君たちはどう生きるか の商品レビュー
特に「六 雪の日の出来事」「七 石段の思い出」が好きだ。 どうしておなかの中で思っていただけで行動しなかったんだろう。自分は卑怯者だという悔悟がいつまでもじくじくと胸に残る。嫌なものだ。避けられるものならば避けなければならない。そんなことを思い出させてくれた。美しい説話だ。
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話題の作品ということで手をつけてみました。 子供の目線でいえば大人からこんなこと教えて欲しいというよう内容だし、大人からすると子供に教えたいという内容でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
コペル君と叔父さんのノートでのやり取り、友達との関係で人はどう生きるべきかを問いかけ、導いている。 自分が死んでしまいたいと思うほど後悔する行動をとってしまったことを認めるのはつらい。言い訳を考えて認めまいとするが、そこをきちんと認めてその為に苦しむことができるのは人間だけ。過ちは誰でもあるが、そこから学び立ち直ることもできる。 消費専門で何一つ生産出来ないが、いい人間になることはできる。 人間同士、お互い好意で尽くす関係が、本当に人間らしい関係ではないか。
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1937年7月、『日本少国民文庫』の最後の配本として出版された本書の初版を底本に、仮名遣いや振り仮名の整理をして2006年に復刊されたもの。盧溝橋事件から日中戦争、そして大東亜戦争へと突き進む時代の中で、将来を担う少年少女に人としていかに生きるのかを問うている。 生き方の根底にあ...
1937年7月、『日本少国民文庫』の最後の配本として出版された本書の初版を底本に、仮名遣いや振り仮名の整理をして2006年に復刊されたもの。盧溝橋事件から日中戦争、そして大東亜戦争へと突き進む時代の中で、将来を担う少年少女に人としていかに生きるのかを問うている。 生き方の根底にある人間の特性、社会や経済の実態、生物や自然の特質といったことも、中1の主人公コペル君の体験からの気づきを踏まえて、叔父さんのノートが展開していくという構成で、読者としても視点転換が促されるストーリーになっている。 巻末の丸山真男の解説にもあるように、大学を出てからまもないという叔父さんのノートの内容の博学さ・立派さに、コペル君のようにも考えていない自分自身に恥じ入ってしまう。まあ、その気づきを少しでも糧にできればOKだと思っておく。 18-39
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漫画本になったやつを借りて読んでみたら,本物も読みたくなって手に取りました。 この岩波文庫版が底本にしているのは,『日本少国民文庫』の一冊として新潮社から発刊されたもの(元々の版)です。その後,再販する際,本人が2度書き換えていますのでご注意を。 巻末には丸山真男氏の「『君...
漫画本になったやつを借りて読んでみたら,本物も読みたくなって手に取りました。 この岩波文庫版が底本にしているのは,『日本少国民文庫』の一冊として新潮社から発刊されたもの(元々の版)です。その後,再販する際,本人が2度書き換えていますのでご注意を。 巻末には丸山真男氏の「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」という文章が収録されています。この文章は,もともと吉野さんが亡くなった際,岩波の月刊誌『世界』に寄せた原稿らしいです。想像通り,とても読み応えがありました。本書が戦時中に書かれた価値,そして,戦後も読み続けられてきた意味が,しっかりと論じられています。私は,この丸山氏の解説を読みたくて本書を選んだので,よかったです。 丸山氏は,カウツキーの『資本論解説』がいい入門書であるけれども,結局は「資本論からの演繹」になっていることを指摘したあとで, 『君たちは…』の場合は,ちょうどその逆で,あくまでコペル君のごく身近にころがっている,ありふれた事物の観察とその経験から出発し,「ありふれた」ように見えることが,いかにありふれた見聞の次元に属さない,複雑な社会関係とその法則の具象化であるか,ということを一段一段と十四歳の少年に得心させてゆくわけです。 (313p) と述べています。さらに,本書と徳目を教えるだけの道徳教育との違いも述べています。 「知識」-実はここの情報にすぎないもの-のつめこみと氾濫への反省は,これまたきまって「知育偏重」というステロ化された叫びをよび起し,その是正が「道徳教育の振興」という名で求められるということも,明治以来,何度リフレインされた陳腐な合唱でしょうか。その際,いったい「偏重」されたのは,本当に知育なのか,あるいは「道徳教育」なるものは,-そのイデオロギー的内容をぬきにしても-あの,私達の年配の者が「修身」の授業で経験したように,それ自体が,個々の「徳目」のつめこみではなかったのか,という問題は一向に反省される気配はありません。(325p) これって,現状を見て書いたの?と思われるほど,今の教育界にもあてはまることです。道徳の教科化を推進するのは,ある徳目を単なる知識としてつめこむにすぎないのではないかと危惧するのです。
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痛みを感じるということはそれは本来の健全な姿ではない事。 世の中の不幸に痛みを感じるのは大事な事だ。 皆が痛みを感じて良くして行こうと努力するとき平和で幸福な世界ができる。 子どもの頃の優しい気持ちを思い出させてくれる。
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シンプルだけど、どう生きるかということを真面目に考えさせてくれる本。コペンくんと叔父さんのやりとりだけだ、恥ずかしながらコペルくんになって叔父さんに色々教えてもらった感じ。子どもに読ませたいなと思うし、自分も折に触れて読みたい本でした。2016/7/18完読
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久しぶりに心を揺さぶられる本だった。中学生の視点から、身の周りの出来事を通じて、世の法則などを深く知っていくプロセスだ。ある場面については、私が以前体験した場面と同じで、その時どう対応すればよいか悩んだものだったが、この本でも主人公のコペル君が、相当の期間悩んでいる。そこに、そっ...
久しぶりに心を揺さぶられる本だった。中学生の視点から、身の周りの出来事を通じて、世の法則などを深く知っていくプロセスだ。ある場面については、私が以前体験した場面と同じで、その時どう対応すればよいか悩んだものだったが、この本でも主人公のコペル君が、相当の期間悩んでいる。そこに、そっと新たな視点や説明を提示してくれるのが、おじさんだ。読み終わってから、初版は1937年に刊行されたと知り、物事の本質は変わらないことを改めて実感した。
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上からではなく、同じ視線に立って生きる上で大切な倫理観を伝えてくれる。時代背景と合わせて考えるとより感じるものがある。思春期に出会いたかった1冊。
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昭和初期に書かれた少年向けの倫理本は今の時代においても普遍的な価値を持っている。仲間を大切に、生まれてきた環境で相手を蔑むことなく、育ていく主人公は、父親が望む立派な人に成長している。
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