1,800円以上の注文で送料無料

死刑のすべて の商品レビュー

3.6

28件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2015/11/08

元刑務官である筆者による、現場目線でつづられた死刑の記録。節々に「現場の苦悩を知らない弁護士と学者」という表現が垣間見え、いかに現場の刑務官たちが自称人権派の諸氏による心無い中傷に苛まれているかをうかがい知ることができる。 「死刑廃止」「死刑賛成」を論じた書は世にあまたあれど、...

元刑務官である筆者による、現場目線でつづられた死刑の記録。節々に「現場の苦悩を知らない弁護士と学者」という表現が垣間見え、いかに現場の刑務官たちが自称人権派の諸氏による心無い中傷に苛まれているかをうかがい知ることができる。 「死刑廃止」「死刑賛成」を論じた書は世にあまたあれど、現場目線で死刑について切り込んだ書はこれをおいてほかにないだろう。 死刑を考えるうえでまず読んでおいて損はない一冊。

Posted byブクログ

2014/08/12

筆者の主張が強い。もうちょっと客観的な目線だったら良かったかなぁと思う。 それにしても刑務官の仕事ってこんなに幅広いのかって感じで…。もうちょっと細分化できないのかな。

Posted byブクログ

2014/06/29

自分たちは、死刑のことを知らなすぎる。知らされなさすぎる。 死刑を一番身近で見てきた刑務官の経験は、非常に重い。 彼らがいなければ死刑はできない。 死刑を望み、死刑を決める人間すら、見ることのできない世界。 でも、本当は見なければいけないことだと思う。

Posted byブクログ

2014/02/22

元刑務官が著した死刑の実態に関する書。刑務官に取材したものとしては、大塚公子さんの死刑執行人の苦悩等一連の名著があるが、刑務官自身によるものは寡聞にして知らない。死刑執行の方法、死刑囚の処遇の難しさ、殺すために生かすという制度に潜む矛盾、全く反省のない死刑囚や受刑者がいる反面で冤...

元刑務官が著した死刑の実態に関する書。刑務官に取材したものとしては、大塚公子さんの死刑執行人の苦悩等一連の名著があるが、刑務官自身によるものは寡聞にして知らない。死刑執行の方法、死刑囚の処遇の難しさ、殺すために生かすという制度に潜む矛盾、全く反省のない死刑囚や受刑者がいる反面で冤罪が確実にあるという現実、短いながら充実した内容。裁判員制度もだいぶ定着し、市民が市民に死刑判決を出すことも珍しくなくなったいまだからこそ読んでほしい一冊。ちなみに、著者は、映画13階段のアドバイザーもしたとのこと。映画のリアリティにも納得。

Posted byブクログ

2013/12/24

今まで刑務官の方の視点で死刑について考えていなかった。 ただそれだけでなく、視点に偏りが少なく、大変読みやすく、また考える事を与えてくれる本だった。

Posted byブクログ

2012/06/09

丹念に書かれていて、つらくて、身につまされて、だけど刑事裁判官として目を背けてちゃならない事実。知らないでいるのはあり得なかった。裁判所に上がってくる部分なんて本当数%。どうすればいいのかな。でも全てに関われる立場なんてないからな。知らないことを自覚して、できることを精一杯するし...

丹念に書かれていて、つらくて、身につまされて、だけど刑事裁判官として目を背けてちゃならない事実。知らないでいるのはあり得なかった。裁判所に上がってくる部分なんて本当数%。どうすればいいのかな。でも全てに関われる立場なんてないからな。知らないことを自覚して、できることを精一杯するしかないな。

Posted byブクログ

2012/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 元刑務官が現在行われている「死刑」に関する全てを赤裸々に語り尽くした、今この時期だからこそ、読まれるべき本である。  死刑囚がその時まで過ごす日々…最も身近にいる看守と刑務官の苦悩…著者が想う「死刑制度」の是非…そして、死刑執行当日の始めから終わりまで…。  特に、本書に収録されている「死刑執行当日」の模様を描いた劇画『死刑執行』は、執行の瞬間を何度も経験した著者ならではのリアリティで描かれている。この劇画を読むだけでも、執行する者と執行される者の心情がひしひしと伝わってくる。  死刑制度を論議するなら、まずは本書を参考資料として読み込んでみては、いかがだろうか。

