1,800円以上の注文で送料無料

ひとがた流し の商品レビュー

3.7

87件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    26

  3. 3つ

    30

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2015/04/25

いいお話だと思いました。 序盤の描写は淡々と綴られていて、特に事件性やワクワク感等は感じられませんが、主人公が病気を患ったあたりから、ぐいぐい引き込まれます。 かといって、具体的な病名もあえて書かれておらず、安易な「闘病もの」ではないところに好感。 重い病を抱えて生きる様、周...

いいお話だと思いました。 序盤の描写は淡々と綴られていて、特に事件性やワクワク感等は感じられませんが、主人公が病気を患ったあたりから、ぐいぐい引き込まれます。 かといって、具体的な病名もあえて書かれておらず、安易な「闘病もの」ではないところに好感。 重い病を抱えて生きる様、周りでそれを見守り支える様…悲壮感があまりなく淡々と進んでいくが、それがリアルなのかも。 いつか、もし自分が命に関わる重い病を患った時…または、周りの友達がそうなってしまったら…どうふるまっていくのだろう。 色々感じるものがありました。 今、自分に出来ること。 「家族や友人を大切にする」 単純だけれど、それに尽きるなぁ。

Posted byブクログ

2015/01/20

多感な十代の頃から友情を培って来た女三人、人生の折り返し地点に差し掛かろうという彼女らの関係、日々の思い、家族の姿を描いた静かな物語です。落ち着いて安心感のある文章や、登場人物それぞれの物事の捉え方は、段々彼女らの年齢に近づいて来ている者として、良く理解出来、しっとりと心に染み入...

多感な十代の頃から友情を培って来た女三人、人生の折り返し地点に差し掛かろうという彼女らの関係、日々の思い、家族の姿を描いた静かな物語です。落ち着いて安心感のある文章や、登場人物それぞれの物事の捉え方は、段々彼女らの年齢に近づいて来ている者として、良く理解出来、しっとりと心に染み入る感じがしました。身近な者の死に際して、どの様に向き合い、受け入れれば良いのか、いつか自分自身が戸惑ってしまった時に、この物語のことを思い出せれば良いなと思います。

Posted byブクログ

2015/01/09

女性アナウンサーとその女友達の話。あまり物語性は感じられないが、しんみりと人の生き方が描かれる。以前NHKのドラマを見たが、原作を読むと主演を演じた沢口靖子のために書かれた小説のように思えるくらいピッタリはまっている。

Posted byブクログ

2015/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公千波とそれを取り巻く友人牧子、美々。 友人っていいものだと思った。 そして千波に乳がんが発見される・・・。夫と過ごしたわずかな日々も美しく表現されている。 「涙」という言葉を使わずに表現したのがグッときたし、言葉では表せない心のスカスカ感がよく感じられた。 悲しい話だけど心に透き通った風のように吹き抜けた。

Posted byブクログ

2014/03/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分の存在に意味があるのだろうか?ということを考えている時にたまたま読んだ。 中にある 「人が生きていく時、力になるのは何かっていうと、ー<自分が生きていることを、切実に願う誰かがいるかどうか。>」 この部分はすごく胸に響いた。 もし、自分に自信がなくて、自分が生きていることを誰も切実に思ってくれる人がいないと思えるのなら、 自分が、生きていて欲しいと切実に思えるほど大切に思える誰かを探せばいいのだ。 もちろん、そこまでの切実さを持って、誰かの存在を願う程の人に会えるのは稀なことかもしれない。 けれども、誰もがそんな誰かを持っているのだと思う。 登場人物が、親に恩を返したいと言った女の子に返した言葉も、まさにその通りだと思った。 子供が親に向ける全幅の信頼。 そんな信頼を預けてもらえるだけでも、親になった甲斐があるというものだ。

Posted byブクログ

2014/03/12

乳がんで亡くなる女性アナウンサーと、ふたりの幼馴染。その家族。命の終わりに訪れた恋愛も何もかも、美しく上辺を流れる水のようなお話で、目には優しいのだが心の中には落ちてこない。

Posted byブクログ

2013/12/21

先日の十五夜読書で『月の砂漠を~』を読んだのでこちらも再読。 さきちゃんとお母さんの牧子が、時を経ても懐かしく温かな記憶を共有していることがなんだか嬉しい。 この作品は淡々としているようで、心を揺さぶられる言葉が溢れている。 類が玲に優しく語りかけるくだりがとても好きです。 幼い...

先日の十五夜読書で『月の砂漠を~』を読んだのでこちらも再読。 さきちゃんとお母さんの牧子が、時を経ても懐かしく温かな記憶を共有していることがなんだか嬉しい。 この作品は淡々としているようで、心を揺さぶられる言葉が溢れている。 類が玲に優しく語りかけるくだりがとても好きです。 幼い頃からのささやかな記憶を積み重ねてきた友人達。 ああ、素敵だなと思う。 「人が生きていく時、力になるのは《自分が生きてることを、切実に願う誰かが、いるかどうか》」 この言葉が胸に沁み入ります。 友人、家族。私も誰かの力になれていたら良いなと思う。

Posted byブクログ

2013/11/20

初読みの作家さん。前半はリズムがつかめず読みにくかった。登場人物がなかなかかみあわずに何度もリタイアしようかと思った。しかしレビューでも後半が良いと多く見られたので頑張った。頑張って良かった。何度かポロリと泣けました。三人と同じ世代だけどこんなに素敵な友人は私にはいないなぁと思い...

初読みの作家さん。前半はリズムがつかめず読みにくかった。登場人物がなかなかかみあわずに何度もリタイアしようかと思った。しかしレビューでも後半が良いと多く見られたので頑張った。頑張って良かった。何度かポロリと泣けました。三人と同じ世代だけどこんなに素敵な友人は私にはいないなぁと思い寂しくなった。

Posted byブクログ

2013/11/01

(2006.03.23読了)(新聞連載) 内容紹介(amazon) アナウンサーの千波、作家の牧子、元編集者で写真家の妻となった美々は、高校からの幼なじみ。牧子と美々は離婚を経験、それぞれ一人娘を持つ身だ。一方、千波は朝のニュース番組のメインキャスターに抜擢された矢先、不治の病を...

(2006.03.23読了)(新聞連載) 内容紹介(amazon) アナウンサーの千波、作家の牧子、元編集者で写真家の妻となった美々は、高校からの幼なじみ。牧子と美々は離婚を経験、それぞれ一人娘を持つ身だ。一方、千波は朝のニュース番組のメインキャスターに抜擢された矢先、不治の病を宣告される。それを契機に、三人それぞれの思いや願い、そして、ささやかな記憶の断片が想い起こされてゆく。「涙」なしには読み終えることのできない北村薫の代表作。 朝日新聞好評連載北村薫の心をゆさぶる最新長編小説。

Posted byブクログ

2013/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

40歳過ぎの千波、牧子、美々の3人の女性仲間が主人公で、軽快な調子で進んでいきます。取りとめもない話しが続き、盛り上がらないと思っていたら千波の病気から、千波の後輩の若い男性・鴨足屋良秋の登場により、一気に話しが展開したように思われました。女性アナウンサー(千波)、写真家(美々の夫・類)などの生活の実態が詳しいことも興味深いところでした。牧子、美々の娘たちを含め、登場人物に女性が多く、女性心理に詳しいので女流小説家かと思うと、年配男性の作家!意外でした。重い病気が進行していく一方で、この小説の明るさは素晴らしいです。

Posted byブクログ