の思考ってどうなってるんだろう。 それでも、愛とか恋とか、日常はあるわけで。 自分の今のこの思想は、 この時代のもので、正しいとかではない、とか、色々と考えさせられる本です。 児童書です。 最後の主人公の選択と、そ...
自分がその時代に生きていたなら、どう行動してたのか。 戦争中の人間の思考ってどうなってるんだろう。 それでも、愛とか恋とか、日常はあるわけで。 自分の今のこの思想は、 この時代のもので、正しいとかではない、とか、色々と考えさせられる本です。 児童書です。 最後の主人公の選択と、それまでにとっていた選択に、まっすぐに生きたいなぁと思いました。
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