イレギュラー の商品レビュー

三羽省吾【著】

2014/02/07

水害で村全体が避難生活になり、その村の高校の野球部員がひねくれながらも野球を再開し、ライバル校の選手と衝突しながら甲子園での優勝を目指す青春物語。被災というテーマもあり重い部分もありながら、ご都合主義の試合展開もありつつ気楽に読めるいい話。

2012/08/18

水難被害にあい、村が壊滅してしまった高校の野球部と隣の選抜で甲子園に出場し、夏も目指している高校の野球部が混ざり合い。お互いがすこしづつわかりあい、成長していく、綺麗事だけじゃなくてちょっとやんちゃな部分もあり面白かった。　「イレギュラーではボールデットにはならないこと」この言葉がいろんなことを教えてくれている。

2012/08/21

水害で大規模半壊した村の野球部が甲子園出場の強豪校のグラウンドを借りて合同で練習することに。
笑いあり感動ありの熱血野球小説。

「これは野球まんがだ!!」というのがこの小説を言い表すのに一番わかりやすい表現だと思う。
個性的というには収まらないほどに際立ったキャラクター、次々と起きる事件、話を和ませるお笑い、ひたむきな練習と成長、選手同士の衝突と友情、そして熱い試合展開、どれも野球まんが、スポーツまんがの定石であり、それを贅沢に詰め込んだような作品でした。
例えるなら「MAJOR」を基盤に、若干ヤンキー系を塗して、「あぶさん」の哀愁を加えたようなかんじ？(笑)

人間関係の描き方や会話のやりとりもとても楽しめ、特に両チームのエース二人の関係の変化には読んでいてしびれるものがあった。

2011/08/07

＜内容＞新鋭が描く、熱すぎる傑作青春小説！
素質だけは全国レベル、態度ならメジャーレベルの豪腕高校生ピッチャー・コーキは、強豪野球部Ｋ高にプライドを蹴散らされ、真剣に野球に取り組みはじめた。だが思ってもみなかった事件がコーキたちに降りかかる!!

2011/01/27

　少し前のスポ根を思わせる青春スポーツ小説。

　不器用だけど、才能を秘めた主人公コーキを中心に繰り広げられる成長の物語。敵対していたはずの人がいつの間にか仲間に加わってきたり、一昔前のジャンプ作品みたいな作品です。

　中盤以降は野球の話ばかりだけど、序盤に描かれている被災者達の生活風景には考えさせられた。
　新潟中越地震で甚大な被害を受けた山古志村を思い出した。
　テレビで報道されなくなると、世間ではまるで問題は解決したようになってしまうが、村人にとっては報道されてなくてもそれは現実のものとして立ちはだかっていたのだろう。
　今、山古志村はどうなっているのだろう？

　作中では深くは語られないが、熱い展開の中にどことなく感傷の混じった一冊だった。　

2010/10/11

あんまり好きじゃない文章だったんだけど、それも途中で気にならなくなるくらいストーリーが面白かった！蜷高が甲子園行ってめでたしとかだったら萎えたけど、甘すぎないハッピーエンドがまた良い。

2010/05/25

190cmの長身を持つ高校球児、「コーキ」。
どうせなら主人公の名前、「リュージ」にしてほしかった。（Ys43 宮出隆自）

2010/03/03

英語で「不規則な」、「変則的な」の意味ですが、普通は野球やソフトボールでのイレギュラーバウンドの意味で、規則的に転がるはずのボールが小石や地面の荒れで予想外の飛び跳ね方をすることを言います。

野球の好きな方も、野球以外のスポーツを好きな方も、スポーツには興味ない方もきっと楽しめます。

水害で被災し、町の廃校の校庭の仮設住宅に暮らす蜷谷村の人々。
村の高校「ニナ高」には9人ギリギリの野球部があり、そこには荒削りだがすごい素質のバッテリーがいるが、グランドがなく練習も出来ないニナ高野球部の面々はナンパに喧嘩と燻った毎日を費やしていた。

そして仮設住宅のすぐ近所にはその春の甲子園にも出場し、ノーヒットノーランを達成して全国的に脚光を浴びた名門K高校野球部があった。
Ｋ高監督結城はニナ高監督大木の教え子だった。

そんな縁でＫ高校のグラウンドを借りて練習し、夏の甲子園予選大会へ挑むことになる蜷高ナイン。

しかし、復興の目処も立たない村では野球どころではない。。。
そして両校は合同練習初日に衝突する。

いやあ、電車で読んでるととても危険です。何度もニタ～っとしたり噴出してしまいます。
熱くて爽やかで読後感がもう最高です・・・満足

2011/07/19

最初読んでいるときは、ありきたりのあり得ない快進撃のものと思ったが、思ったより現実的で読後の爽快感があった。

2009/11/27

【村が水害にあい、グラウンドも使えず練習もままならないニナ高野球部。素質は全国レベル、態度ならメジャーレベルの剛速球投手コーキもその素質をくすぶらせ、ナンパやケンカ三昧の日々。そんなニナ高に、恰好の練習相手として目を付けたのは名門野球部K高だった。だが両校は合同練習初日に衝突する。自分の球に絶大な自身を持つコーキはK高野球部に勝負を挑むが…】

登場人物に個性があって良かったです。
思わずぷぷっと笑ってしまう場面が何度もあり、ユーモアたっぷり！
「せつな系」って・・・(笑)
いろんな面で『イレギュラー』が散りばめられていて、
ありえないだろ～と思いながらも、そんな事はどうでもいいと思わせてしまう豪快さ。
文章自体は洗練されたイメージはないですが、
とにかく勢いがあってそれを気にさせないほど。
それでも二校がお互いに影響を与え合い、そして成長しあう姿がよく描かれていて、
十代独特の心の変化も共感できるものがありました。
Ｋ高メンバーや結城の粋な計らいには「やられた！」とにやけてしまったし、
ラストも良かったな～
でも今後が気になる終わり方だったので、続編が出たら嬉しいです。
テンポがよくて、さらっと読めてしまう１冊でした。