死刑のすべて の商品レビュー
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2006年(底本2003年)刊。元刑務官・法務事務官による刑務所、特に拘置所内の死刑囚の処遇、日常、囚人の現代的変容と看守との関係、さらには規律保持に関する苦労などが、具体的に解説。適正手続保障の意味に関しての理解は甘いと思うが、様々な問題を包含する死刑囚の処遇管理制度の問題意識は現場に根差したものであり、傾聴に値する。安全のための規律・管理強化をうたいつつも、死刑囚と間近に接した著者の、「死刑制度は存続しつつ、処刑の反対」という一種独特の立場は知って損はない。刑務所・拘置所制度の運営者への批判も含む。
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おもしろいおもしろくないという評価をしてはいけない本だと思った。 えぐい。 私は死刑制度についてはどちらかというと賛成ではあるが、 その中での緩和策的なものってもっと考えられても良いんじゃないかと感じた。 2016.11.9
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元刑務官である筆者による、現場目線でつづられた死刑の記録。節々に「現場の苦悩を知らない弁護士と学者」という表現が垣間見え、いかに現場の刑務官たちが自称人権派の諸氏による心無い中傷に苛まれているかをうかがい知ることができる。 「死刑廃止」「死刑賛成」を論じた書は世にあまたあれど、...
元刑務官である筆者による、現場目線でつづられた死刑の記録。節々に「現場の苦悩を知らない弁護士と学者」という表現が垣間見え、いかに現場の刑務官たちが自称人権派の諸氏による心無い中傷に苛まれているかをうかがい知ることができる。 「死刑廃止」「死刑賛成」を論じた書は世にあまたあれど、現場目線で死刑について切り込んだ書はこれをおいてほかにないだろう。 死刑を考えるうえでまず読んでおいて損はない一冊。
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筆者の主張が強い。もうちょっと客観的な目線だったら良かったかなぁと思う。 それにしても刑務官の仕事ってこんなに幅広いのかって感じで…。もうちょっと細分化できないのかな。
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自分たちは、死刑のことを知らなすぎる。知らされなさすぎる。 死刑を一番身近で見てきた刑務官の経験は、非常に重い。 彼らがいなければ死刑はできない。 死刑を望み、死刑を決める人間すら、見ることのできない世界。 でも、本当は見なければいけないことだと思う。
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元刑務官が著した死刑の実態に関する書。刑務官に取材したものとしては、大塚公子さんの死刑執行人の苦悩等一連の名著があるが、刑務官自身によるものは寡聞にして知らない。死刑執行の方法、死刑囚の処遇の難しさ、殺すために生かすという制度に潜む矛盾、全く反省のない死刑囚や受刑者がいる反面で冤...
元刑務官が著した死刑の実態に関する書。刑務官に取材したものとしては、大塚公子さんの死刑執行人の苦悩等一連の名著があるが、刑務官自身によるものは寡聞にして知らない。死刑執行の方法、死刑囚の処遇の難しさ、殺すために生かすという制度に潜む矛盾、全く反省のない死刑囚や受刑者がいる反面で冤罪が確実にあるという現実、短いながら充実した内容。裁判員制度もだいぶ定着し、市民が市民に死刑判決を出すことも珍しくなくなったいまだからこそ読んでほしい一冊。ちなみに、著者は、映画13階段のアドバイザーもしたとのこと。映画のリアリティにも納得。
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今まで刑務官の方の視点で死刑について考えていなかった。 ただそれだけでなく、視点に偏りが少なく、大変読みやすく、また考える事を与えてくれる本だった。
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丹念に書かれていて、つらくて、身につまされて、だけど刑事裁判官として目を背けてちゃならない事実。知らないでいるのはあり得なかった。裁判所に上がってくる部分なんて本当数%。どうすればいいのかな。でも全てに関われる立場なんてないからな。知らないことを自覚して、できることを精一杯するし...
丹念に書かれていて、つらくて、身につまされて、だけど刑事裁判官として目を背けてちゃならない事実。知らないでいるのはあり得なかった。裁判所に上がってくる部分なんて本当数%。どうすればいいのかな。でも全てに関われる立場なんてないからな。知らないことを自覚して、できることを精一杯するしかないな。
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元刑務官が現在行われている「死刑」に関する全てを赤裸々に語り尽くした、今この時期だからこそ、読まれるべき本である。 死刑囚がその時まで過ごす日々…最も身近にいる看守と刑務官の苦悩…著者が想う「死刑制度」の是非…そして、死刑執行当日の始めから終わりまで…。 特に、本書に収録されている「死刑執行当日」の模様を描いた劇画『死刑執行』は、執行の瞬間を何度も経験した著者ならではのリアリティで描かれている。この劇画を読むだけでも、執行する者と執行される者の心情がひしひしと伝わってくる。 死刑制度を論議するなら、まずは本書を参考資料として読み込んでみては、いかがだろうか。
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元刑務官が執筆されたということで、どうしても想像の域でしかない死刑、死刑制度について深く考えさせられた。 死刑に携わる人間が全て人格的に優れている訳ではもちろんなく、出世や保身に必死な官僚と、現場の刑務官との乖離を考えると、結局、人間が人間を死を持って裁くことは不可能だと感じてし...
元刑務官が執筆されたということで、どうしても想像の域でしかない死刑、死刑制度について深く考えさせられた。 死刑に携わる人間が全て人格的に優れている訳ではもちろんなく、出世や保身に必死な官僚と、現場の刑務官との乖離を考えると、結局、人間が人間を死を持って裁くことは不可能だと感じてしまう。 そして死刑制度の前に、裁判や刑務所の問題に取り組む方が先なのではないか。死刑制度が逃げ道になってはならない。
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