Posted byブクログ

2011/07/16

元刑務官が執筆されたということで、どうしても想像の域でしかない死刑、死刑制度について深く考えさせられた。 死刑に携わる人間が全て人格的に優れている訳ではもちろんなく、出世や保身に必死な官僚と、現場の刑務官との乖離を考えると、結局、人間が人間を死を持って裁くことは不可能だと感じてし...

元刑務官が執筆されたということで、どうしても想像の域でしかない死刑、死刑制度について深く考えさせられた。 死刑に携わる人間が全て人格的に優れている訳ではもちろんなく、出世や保身に必死な官僚と、現場の刑務官との乖離を考えると、結局、人間が人間を死を持って裁くことは不可能だと感じてしまう。 そして死刑制度の前に、裁判や刑務所の問題に取り組む方が先なのではないか。死刑制度が逃げ道になってはならない。

Posted byブクログ

2010/11/24

 読了。  刑務所の中、死刑囚が収容される一角。刑が確定したあとも、その執行までには何年もの時間がかかる。やけになった囚人の暴動を防ぐ為に、直前まで知らされずにひっそりと執行される死刑……。  書店で見かけ、これは知っているようで知らない世界だと思い、ふらりと手にとってみまし...

 読了。  刑務所の中、死刑囚が収容される一角。刑が確定したあとも、その執行までには何年もの時間がかかる。やけになった囚人の暴動を防ぐ為に、直前まで知らされずにひっそりと執行される死刑……。  書店で見かけ、これは知っているようで知らない世界だと思い、ふらりと手にとってみました。ドラマの中では、刑事や裁判関係はよく出てくるけれど、死刑囚が執行までをどんなふうにすごすかは、あまり語られないですよね。  人を処刑する立場の人々の心理、長年の間の閉鎖環境がもたらした弊害と秘密主義、死刑制度の問題と、死刑廃止運動がかえってもたらした悲劇。わたしたちが普段は眼を逸らしている現実。もと刑務官が綴るノンフィクション。  内容そのものは、読んでよかったと思うのですが、ところどころ暴露本みたいな色があって、それがちょっと苦手だったかもしれません。もちろん、正義感から書かれているということは、読んでいてわかるのだけれど、糾弾調の文章だと、共感よりも、警戒心のほうがつい先に立つというか。この方の仰ることは、物事の大切な一面だけれど、またほかの角度から見つめなおす前に、この意見だけを頭から鵜呑みにするのは、やや尚早ではないかというような。  長年のあいだに降り積もった苦悩や不満がそうさせるのでしょうし、激しい論調になるのは、心情的にはわかる気がする。けれど、人は何かを糾弾するときには、とても視野が狭まるものだから、それをすべての真実であるかのように鵜呑みにして読むのは、ちょっと危険だなとも思います。そういうとき、ひとは自分の立場に偏ったものの見方をするものだから。  もっとも、一見、冷静で公平にみえる文章のほうが、ほんとはもっと騙されそうで危ないのかもしれないんですけど。  さておき、興味深い一冊でした。死刑廃止論の理想と現実。死刑が確定しても、せめて人として死なせたい、罪の重さを自覚して悔いてから死んでほしいという思い。中には以前と人が変わったような、悔悟の色の強く見て取れる死刑囚もいて、そうした囚人と長く日々をすごしたあとに、その相手を刑場に引き立てていく……。  死刑確定者の数であるとか、拘置所の組織であるとか、そういう部分にも意外な思いがしました。

Posted byブクログ

2010/06/14

途中で死刑判決が出た事件を羅列しているようなところを少し読み飛ばしたりしたが、最後の項の死刑執行の様子の描写はさすがにリアリティがあった。 筆者の意見や心情が多分に入っているので、それも一意見として客観的に読むべきかと思う。

Posted byブクログ