ADHD医学モデルへの挑戦 の商品レビュー
知的にはさほど問題がないはずなのに、飽きっぽい、衝動的な行動をする、不注意が甚だしい、忘れっぽい等々の問題を抱えた子ども達がいる。 従来、これらの行動は家庭(特に母親)の育て方に問題があると見られていたが、1972年アメリカのダグラスの発見からADHDという概念が登場した。...
知的にはさほど問題がないはずなのに、飽きっぽい、衝動的な行動をする、不注意が甚だしい、忘れっぽい等々の問題を抱えた子ども達がいる。 従来、これらの行動は家庭(特に母親)の育て方に問題があると見られていたが、1972年アメリカのダグラスの発見からADHDという概念が登場した。 著者はまずADHDという診断のなされ方に疑問を呈す。 生物学的マーカーが存在しないためDSM-Ⅳを始めとする診断基準には客観性が欠けるのではないかというのだ。国、地域によって診断率に6倍もの差があり、リタリン等中枢刺激薬の処方率は更に差がある。エピデンスによる診断ではなく持論による診断が行われていないかと。 また、「ADHD」という診断名を「診断のゴミ捨て場にするな」とも言っている。ADHDという障害があるから「仕方がない」のではなくて、それにどう積極的且つ有効な方法で関与していくかだと。 周囲(家庭・学校)の関わり方のウェイトをね従来より大きく評価している点目新しい。
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発達障害に関する書籍は多々あるが、この本では「しなやかな子どもの発達のために」と副題がつけられているように、発達をどう捉えるかという、一歩深いところに踏み込んで、しかも新しい視点を持つことを提起しているように感じた。
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