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「べてるの家」から吹く風 の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2022/02/27

雨宮処凛さんの著書「この国の不寛容の果てに」から、向谷地生良さんとべてるの家を知り、読んだ。読んで、何故雨宮さんが向谷地さんのことを生きづらさ界のラスボスと称していたのか理解した。彼のバイタリティーに敬服する。彼はソーシャルワーカーであり、常識でいくと個人情報は明かさないのが普通...

雨宮処凛さんの著書「この国の不寛容の果てに」から、向谷地生良さんとべてるの家を知り、読んだ。読んで、何故雨宮さんが向谷地さんのことを生きづらさ界のラスボスと称していたのか理解した。彼のバイタリティーに敬服する。彼はソーシャルワーカーであり、常識でいくと個人情報は明かさないのが普通なのだが、オープンにしていて、1日に何十件もの着信があったり、住所もオープンにしているものだから、家の中に人が入ってきたり。なかなかできることではないと思った。しかし、公私混同を掲げる彼は、支援者と支援される側の垣根を越えてべてるの家を作り、事業を展開している。そこには、精神病という言葉からイメージしていた鬱屈とした暗さ閉塞感からは程遠い、ユーモアと茶目っ気たっぷりな、生きている実感だった。私は泣いた。まるで、北の果てで、私が寄り添ってもらったような気になったのだ。障害者や、精神病と健常者との違いは何か?それを個性として、受け入れ、笑うこと。私達はそれぞれ当事者研究をするべきなのだ。そして、一人一人が自分自身を助ければいいのだ。

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2017/12/09

読み終わった後、暖かい気持ちになった。社会福祉を学んでる自分は向谷地pswの凄さと当事者の肯定的な諦めに感涙した。「リストカッターにしておくのはもったいない。良いシェフになれるよ」「それは順調な苦労だよ」 言葉の持つ力のすごさに感動し続けた。精神障害者は私たちが日常的に感じる苦労...

読み終わった後、暖かい気持ちになった。社会福祉を学んでる自分は向谷地pswの凄さと当事者の肯定的な諦めに感涙した。「リストカッターにしておくのはもったいない。良いシェフになれるよ」「それは順調な苦労だよ」 言葉の持つ力のすごさに感動し続けた。精神障害者は私たちが日常的に感じる苦労でさえ、幸せと感じるかもしれない。そう考えると自分の苦労は幸せの象徴であると思う。 【今の自分は欠点だらけだ。しかしそれを変えることは大変難しい。じゃあ諦めて今の自分を受け入れる。今の自分も最底辺ってほど悪くないしなぁ。そう思うと気が楽になる。諦めて何が悪い。これから自分にできることから始めよう。そうすると不思議と悩んでる自分もかわいくてしょうがなくなる、好きになる。もうこれ以上落ちることがないなら笑って過ごそう。】そう思える本でした。

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2016/11/08

読後感を一言でいえば、「ほっとした」。そういう本は他に多くない。「言葉は人となった」という聖書の言葉の受肉。 神は小さきものを選ばれる、というのはキリスト教信仰の核心。それは単なる感傷的な慰め(現実逃避)ではなく、「リアル」なもの。このリアリティに気づき、生き始めることが「回心...

読後感を一言でいえば、「ほっとした」。そういう本は他に多くない。「言葉は人となった」という聖書の言葉の受肉。 神は小さきものを選ばれる、というのはキリスト教信仰の核心。それは単なる感傷的な慰め(現実逃避)ではなく、「リアル」なもの。このリアリティに気づき、生き始めることが「回心」であるとするならば、べてるの家こそ、「真の回心者」たちによるキリスト教共同体なのかもしれない。

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2016/04/02

誰もが他でもなく、自分だけの人生を生きている。 大きな生きづらさを抱えていても。 そして、それはどんなに近い関係だろうと、自分だけのもので決して侵されてはいけない権利のようなもの。 しかし、ともすると医療はその権利を「治療」という大義のもとに奪ってしまう恐さ。更に、支援する立場の...

誰もが他でもなく、自分だけの人生を生きている。 大きな生きづらさを抱えていても。 そして、それはどんなに近い関係だろうと、自分だけのもので決して侵されてはいけない権利のようなもの。 しかし、ともすると医療はその権利を「治療」という大義のもとに奪ってしまう恐さ。更に、支援する立場の人ですら支配的になってしまっていることはないだろうか。 誰かに関わる、誰かを支援する、誰かを支える、そういうことを生業をしている人はその権利を侵してしまってはいないだろうか、奪ってしまうことにはつながらないだろうか、常に問いただし考え続けていく必要があるのだろうと胸にささった。そのうえでその人のもつ強さをいかに引き出すのか。 人が生きようとする力の強さ、存在としての底知れない力強さを感じた。 本書のように生きづらさを抱える人たちだけでなく、 色んな人を大らかに受け止められる社会の受け皿が求められている。それは、社会的なシステムだけでなく、一人一人が成熟したものの見方が必要だと思う。 2006年 いのちのことば社

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2013/10/06

「べてるの家」の向谷地さんの著書。 弱さを隠さない。病気を克服しようとしない。 そういう意味で、非常識。でも、すごく強い思想。

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2012/11/18

向谷地さんが、精神に病気を抱える人と共に一歩一歩んできたことが様々なエピソードを盛り込みながら書かれた一冊。 治療の難しさと、治療をする中での感動や気付きについて考えさせられる。 実践的で、現実的でありながら、ハートフルでユーモアにあふれている。

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2011/11/11

とかくこの世は生きにくい。 病は治らなければ、今の社会から隔離されてしまう。 すでに町に住む人達に、ほっておける余裕はない。 当事者が、自らの症状を分析し、対処法を当事者同志で検討、実験、報告、再検討を繰り返す試みが、既に二十年近く行われているとは。 社会への参画も、町のルー...

とかくこの世は生きにくい。 病は治らなければ、今の社会から隔離されてしまう。 すでに町に住む人達に、ほっておける余裕はない。 当事者が、自らの症状を分析し、対処法を当事者同志で検討、実験、報告、再検討を繰り返す試みが、既に二十年近く行われているとは。 社会への参画も、町のルールに順応しようというより、 町へ提案をする形で、寄り添おうとしているようだ。 精神科医療は、機能の欠損が原因でない場合、 アレルギー的な身体反応が大きいのか? だとすれば、迷信的な恐怖に囚われず、一緒に生きていくことは、可能ではないか。 この本は、漠然とした恐怖から、抜け出すきっかけになりそうだ。 実は、病んでいるのは、町で平然と暮らす事ができる既に反応できないほど致命傷を負っている自身なのではないか、という不安に対しても、そう、病んでいたのだ、と、がっかりできた。 一人ではどうにもならないとなれば、助けが必要なのだ。 声をだし、状況を共有し、試行錯誤を繰り返しながら、対処していけば良いのだ。 べてるの家へ見学にいく機会を作ろうと思う。

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2010/07/12

病気との付き合い方を研究と言う形で考え出し 諦めという姿勢で付き合っていく。 そういう付き合い方ができたら楽なんだろうなと思った。

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2010/05/20

すべてを受け入れる心の広さと、自分を知る事で自分自身を助けてあげる事の大事さと、理解してくれる仲間の大切さが、人が生きていく中でどれだけ必要なものなのかを教えられた1冊です。

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2009/10/04

日本にこういう場所があるのは、実生活はファンタジーじゃないと思うけど、ムーミン谷があるみたいでとってもよいです。ユーモアのセンスがイケてます。

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