風の影(下) の商品レビュー
下巻で、少しづつ謎が解かれていく。 謎の作家フリアン・カラックスとは? フメロ刑事、物語に出てくる「悪魔」、魅力的な女性たち・・・。 ストーリーも平坦じゃなく、 がっちり読者の心を掴んで、振り回すような強引さがある。 ここまで主人公に感情移入したのはひさしぶりだった。
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藤子・F・不二雄は生前「マンガからマンガを学んじゃいけないよ」と後進に指導していたそうだ。狭い世界観しか養えないからだろう。 最近のJ−POPは「翼を広げすぎ」というmixiのニュースを以前読んだ。活字を読まない人たちが同じ業界の中だけで世界観を完結させようとする典型例だ。...
藤子・F・不二雄は生前「マンガからマンガを学んじゃいけないよ」と後進に指導していたそうだ。狭い世界観しか養えないからだろう。 最近のJ−POPは「翼を広げすぎ」というmixiのニュースを以前読んだ。活字を読まない人たちが同じ業界の中だけで世界観を完結させようとする典型例だ。 表現者は愛を伝えるときに愛してると言ってはいけない。言葉にできない想いを言葉にできないと言ってはいけない。悲しいときに涙がこぼれたと言ってはいけない。うれしいときに笑ったと言ってはいけない。怒っているときに眼をつりあげたと言ってはいけない。落ち込んでいるときにため息をついたと言ってはいけない。 すべて使い古された陳腐な表現だ。 では、どう表現するのか。 この本を読めばわかる。
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上巻で霧に包まれていた部分が、一気に明かされる様はまるでパズルのピースがあるべき場所に嵌っていくかのようです。 陰鬱なバルセロナの内戦時代・・・フリアンの過去と登場人物の複雑な繋がりが見えてくると、不思議なことにフリアン=ダニエルがリンクし始める。そして周りの人々も・・。 その中...
上巻で霧に包まれていた部分が、一気に明かされる様はまるでパズルのピースがあるべき場所に嵌っていくかのようです。 陰鬱なバルセロナの内戦時代・・・フリアンの過去と登場人物の複雑な繋がりが見えてくると、不思議なことにフリアン=ダニエルがリンクし始める。そして周りの人々も・・。 その中にはたくさんの愛があり、フリアンが叶えられなかったことがダニエルに叶えられるのかどうか、ハラハラしながら読みました。主人公にはハッピーエンドを迎えてほしいですよね! そして男同士の友情もステキ。 「難しいのは、人生を捧げるに値する仕事をしながら金を稼ぐことだよ」これはほんとに印象に残る名言ですね。ひとが人生で捜し求めている何か、が見つかる本かもしれない。
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下巻の方が一気に読めてしまったけど、 やはりねぇ~。 評判を見て、期待してしまったせいか、 そんなに驚きもなく、ちょっと肩透かし気味です。 でも面白かったですよ。
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久しぶりの翻訳ものだが、実によくできている。冒頭の部分など、本好きにはたまらないと思う。ただ暴力や恐怖が苦手な私としては心痛むところがあり、★4とした。小説としてはよくできていて、世界37カ国で翻訳されベストセラーとなっているというのもうなずける。ゴシック小説風の背景で、ロマンス...
久しぶりの翻訳ものだが、実によくできている。冒頭の部分など、本好きにはたまらないと思う。ただ暴力や恐怖が苦手な私としては心痛むところがあり、★4とした。小説としてはよくできていて、世界37カ国で翻訳されベストセラーとなっているというのもうなずける。ゴシック小説風の背景で、ロマンスもあり、本をめぐるミステリーもありでぐいぐい読ませる。また読みながら強く感じたのがタイトルにもある『影』だった。今までスペインのことをよく知らず、観光やサッカーの華やかな印象であったのが、その内戦の歴史がどれほど暗い影をもたらしたのか改めて思い致したことだった。今年読んだ児童文学でもそれは感じたし。この本が出た時面白そうだなあと思っていて今回読んでみたら2006年初版となっていた。私としては2〜3年前くらいの気持ちだったからちょっとびっくり。時間はどんどん過ぎていってるんだ。
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謎の作家フリアン・カラックスの過去が明らかになるにつれて、ダニエルの身に危険が迫る。一方、彼は作家の生涯と自分の現在との不思議な照応に気づいていくのだが…。ガウディ、ミロ、ダリなど幾多の天才児たちを産んだカタルーニャの首都バルセロナの魂の奥深くを巡る冒険の行方には、思いがけない結...
