1,800円以上の注文で送料無料

黄昏の百合の骨 の商品レビュー

4

302件のお客様レビュー

  1. 5つ

    80

  2. 4つ

    139

  3. 3つ

    61

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2009/10/04

「麦の海に沈む果実」にて登場した理瀬の話。 「麦の海に〜」を既読していることが、出来れば必須の条件かと。と言うか是非熟読してから読み始めて下さい。 「高校生となった理瀬は、転落死した祖母の遺言により百合に囲まれた洋館へ 戻ってくる。そこには美しい叔母姉妹二人が暮しており……...

「麦の海に沈む果実」にて登場した理瀬の話。 「麦の海に〜」を既読していることが、出来れば必須の条件かと。と言うか是非熟読してから読み始めて下さい。 「高校生となった理瀬は、転落死した祖母の遺言により百合に囲まれた洋館へ 戻ってくる。そこには美しい叔母姉妹二人が暮しており……。  周囲からは『魔女の家』と呼ばれる洋館『白百合荘』。百合の香りに誘われて次々起こる不吉な事件。  果たして『白百合荘』に隠された秘密とは。  そして理瀬を待ち受ける運命とは。」 ……みたいなあらすじになるんでしょうね、きっと。 「麦の海に〜」の話で出て来た人物も深く絡んでくる上に、理瀬のバックヤードを知らなければ理解できない箇所も多々ある。やはり読んでおくことは必須条件になりそうだ。 「三月は深き紅の淵を」から始まるシリーズの中でも、ファンタジーの要素が限りなく少なく、更にはスッキリと解決まで提示してくれているので、ミステリーが好きな方は一番清々しく読むことのできる作品だろう。まぁ、また逆も然りなのですが。恩田さんのあの独特の雰囲気が好きな人は逆にこれでは物足りないのかも。しかし、人物描写(むしろ設定か)は相変わらず繊細だと思う。読み進むほどに登場人物に引き込まれ、飲み込まれてゆく……。 「子供の頃から、善と悪の戦う物語をいくつも読んだ。いつもその白黒はっきりした善と悪に疑問を持ったし、なぜ悪は悪であり続けるのかも疑問だった。  しかし、今ではぼんやりと分かる。悪は全ての源なのだ――善など、しょせん悪の上澄みの一部に過ぎない。悪を引き立てる、ハンカチの縁の刺繍でしかなのだ。でなければ、全がいつもあんなに弱く、嘘くさく、脆く儚いことの説明がつかない。」

Posted byブクログ

2009/10/04

「これが、そちら側の世界なのか。そっちの世界は、どのくらい広がってる?どれほど闇に包まれてるんだ?」(本書より)     あなたは誰を信じる?  理瀬か、姉妹か、それとも自分か・・・  展開、展開、また展開  恩田陸だから書けた作品!!!     『あなたはそっち側の人間?』

Posted byブクログ

2009/10/04

全体を通して、影のある雰囲気。まず登場人物そのもの、人間関係がミステリー。あちらこちらに謎がちりばめられていて、最後まで明らかにならない秘密もあって、関連小説を読み漁りたくなる。

Posted byブクログ

2009/10/04

「三月は深き紅の淵を」から始まる(順番どおりに読まなくてもいいらしく、ただ少し接点があるというだけだけれど)、一連の作品の一つ。 今回も「麦の海に沈む果実」の理瀬が主人公。 なんとも言いがたいけれど、全体のイメージとしては羅刹の家。 理瀬の利発さや頭の回転の良さ、タイミング...

「三月は深き紅の淵を」から始まる(順番どおりに読まなくてもいいらしく、ただ少し接点があるというだけだけれど)、一連の作品の一つ。 今回も「麦の海に沈む果実」の理瀬が主人公。 なんとも言いがたいけれど、全体のイメージとしては羅刹の家。 理瀬の利発さや頭の回転の良さ、タイミングのよさは、どうも程度が過ぎていて、少し食傷気味。 ミステリとしてはすごくそれらしいものだと思いました。

