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大学病院のウラは墓場 の商品レビュー

3.7

21件のお客様レビュー

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2009/10/04

センセーショナルなタイトルとはちょっと違う内容で 現在の日本の医療界の問題を淡々と述べていました。 著者さん、実は面白い人なんじゃないかと思います。 マスコミは理想論ばっかり言うんじゃないよー! というお叱りの本ですが、 この本も結構理想論だと思いました。 ワタクシは、現実...

センセーショナルなタイトルとはちょっと違う内容で 現在の日本の医療界の問題を淡々と述べていました。 著者さん、実は面白い人なんじゃないかと思います。 マスコミは理想論ばっかり言うんじゃないよー! というお叱りの本ですが、 この本も結構理想論だと思いました。 ワタクシは、現実を見て理想を述べられるのは好きなので、 この本も結構好きです。 日本のお医者さん、頑張って欲しい。 最近話題の医師不足に興味のある人にはおススメ。

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2009/10/07

立場的に患者と医療者の中間…のような位置にいる私には、賛同する部分と複雑な気分にさせられる部分とがありましたが、筆者の主張は共感する部分が多いように感じました。 研修医の教育システム然り、マスコミの助長による過度な医療不信然り。 医師不足の危機を招いているのは、世間が異常なまでに...

立場的に患者と医療者の中間…のような位置にいる私には、賛同する部分と複雑な気分にさせられる部分とがありましたが、筆者の主張は共感する部分が多いように感じました。 研修医の教育システム然り、マスコミの助長による過度な医療不信然り。 医師不足の危機を招いているのは、世間が異常なまでに正義を振りかざし、現実離れした理想論を追い求めた結果かもしれない。 普通の企業に就職しても、新入社員は失敗してそこから学んで成長していくものだと思います。ベテランだって、人間がやる仕事である以上ミスが0なんてことはあり得ない。 医療者だって同じです。命を預かる以上、「ミスしました、はいそうですか」では済まない事は事実ですが、新人のうちは患者に協力してもらって練習させてもらうしか技術を向上させていく道はないんです。 新治療法も、誰かが実験的に始めてくれない限り、発展することはないんです。 「患者も賢くならなければならない」とはよく言われますが、自分の主張を通す賢さだけでなく、こういった側面もあるということに対しても賢くなってもらわなければ、本当に日本の医療は崩壊します。。

Posted byブクログ

2009/10/04

大学病院は人体実験をするところである、とはっきり言ってくれてスッキリです。患者側が医療に対する過度な期待を持ちすぎているとの現実認識も非常に的確だと思います。勉強になりました。

Posted byブクログ

2009/10/04

大学病院の現実と世間の意識のギャップを的確に著していると思う。 世間の認識を変えることが必要であるという主張にも説得力がある。 医局が崩壊していること、医療がいまや崖っぷちの状況であること。 ジャーナリズムとして客観的によく書き切ったと思う。 オレは理学部出身だけど医学部の一部...

大学病院の現実と世間の意識のギャップを的確に著していると思う。 世間の認識を変えることが必要であるという主張にも説得力がある。 医局が崩壊していること、医療がいまや崖っぷちの状況であること。 ジャーナリズムとして客観的によく書き切ったと思う。 オレは理学部出身だけど医学部の一部の連中とは特に気が合ったんで、3年4年の頃には毎週のようにスキーや飲みに行ったもんだ。 しかし、自分が病気にかかったら、彼らだけには診て欲しくないと思ったものだった。 どこも実態は似たようなもんなんだろうけどね。 オレが付き合ってた連中(10人くらいか)が特にバカ揃いだったこともあるけど… (2008/5/6)

Posted byブクログ

2009/10/04

タイトルだけ見るとどんなとんでも本かと思うのだけど、中身は素晴らしかった。確実に確かな医療が受けられると信じて疑わない現在の私たち。患者、医師両サイドの意識改革の必要性を警鐘している。医療崩壊と言われて久しい日本であるが、この書籍を読むと内実がよく理解できる。 <今後の医療発展...

