ボディーガードは危険な香り の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
財産家の息子・高司伊織は新しく専属の警護についた近石義綱が鬱陶しくてたまらない。それまでのボディーガードは、伊織のオーストリア人譲りの白い肌、薄茶色の髪、グレーっぽい瞳、おまけに男にしておくにはもったいない顔立ちで、結局は伊織の言いなりに懐柔してきたのだが、新しくやってきた義綱は、伊織のそんな魅力ではちっとも懐柔されてくれない。おまけに、アメリカの上院議員の身辺警護をやっていたという義綱は優秀で、伊織は逃走を図っては阻止されて、負けっぱなしだ。 けれど、伊織の可愛い顔の魅力に惑わされない義綱の前では、伊織も猫を被る必要はなく、自然体のままでいられる。次第に、伊織の目的はボディーガードにくっつかれて、鬱陶しいから逃げ出すというものから、義綱に勝ちたい、というものに変化していく。 その一つとして、嫌がらせで誘惑しているうちに義綱の膝の上に座るようにしていたら、今度はそれがクセになってしまう始末。 ところが、ついに伊織が誘拐された事件の後、伊織は反発しつつも義綱に惹かれる気持ちを自覚するが、義綱は「ボディーガードだから」ということを理由に伊織の想いには答えてくれない。 意地っ張りでひねくれているように見えるけど、自分の感情に素直なだけで、伊織みたいなのの方が、本当は素直なんだと思う。かわいいです。 ところで、最初の誘惑に心を動かされなかった義綱がいったいいつから伊織のことを好きだったのか、気になるところですが、物語は全部が伊織目線で書かれているから、そのあたりはずっと謎のまま……ってところでしょうか? でも、「付き合ってくれないなら、他の男を誘惑する」って言った伊織に対して、焦ったのであろう、義綱はちょっとかわいいかもしれません。 きっと慌てて、学校の先生として雇ってもらったんだろうから。 まぁ、伊織がそれに気づくのはだいぶ後なのか、もしかしたら、一生気づかない……というより、わかっていても口に出させてもらえないのかはわかりませんが、いい年した大人がそんな風なのは、すっごくかわいくていいと思います。
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