謎の作家フリアン・カラックスの過去が明らかになるにつれて、ダニエルの身に危険が迫る。一方、彼は作家の生涯と自分の現在との不思議な照応に気づいていくのだが…。ガウディ、ミロ、ダリなど幾多の天才児たちを産んだカタルーニャの首都バルセロナの魂の奥深くを巡る冒険の行方には、思いがけない結末が待っている。文学と読書愛好家への熱いオマージュを捧げる本格ミステリーロマン。 (裏表紙紹介文より) *** う~ん、面白かったぁ~! 正直、上巻は読むのにかなり時間がかかったんですが、下巻はあっという間に読み終えてしまいました。 上巻で少しずつ明かされた謎や新たに生じていった事柄などの様々な要素が一気に繋がって、さらに新しい事実が判明して…本当に引き込まれました。 これは単純なミステリーや恋愛小説ではなかったです。 フリアンとダニエルと、そしてフメロと、彼らに連なる人達の人生を描いた物語でした(まぁ単なる愛憎劇と言ってしまえばそれまでですが)。 たった2冊(上下巻)にこれほどの人生が詰まっているなんて…厚みのある本だなぁと思います。 色々書きたいことはたくさんあるんですが、上手くまとめられないのでこの辺で。 しかし最後のシーン、あれってやっぱり…そういうことなのかな。。。 これは『忘れられた本の墓場』がキーとなる物語ですが、Wikipediaによると四部作だそうで。 2作目の「天使のゲーム」はスペインではもう発売されているようですが、日本語版はいつでるのかな…。 ぜひ読みたいです。
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すっごい面白かった!くどくなく丁度良いぐらいで謎が謎を呼ぶ感じ。"ミステリー"読んだな、って満足。 キャラも魅力的ですな。ミケルとクララが好き。
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ミケルの長い手紙は本当にひきこまれるようによんでしまいます。 本当に悲しいストーリー。 終わりかたは個人的には好きでした。 奇をてらって終わってないのがとってもいい。 最近の小説は終わりが納得できないのがおおいからその点もよかった。 戦争に対しての記述、心に刺さりました。 ...
ミケルの長い手紙は本当にひきこまれるようによんでしまいます。 本当に悲しいストーリー。 終わりかたは個人的には好きでした。 奇をてらって終わってないのがとってもいい。 最近の小説は終わりが納得できないのがおおいからその点もよかった。 戦争に対しての記述、心に刺さりました。 忘れる、という技は人間に必要なことだけど、 戦争の痛みは後世まで忘れてはいけないと思います。 文句なしの☆5つ。 Aug 2010
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途中から、あまりにもおもしろくてページをドンドンめくってしまうおもしろさだった。 会話の言い回しも、洒脱でいい。
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夫「これはすごい。一気に読破してしまった!久しぶりに本が手放せなかった!実は仕事をさぼって読んでたんだ・・・」 妻「え・・・!?まあ気持ちは分かるけど・・・でもさあ・・・」 夫「それぐらい面白いってこと。だって謎が気になるじゃん」 妻「そうだよね〜〜。ペネロペとフリアンの許されな...
夫「これはすごい。一気に読破してしまった!久しぶりに本が手放せなかった!実は仕事をさぼって読んでたんだ・・・」 妻「え・・・!?まあ気持ちは分かるけど・・・でもさあ・・・」 夫「それぐらい面白いってこと。だって謎が気になるじゃん」 妻「そうだよね〜〜。ペネロペとフリアンの許されない恋がすごーーく悲しかった。ペネロペが赤ちゃん産みながら死んでいくところはずっと忘れられないと思う。もはやトラウマ。それと知らず手紙を書き続けるフリアン。届かないのに・・・」 夫「時代や街を想像するとありえない話ではない気がする。落ち着いて考えるとかなり狂気の世界だけど、それを感じさせない。読んでいるときにはどっぷり浸かってしまう」 妻「下巻で主人公がとたんに男らしくなるのが、うまく表現されてると思う。筆に勢いがあるというか」 夫「そして何より終わり方が好きだな。重い内容だけど読後感は悪くないよね」 妻「それぞれの日常へ。私にとってはこの本が「風の影」になったかも!しばらく何も読む気がしないよ」
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