黒いカクテル の商品レビュー
ダークファンタジー作…
ダークファンタジー作家による短編集。長編も良いが短編も最高。
文庫OFF
ん~、どこに着地するのかわからない。そういう意味では面白い作品集ではあります。 それと個人的に、著者自身もそうなのかもしれないけど、学生時代はいわゆる陽の当たらない存在だったのかなと感じさせる部分が(登場人物の回想場面を読んでたりすると)多々あり、それは同じだったので(笑、ものす...
ん~、どこに着地するのかわからない。そういう意味では面白い作品集ではあります。 それと個人的に、著者自身もそうなのかもしれないけど、学生時代はいわゆる陽の当たらない存在だったのかなと感じさせる部分が(登場人物の回想場面を読んでたりすると)多々あり、それは同じだったので(笑、ものすごく共感した。 学生時代、スポットライト浴びてる人たちっていたよね。それをまぶしく見ていた自分は、この作品集での主人公たちの気持ちに入り込みやすかった。 ただ、本当に話は思わぬ回転(どんでん返しとは違う)を繰り返した後、着地する…どころか…そんなところへ行っちゃうの?という話ばかりです。 だから合理的解決を求めて読みはじめると肩透かしをくらいます。私自身はそういう話は苦手なので、でも上記の学生時代の回想とかにモロ共感したので☆3つとしました。
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「パニックの手」に比べると、文章が散漫で少し物足りなかったかなぁ。 でも、どのお話もブラックで悪意に満ちていて。 あぁ、ジョナサン・キャロルのこういう所が好きなんだと実感します。 特に気に入っているのは「いっときの喝」。 家に心が宿ってしまうお話。ちょっぴり悲しいファンタジーで...
「パニックの手」に比べると、文章が散漫で少し物足りなかったかなぁ。 でも、どのお話もブラックで悪意に満ちていて。 あぁ、ジョナサン・キャロルのこういう所が好きなんだと実感します。 特に気に入っているのは「いっときの喝」。 家に心が宿ってしまうお話。ちょっぴり悲しいファンタジーです。 32歳の記憶を持ったまま学生時代に戻る夢を見る「卒業生」も良い。 最後のオチがブラックで秀逸ですね! 病気の息子のために物語を書く父親のお話「フローリアン」。 しかしその息子が死んでしまい…これも最後のどんでん返しが好き。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
こちらは、いわゆるホラーというか、ダークファンタジーなんですけど、これがまたスゴイ作家さんなんですよ。今作の帯にいい文言が載っていたので転載してみます。「人間同士の絆に潜む、邪悪な真実。『ほんとうにあぶない本は、最初の一行でわかる、と思う」—桜庭一樹。奇才作家の傑作短編集。」 基本的にドライな筆致で、一見ホラーっぽくないのです。でも読み進めると、いきなり心臓を一突きされるような衝撃が。血が凍ります。 年に一作以下の寡作な方ですけど、書店でお見かけの際は是非。長編もものすごく面白いです。「我らが影の声」なんて最高でした。
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ダーク・ファンタジーとは謳っているものの、実際のところ「どうも妙な話」という感じ。それでいてあの“奇妙な味”でもない……何となく作者から放り出されるような気分になる。それが味といえば味か。
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ジョナサン・キャロルの短編集。 ダークファンタジーの本領発揮って感じです。 「パニックの手」と本当は合わせて1冊なんだそうで。前後で分けてしまったのか、中身を選んで分けたのか、知りようがないけど、分けて成功してます。 つまり、「黒いカクテル」の方が、ダークでファンタジー...
ジョナサン・キャロルの短編集。 ダークファンタジーの本領発揮って感じです。 「パニックの手」と本当は合わせて1冊なんだそうで。前後で分けてしまったのか、中身を選んで分けたのか、知りようがないけど、分けて成功してます。 つまり、「黒いカクテル」の方が、ダークでファンタジー。(「パニックの手」は比較すれば、SF的で文学的だ) 今回の解説は、桜庭一樹氏で「ほんとうにあぶない本は最初の一行でわかる、と思う」と述べてますが、も、その通りです。最初の一行の濃縮っぷりがすごい。読んだ瞬間に別次元に飛ばされる感じ。 うん、キャロルはこの異空間にむりやり放り込まれる、この感覚がくせになるんだろう。 ああ、おもしろかった。
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名前を聞いて気になってはいたものの、何となく手にとりそびれていた作家。表題作を含む9篇からなる中短編集。 気に入ったものもさほどではないものもあったが、全体的に面白く読めた。 殆どの作品が予想もできない方向に展開していき、最後まで読み終えてもよく分からないものもある。 ただ、その...
名前を聞いて気になってはいたものの、何となく手にとりそびれていた作家。表題作を含む9篇からなる中短編集。 気に入ったものもさほどではないものもあったが、全体的に面白く読めた。 殆どの作品が予想もできない方向に展開していき、最後まで読み終えてもよく分からないものもある。 ただ、その「分からなさ」もきっとこの作家の持ち味なんだろうな。 よく分からないのに加え、後味のよくない話が多いので、人は選ぶかもしれない。 私は面白かったので、いずれ長編を読んでみたい。 中でも印象に残った作品にコメントを。 「卒業生」 今でも学生時代を夢に見る人間にとっては、恐ろしい作品。 「くたびれた天使」 最後に「なるほど!」と納得。うまい展開だと思う。 内容そのものは不愉快だし、その不愉快な内容を「語り手」が明るい調子で話しているのが、却って不気味さを増す。 不愉快という言葉と矛盾しているようだが、この作品集で一番好きかもしれない。 「あなたは死者に愛されている」 決して好きなわけではないが、何だか印象に残った作品。 最後まで読み終わっても意味が分からないままで、もやもやしたものが残った。 何でこんなことに?と首を捻りながら注意深く読み返すと、話の途中でおかしくなっているのに気付く。 ただ「おかしい」のが分かるだけで、何故そうなのかなどは説明されない。 作中に出てくるパラシュートの喩え、「追伸」が、たった一言なのに怖かった。
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原著では1冊の短編集らしいのですが、翻訳本ではなぜか2冊に分けられてます。その1冊が『パニックの手』 、もう一冊が 『黒いカクテル』 なんというか、独特の世界観。ビックリするのが好きな人におすすめします。ビックリどころか仰天すると思います。でもけっこう薬味というか毒というか、そ...
原著では1冊の短編集らしいのですが、翻訳本ではなぜか2冊に分けられてます。その1冊が『パニックの手』 、もう一冊が 『黒いカクテル』 なんというか、独特の世界観。ビックリするのが好きな人におすすめします。ビックリどころか仰天すると思います。でもけっこう薬味というか毒というか、そういうものが強すぎるので、子どもは読まない方が良いかも。
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