モナ・リザの罠 の商品レビュー
名画の代名詞「モナ・リザ」に関する評論。この名画に関しては、科学者により色調を復元したとされるものが発表されたり、ダ・ヴィンチがもともと描いていたとされる背景に柱のあるものがクローズアップされたりと、本書に記述されていないような事柄が定期的に話題になるが、「モナ・リザ」が名画であ...
名画の代名詞「モナ・リザ」に関する評論。この名画に関しては、科学者により色調を復元したとされるものが発表されたり、ダ・ヴィンチがもともと描いていたとされる背景に柱のあるものがクローズアップされたりと、本書に記述されていないような事柄が定期的に話題になるが、「モナ・リザ」が名画であるが故に広く浸透し当たり前になってしまい、本来もっている凄さに普通の人は気付かないという点は、今後いかなる新情報が追加されようと変わらないだろう。その辺りを上手に説明してくれる。本書に改訂増補版があるのを後で知った。
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パリでモナリザを見る前の、勉強のために読んだ。ダ・ヴィンチの天才性と、モナリザの芸術史上の意義がよく分かった。 ダ・ヴィンチ作と思われていたグロテスクな絵画をきっかけに結びついた、モナリザとファムファタール、ダ・ヴィンチが先鋭的だった、北と南の要素、科学的思考をもって描いた背後...
パリでモナリザを見る前の、勉強のために読んだ。ダ・ヴィンチの天才性と、モナリザの芸術史上の意義がよく分かった。 ダ・ヴィンチ作と思われていたグロテスクな絵画をきっかけに結びついた、モナリザとファムファタール、ダ・ヴィンチが先鋭的だった、北と南の要素、科学的思考をもって描いた背後の風景、モナリザに本来あった可能性のある柱、モナリザによって初めて誕生した人物画、モナリザのタッチ。 ただの人物画なのに、これ以上ないイデアのような誰でもない人物、それを構成するあの不思議な微笑と背景。その謎の一端に触れることが出来た気がする。実際に鑑賞するのがとても楽しみになった。
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全然読みやすくて、分かりやすかった。 モナリザについてだけど、ダヴィンチのことや、当時の絵画の常識など内容は盛り沢山。 最後まで飽きずに読み終えた。 ダ・ヴィンチ・コードが好きなんだけど、これ読むと見方変わったな~。 天才ダ・ヴィンチの孤独。 果てしなくモナリザをこの目で見たくなる。 ルーブル美術館行きてー‼
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モナ・リザにまつわる雑学・入門書。これまでのモナ・リザ論がどんな影響を受けているのかを紹介、それを踏まえて自分なりのモナ・リザ鑑賞ができるよう手助けしてくれる。 モナ・リザについてのあれこれも面白かったが、ミケランジェロがラオコーン発掘に居合わせたというエピソードが興味深かった。 個人的な話だが、発掘に影響を受けたとみられる晩年の作品(岩盤から個人の肉体が切り出される)が、後世の自然権成立前夜のイメージと重なったからかもしれない。 また、著者に感銘を与えたという若桑みどりさんの言葉は、私自身の心にも響くものがあった。 「確かにヴァザーリの記述には<事実>に反することは多いですから、それを<虚構>と批判することはできるでしょう。ですが、大切なのは、ヴァザーリがその<事実>に反する<虚構>をもって描こうとした、<真実>の方にこそあるのです」 p96 確かにそうだなあ。 それが嘘か本当かという事は、それが与える影響から言って大事なのは間違いないが、嘘だとわかったからといって、そこで話が停止してしまうのはもったいない。それをもって描こうとしたものは何だったのか、本意を汲んでこそだと思う。
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絵画の魅力に少し触れることができた。時代背景などを知ることによって見方も変わるのだな。 自分には残念ながら絵を描く才能がない。絵を描ける人を尊敬する。 鑑賞の仕方を色々と探りたい。
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モナ・リザという字が目に入ってつい手にとってみた本。 西岡さんのことは知らなかった; ちょっと小難しい単語もあったけど、面白いテーマですぐ読み切れました!今度からこういう美術系の本もチャレンジしてみようと思いました。 ちなみに一番印象に残った言葉は「ファムファタル」!笑
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モナリザに含まれている意味のようなものを歴史的背景やダヴィンチの性格を通して解析していく。絵に込められた真実はいまとなってはわからないが、現在に至るまでずっと人々を魅了してきた絵画であることには間違いない。罠の解析とは別に、心にぐっとくる文章がいくつもあったことが印象深い。
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[ 内容 ] ダ・ヴィンチの「仕掛け」を知的に読み解く。 人気番組「世界一受けたい授業!!」で話題の美術案内人が誘う“芸術=興奮”ワールド。 [ 目次 ] 第1章 モデルは、なぜ謎になったのか(モナ・リザと呼ばないフランス イタリア語で「モナ」は女性器 ほか) 第2章 美術批評...
[ 内容 ] ダ・ヴィンチの「仕掛け」を知的に読み解く。 人気番組「世界一受けたい授業!!」で話題の美術案内人が誘う“芸術=興奮”ワールド。 [ 目次 ] 第1章 モデルは、なぜ謎になったのか(モナ・リザと呼ばないフランス イタリア語で「モナ」は女性器 ほか) 第2章 美術批評は、なぜ意味不明になったのか(日本モナ・リザ展日仏首脳の祝辞の違い 名文ウォルター・ペイターを読んでみる ほか) 第3章 謎の風景を探検する―風景画の歴史(ラテンのアウトドア感覚とゲルマンのインドア感覚 模型のような風景、写真のような風景 ほか) 第4章 神秘の微笑を解剖する―人物画の歴史(フレスコを嫌ったダ・ヴィンチの悲劇 師匠を絶望させた新技術油絵の具 ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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久々に読んだ西岡文彦さんの本。 この手の本はたくさん読んだけれど、何度読んでも面白い。何度読んでも新しい発見をさせてくれて、ちょっと得した気分になれるのね(前に読んだのを忘れてるから…ということもあるかもしれないけど(笑))。 ルネサンス当時の絵画の傾向などを考慮したときに、...
久々に読んだ西岡文彦さんの本。 この手の本はたくさん読んだけれど、何度読んでも面白い。何度読んでも新しい発見をさせてくれて、ちょっと得した気分になれるのね(前に読んだのを忘れてるから…ということもあるかもしれないけど(笑))。 ルネサンス当時の絵画の傾向などを考慮したときに、「モナ・リザ」という作品がどんな位置づけにあるのか、どんな(作品としての)謎を秘めているのか、というのを分かりやすく語ってくれている本。 私は「モナ・リザ」という作品の女性を美しいと思ったことがないのだけれど、その感覚も変ではないのだ、と分かって、なんとなくホッとしてみたり…(苦笑)。
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日本で1974年にモナリザ展が開かれたが、日本とフランスで首脳の祝辞の長さは全然違ったそうだ。だって日本は田中角栄だよ。無理だって。。相手はポンピドーさんだよ。 本が面白く読めたというのは、本を読んだのではなく、本で世の中が、世の中を見る自分が読めたということです。 単に本の内容...
日本で1974年にモナリザ展が開かれたが、日本とフランスで首脳の祝辞の長さは全然違ったそうだ。だって日本は田中角栄だよ。無理だって。。相手はポンピドーさんだよ。 本が面白く読めたというのは、本を読んだのではなく、本で世の中が、世の中を見る自分が読めたということです。 単に本の内容が読めても面白くない。本当に面白い本や学問というのは、それを学ぶことによって世の中や自分のことが読めるというようなもののことなのだ。
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