Posted byブクログ

2009/10/04

ひっくり返るのが幾つかあって面白かった。 クセがある(思わせぶりなところ)けど、ここは好みの問題かも。

Posted byブクログ

2009/10/04

「3月は〜」の4章に出てきた学園物、「麦の海〜」の続編ぽい話。あの理瀬が高校生になり、義理の叔母2人との「魔女の家」で共同生活を送ることに。雅雪くんが実にいいやつでした。てか他の面々の大半があれですからね……続きにちょっと期待中。

Posted byブクログ

2009/10/04

「強烈な百合の匂いに包まれた洋館で祖母が転落死した。奇妙な遺言に導かれてやってきた高校生の理瀬を迎えたのは、優雅に暮らす美貌の叔母二人。因縁に満ちた屋敷で何があったのか。『魔女の家』と呼ばれる由来を探るうち、周囲で毒殺や失踪など不吉な事件が起こる。将来への焦りを感じながら理瀬は─...

「強烈な百合の匂いに包まれた洋館で祖母が転落死した。奇妙な遺言に導かれてやってきた高校生の理瀬を迎えたのは、優雅に暮らす美貌の叔母二人。因縁に満ちた屋敷で何があったのか。『魔女の家』と呼ばれる由来を探るうち、周囲で毒殺や失踪など不吉な事件が起こる。将来への焦りを感じながら理瀬は──。  『魔女の家』で──今、あたしは一人だ。一人きりで戦うのだ」 【2007年7月、読了】感想→  楽しみにしていた理瀬シリーズ、続き。これは『麦の海…』のその後の話になるので、できればそれを読んだ後に、こっちを読んだほうがわかりやすいと思う。あと、『図書室の海』に収録されている短編・「睡蓮」も読んでいたほうがいい。…でも、それでも、いろいろな謎が解けないまま、わからないところがあり、すっきりしないまま終わった…。なので、星4つ。話自体は、事件が起こってその真犯人が意外な人物で、最後に近づくにつれ「え!?」と思わせられ、さらに最後の最後でまた「え!?」と…。ドキドキさせられました。でも、まだ謎だらけなので、次の続編(完結編?)で、謎が解けることを期待しています!「闇に包まれた、一族の世界」というものの、全貌がわかるといいなぁ…。

Posted byブクログ

2009/10/04

『麦の海に沈む果実』に登場する水野理瀬 高校生の物語。その前の物語を読んでないと分からない部分も多い。 でも空白を嵌める作業は面白い。

Posted byブクログ

2009/10/07

恩田さんは、いくつかのシリーズ物を書き続けていますが、この作品もシリーズ物だったらしい。 全く知らなかったわけですが、まあ、シリーズ物として読まなくても、作品として完結しているので、問題なく楽しむことが出来ます。 一癖も二癖もある登場人物。 誰もが怪しい・・・そして、ひと...

恩田さんは、いくつかのシリーズ物を書き続けていますが、この作品もシリーズ物だったらしい。 全く知らなかったわけですが、まあ、シリーズ物として読まなくても、作品として完結しているので、問題なく楽しむことが出来ます。 一癖も二癖もある登場人物。 誰もが怪しい・・・そして、ひとつの結末の後に、更なる展開が・・・。 面白いけれど、ちょっと疲れる作品でした。

Posted byブクログ

2009/10/04

『麦の海〜』よりは孤立的な舞台でした。 でも理瀬の魔性っぷりは前作のラストと同じくらい、いかんなく発揮されてます。雅雪がベストオブ良い男の子。亘が報われてなくてちょっと可哀想な気もしたけど、、、 まぁあの理瀬が相手じゃ仕方がないよ。 『幸福とは、なんとグロテスクなものなんだろう』...

『麦の海〜』よりは孤立的な舞台でした。 でも理瀬の魔性っぷりは前作のラストと同じくらい、いかんなく発揮されてます。雅雪がベストオブ良い男の子。亘が報われてなくてちょっと可哀想な気もしたけど、、、 まぁあの理瀬が相手じゃ仕方がないよ。 『幸福とは、なんとグロテスクなものなんだろう』という言葉に、一時の幸せは裏側で犠牲になった何かの上にあるのかもしれないと思わされるパワーと印象があって怖い。 これからまた続編ができそうな終わり方は、やっぱりここでも恩田流。

Posted byブクログ