スイートリトルライズ の商品レビュー
お互い、他に恋人がで…
お互い、他に恋人ができたことで、さらに夫婦を大切に、愛することができるという、瑠璃子と聡の結婚生活。江國さんらしい、スローテンポのストーリーです。
文庫OFF
夫婦って・・・
タイトル通り、お互いに対し小さな嘘を重ねる夫婦。夫がいて、そして間違いなく夫だけを愛していたいのに、他の男性に満たされてしまう瑠璃子。「人は守りたいものに嘘をつくの」。……そういう夫婦の物語、です。
yama
テディベア職人の私が憧れる個展できるテディベア作家さんのお話。 静かな?結婚生活に関しては結果的には幸せに見えてくる。
Posted by
ただとにかくわたしは瑠璃子になりたい。 夫に「あの人は現実感が希薄だからな」と評される瑠璃子になりたい。 人は結局はひとりで、でもひとりじゃ生きられなくて、いろんな人や事柄の存在に支えられながら生きていくんだろうけど、瑠璃子はそのあたりのバランスが絶妙でこんなふうに物事をとらえ...
ただとにかくわたしは瑠璃子になりたい。 夫に「あの人は現実感が希薄だからな」と評される瑠璃子になりたい。 人は結局はひとりで、でもひとりじゃ生きられなくて、いろんな人や事柄の存在に支えられながら生きていくんだろうけど、瑠璃子はそのあたりのバランスが絶妙でこんなふうに物事をとらえられるたおやかな精神でいられたらいいなぁと思う。 瑠璃子を見ていると、自分のなかのさみしい気持ちを「足りないもの」として扱うか「いとしいもの」として扱うかで心の持ちようが変わるんだろうなぁって思えたりする。 ちなみに映画化された作品では瑠璃子を中谷美紀さんが演じているんだけど、それがまた実に瑠璃子でよい。好きすぎてサブスクで見た後にDVDも購入して手元に置いている。 自分の生き方に迷いそうになった時のおまもりみたいな作品。
Posted by
なぜ、江國香織の手にかかれば、ダブル不倫をこんなに美しく綺麗に無邪気に描けるんだろう。 ゆるやかに腐っていく2人(いや、4人)の関係が、それでもどんどん洗練されていくように感じてしまう。表現力ってすごい。 不倫とか浮気大嫌いなのに、夢中で読んでしまった。江國香織好きだな。恋とか愛...
なぜ、江國香織の手にかかれば、ダブル不倫をこんなに美しく綺麗に無邪気に描けるんだろう。 ゆるやかに腐っていく2人(いや、4人)の関係が、それでもどんどん洗練されていくように感じてしまう。表現力ってすごい。 不倫とか浮気大嫌いなのに、夢中で読んでしまった。江國香織好きだな。恋とか愛とかがいちばん大切だと思えてしまう。人間はもっと無邪気に何も考えずに人を好きになるべきだと、愛するべきだと思ってしまう。 瑠璃子は聡のことも春夫のことも愛していて、春夫は瑠璃子のこともしほのことも愛しているんだな。最初は、瑠璃子の方が大人でドロドロな気がしたけど、最後は子供で純粋な気持ちで春夫が好きな気がした。逆に、最初は聡は純粋にしほを好きだと思ってたけど、最後はしほに対しても瑠璃子に対しても、なんかドロドロというか大人のズルさを聡が持っている気がした。 彼氏彼女ではない、夫婦という形。共に暮らす人、肉親になった人。春夫もしほも結局それぞれの夫や妻には敵わないのかな。心の中にそれぞれの夫と妻がいて想い合ってるのかな。 それでも、それだからこそ、しほや春夫が愛しいと思うってことは、やっぱり夫や妻以上にその人のことを愛してるっていうことなのかな。それは素敵なことなのかもしれないけど、だけどとても哀しい。 スイートな記憶。みんな心の中には誰かとのスイートな記憶があって、その記憶を大切にしながら生きている。それは愛し愛された記憶であり、目の前の恋人との記憶とは限らない。 それはとてもスイートなことだ、と言う春夫のことが嫌いになれないし、瑠璃子の気持ちを大事にしたいけど聡のことを考えてもう春夫に会わないと決めた瑠璃子の気持ちもきっと本心で。聡はそんなことも知らずにしほと旅行に行く話をしてて。 男と女の永遠のすれ違いみたいなのを感じる。 ソラニンか、トリカブトか。2人のゆく先はどこに向かうのか。浮気がバレた時に、瑠璃子は自分のことは棚に上げて無理心中をするのかな。それとも春夫と一緒になるのかな。それとも今のままで生活を続けるのかな。 愛っていう制御不能な気持ちこそが人間にとって毒だろう。理論じゃない。 スイートな、小さな、嘘たち。 人は嘘をつく。大切だからこそ。
Posted by
読了。 スイートリトルライズ 読了というか再読。江國香織さんは10代後半から20代前半の頃によく読んでいたので、読みながら当時のことを思い返したり、、なんとも言えない気持ちになる。 ストーリーはドロドロしているはずなのに、穏やかに淡々と読めるのが不思議。 「なぜ嘘をつけな...
読了。 スイートリトルライズ 読了というか再読。江國香織さんは10代後半から20代前半の頃によく読んでいたので、読みながら当時のことを思い返したり、、なんとも言えない気持ちになる。 ストーリーはドロドロしているはずなのに、穏やかに淡々と読めるのが不思議。 「なぜ嘘をつけないか知ってる?人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに。」
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
瑠璃子と聡は出会った時点ではお互い自立していた。 けれどもお互いを知っていく中で、瑠璃子はだんだんと聡に依存していく。聡のことを外界から護ってくれる「窓」だ、と瑠璃子は考えている。聡もまた、瑠璃子から依存されていることを理解している。そもそも聡は、自立している瑠璃子に惹かれたはずなのに。歯車がどんどん合わなくなっていく様子が美しく描かれている。そして、瑠璃子も聡が自分に恋愛感情を持っていないことに気づいている。それでも自分には聡が必要であることが分かっている。それを、「恋」ではなく「飢餓」が起きている、と表現する。 お互いの息苦しさをうまく発散し、関係を続けていくために、それぞれ不倫に走る。欠けている要素を恋人に求めるように恋に溺れていく。しかし、最終的に聡はどちら選ぶのか、はたまた瑠璃子の聡への依存は美しい静かな狂気に変わってしまうのか。
Posted by
"人は守りたいものに嘘をつく" その言葉には深く共感できる。結婚していても、家族がいてもどこか淋しさを感じる。それもわからなくはない。 けど…
Posted by
愛してるけど、理解出来ない。 その人だけになったら苦しくなる。 浮気は悪いことだけど必要なこと。 男女の複雑な感情を描いた作品。 ただ共感は出来ないけど。
Posted by
映画を先に見てちょっとこういう恋愛ゴッコはどうかな?と思ったけど、小説のほうが数倍リアルに感じた。江國さんの作品は映像よりやっぱり言葉で知っていきたい。
Posted by