お言葉ですが…(7) の商品レビュー
週刊文春に連載されて…
週刊文春に連載されていたものをまとめたエッセイ集。えっと驚いたり、なるほど と納得したりで、まぁ楽しめます。「むかしの日本の暦」がよかったです。
文庫OFF
「片頬三年」というタイトルの記事で、「四民平等は四民こぞって百姓町人になったのではなく、その気がまえにおいて、みな武士になった。特に女がなった、とわたしは思う」と著者は述べているのですが、政治的な含意を読みとることを読者にうながすような文章だという印象を受けてしまいました。 近...
「片頬三年」というタイトルの記事で、「四民平等は四民こぞって百姓町人になったのではなく、その気がまえにおいて、みな武士になった。特に女がなった、とわたしは思う」と著者は述べているのですが、政治的な含意を読みとることを読者にうながすような文章だという印象を受けてしまいました。 近代以降の日本で「武士道」が国民道徳にまで押しあげられたことへの批判が、主として左派の論客から提出されていますが、そういったコンテクストのなかに著者の発言を引っ張り込むとどのような効果を持つだろうか、といったことも考えさせられました。 諸田玲子の時代小説に「連絡」ということばが用いられていることをとりあげたエッセイもおもしろかったのですが、諸田も美人だったばかりに、怒りっぽい御隠居の目に止まって叱られる羽目になったのは不運なことでした。「楚々たる美人、とはこういう人のためにあることばではないかと思った」と著者は述べているのですが、たおやかでありつつ芯の強そうな女性が著者の好みなのでしょうか。なんとなく、腑に落ちるような気がしたのですが、上で記した政治向きの話に引っ張られてしまったのかと連想が働きます。 いつもながらこの「お言葉ですが…」シリーズは勉強になるのですが、どうも今回は雑念が入って余計なことばかり思い浮かんでしまいました。
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マジレスすると、「めるとも」は「メール友達」の略だから、「めるゆう」ではないと思うよ。 新聞固有の書き方というのは、字数制限があるからだと思うし。 読者層が限定された内輪感は否めないかな。
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