タイトルだけ見るとどんなとんでも本かと思うのだけど、中身は素晴らしかった。確実に確かな医療が受けられると信じて疑わない現在の私たち。患者、医師両サイドの意識改革の必要性を警鐘している。医療崩壊と言われて久しい日本であるが、この書籍を読むと内実がよく理解できる。 <今後の医療発展のために必要だと感じたこと> ・医療ミスを糾弾するのではなく、補償制度を充実させることで対処。 ・研究、臨床の分離。研究分野で先進医療を受けるものは治験を受け入れ、その代わり医療費を免除。 ・医師の将来の保証。その分若い頃に技術修練などに頑張れる。

Posted byブクログ

2009/10/07

なぜ医療の最高峰ともいうべき大学病院は事故を繰り返し、患者の期待に応え られないのか。その驚くべき実態と医師たちのホンネに迫り、医者と患者の間 に立ちはだかる本質的な壁を浮き彫りにする。

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2009/10/04

書名を見ると週刊誌的に大学病院の内部を告発する内容かと思うが、実質はその反対に近い。 大学病院が一般の病院と違うのは、教育・研究という部門が治療部門とは別についていて、そのため未熟な若い医師のオン・ザ・ジョブ・トレーニングの場になっていることだ。それは次の世代の医療を供給するの...

書名を見ると週刊誌的に大学病院の内部を告発する内容かと思うが、実質はその反対に近い。 大学病院が一般の病院と違うのは、教育・研究という部門が治療部門とは別についていて、そのため未熟な若い医師のオン・ザ・ジョブ・トレーニングの場になっていることだ。それは次の世代の医療を供給するのに必須なのだが、当然一定のリスクを伴う。 それで事故が起こるとマスコミは袋たたきにするが、常にベテランが治療に当たるのは物理的に不可能だし、実践を積まないでベテランにはなれない。 筆者ははっきりと、必要もないのにいつもベテランの最高度の医療を求めるのは患者のエゴであり、マスコミの無責任なあおりのつけは必ず将来の医療や地方やマイナーな医科などにしわ寄せがいくと批判し、リスクがまったく伴わない医療はありえず、必要なのはリスクをゼロにしようとする不可能な努力ではなく患者と納得した形で合意できる保障制度だとする。 ここでの批判の対象は、むしろできもしないことを要求するマスコミと患者のエゴの方だ。そしてこの議論にはかなり説得力がある。

Posted byブクログ

2011/09/04

『廃用身』『破裂』『無痛』の久坂部羊のノンフィクション。医療の世界に身を置く著者ならではの生の声。どうやら、日本医療界はかなりの危機らしい。

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2009/10/04

大学病院とその他の病院。同じ「病院」と名がついていながら前者は医学の研究に重きを置いていて後者は診療に重きを置いている。大学病院が診るのは未来の患者、その他の病院が診るのは現在病気を抱えた患者。誰かが研究をしていかないことには医療分野は発展しない―。 現在の日本の病院が抱える問...

大学病院とその他の病院。同じ「病院」と名がついていながら前者は医学の研究に重きを置いていて後者は診療に重きを置いている。大学病院が診るのは未来の患者、その他の病院が診るのは現在病気を抱えた患者。誰かが研究をしていかないことには医療分野は発展しない―。 現在の日本の病院が抱える問題点(主に大学病院の構造とその問題点)についてまとめてある本。病院選びで泣かないように、診療を受ける立場である私たちが読んでおくと面白い。

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2009/10/04

 日本の医療の現状とその問題点、その問題点の背後の歴史や事情。  それをよく知るマスコミの必要以上の煽動とただ自分たちの利益のための世論誘導。  そしてそのマスコミに煽られる市民。  その市民たちの反発を恐れ、必要以上の(悪ともいえる)制度を作ってしまう役所。  その制度...

 日本の医療の現状とその問題点、その問題点の背後の歴史や事情。  それをよく知るマスコミの必要以上の煽動とただ自分たちの利益のための世論誘導。  そしてそのマスコミに煽られる市民。  その市民たちの反発を恐れ、必要以上の(悪ともいえる)制度を作ってしまう役所。  その制度に翻弄される病院と医師。そして押し寄せてくるプレッシャーと世論の反発に耐えられなく辞めていく医者。  そして医療問題がますます深刻になる。  病院、医師の視点、役所の視点、そして患者と一般市民の視点とそれぞれの本音をちゃんと書いている。  作者は医師で作家である。だからこそかけたこの一冊だと思う。  ただし、逆に医者だから見解が偏ってしまっている部分もある。  自分のために読んでおくべき本だと思う。

Posted byブクログ