カンバセイション・ピース の商品レビュー
ひじょうにゆったりま…
ひじょうにゆったりまったりした文章と雰囲気。日常がゆーっくりと綴られるので、退屈は退屈。でも、そのゆるやかな空気が心地よくもある。登場人物の会話がおもしろい。
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作家の日常が延々と続…
作家の日常が延々と続き、人を選ぶ作品。私は正直退屈だった。猫が好きでベイスターズが好きなら大丈夫だろう。何気ない日常の中に、綿々と続く生と死が溶け込んでいる、その様を情緒豊かに描いた作品、と思われる。
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読み手を選ぶ本。でも…
読み手を選ぶ本。でも舞台設定は心地よい。世田谷の古い家に住む作家と妻と猫たち。友人が間借りし、離れで姪が暮らす。家のどこかに常に人の気配がある。出かけるのも気軽だし、帰宅すれば「おかえりなさい」と声がある。みんな外出して自分ひとりで家にいても、この作家は、かつてこの家で暮らした人...
読み手を選ぶ本。でも舞台設定は心地よい。世田谷の古い家に住む作家と妻と猫たち。友人が間借りし、離れで姪が暮らす。家のどこかに常に人の気配がある。出かけるのも気軽だし、帰宅すれば「おかえりなさい」と声がある。みんな外出して自分ひとりで家にいても、この作家は、かつてこの家で暮らした人々の記憶が蘇り、寂しさを感じない。けっこう羨ましい。歳をとると気楽に会える友達が減り、実の兄弟でも世帯が別だと用事がないときに電話したり会ったりしない。大人だから仕方ないが、どうでもいいことを誰かと喋りたい時もある。でもその「どう
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ほとんど何もおこりま…
ほとんど何もおこりません。なんとなく雰囲気が楽しめるのなら、最後まで読めるかもしれません。
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穏やかな気持ち!
何と言うこともない特別じゃない日常って、いいと思う。猫とか野球とか、仲間とか家族とかに彩られて、いくつもの時間と記憶を重ねた大きな家で過ごす日々。読者に穏やかで静かな喜びをくれる、珠玉の一冊。
mari
「死ぬというのはおかしなもので、死んだ途端に偏在をはじめる。生きているあいだは猫でも人間でも一つの場所にいて、離れたそこにいる相手といまここにいる自分がつながっているなんて感じられないけれど、死んだ途端にどこにいても死んだチャーちゃんとつながっているのだとリアリティを持って感じる...
「死ぬというのはおかしなもので、死んだ途端に偏在をはじめる。生きているあいだは猫でも人間でも一つの場所にいて、離れたそこにいる相手といまここにいる自分がつながっているなんて感じられないけれど、死んだ途端にどこにいても死んだチャーちゃんとつながっているのだとリアリティを持って感じるようになった。」 他者の中にずっと存在し続けたいという欲望から起こる自殺衝動もあり、葬式はこれから生き続ける私が死者の一部を引き受けることを納得するまでの儀式である。
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その時々の思考の道筋を全てすくい取っていくような書き方で、借り物なのに読み終えるまでめちゃくちゃ時間がかかってしまった。笑 つまらないわけでも飽きちゃうわけでも無いのだけど、どうしてもちょっとずつしか読めないのだ。 私もその時々で色々考えながら読んでいたように思うのですが、あま...
その時々の思考の道筋を全てすくい取っていくような書き方で、借り物なのに読み終えるまでめちゃくちゃ時間がかかってしまった。笑 つまらないわけでも飽きちゃうわけでも無いのだけど、どうしてもちょっとずつしか読めないのだ。 私もその時々で色々考えながら読んでいたように思うのですが、あまり覚えてないので少しだけ箇条書き。 贔屓球団の負け試合の帰り道。客観的に分析している風に書かれているけど、結局「負けた試合はどんな試合でも悔しい」を連呼して実は大変主観的。論理は感情に負けるのだなぁ。 主人公はまるで死んじゃった人のことを思い出しているみたいに従兄妹達と過ごした日々の回想をたくさんする。でもその人達はしっかり今も生きていて、やかましく一緒にお墓詣りに行ったりするのが何か不思議で面白い。 会話しているように見えて全部お互いの好き勝手を言っているだけのシーンが印象的。 文字だけ追うと全く会話が成立してないのだけど、なぜか何となく会話になっている。2つの会話が同時に進んでく場面も。 以前読んだ同じ作者の「プレーンソング」は短い中にかなり分かりやすく作者のやりたいことがあらわされていたけど、こっちはもう少し「思考」に偏っていて寄り道が多かった。 まぁ全部が寄り道っちゃ寄り道なのかな。同時に全部が表通りと言えば表通りで。 とにかく出てくる猫たちが可愛いのだ。 なんでかわからないけどは最後ちょっとじんとしてしまいました。
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保坂和志「カンバセイションピース」 http://www.shinchosha.co.jp/book/144924/ 読んだ。この人すごい。どうしてもっと早くこの人を知らなかったのか。何も起きず起伏もなく他愛も無い会話で繋がれた場面に猫が絡み、粗筋で説明できない。このスタイルで最...
保坂和志「カンバセイションピース」 http://www.shinchosha.co.jp/book/144924/ 読んだ。この人すごい。どうしてもっと早くこの人を知らなかったのか。何も起きず起伏もなく他愛も無い会話で繋がれた場面に猫が絡み、粗筋で説明できない。このスタイルで最後まで飽きさせもせず読ませる(つづく 技量も相当なものと思うしそれを文章で読めることの幸せ。猫へ観察が仔細で可笑しいほど。この人は異様な猫好きなのだな。日常生活を満たす住人同士の会話は時折哲学問答の様相になる。それぞれの思想や世界観やパーソナリティを当人の話す内容だけで区別している。これはすごいよ(おわり ーーー そして今は保坂和志の「カンバセイションピース」 http://www.shinchosha.co.jp/book/144924/ を読んでいる。この人をなぜもっと早くに知っていなかったのか。怒濤の面白さですよ、おくさん!タイトルが中身の説明になっていてそれ以上ではないようであり驚くほどの深さがあり。やるなあ
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保坂和志「カンバセイションピース」 http://www.shinchosha.co.jp/book/144924/ 読んだ。この人すごい。どうしてもっと早くこの人を知らなかったのか。何も起きず起伏もなく他愛も無い会話で繋がれた場面に猫が絡み、粗筋で説明できない。このスタイルで...
保坂和志「カンバセイションピース」 http://www.shinchosha.co.jp/book/144924/ 読んだ。この人すごい。どうしてもっと早くこの人を知らなかったのか。何も起きず起伏もなく他愛も無い会話で繋がれた場面に猫が絡み、粗筋で説明できない。このスタイルで最後まで飽きさせもせず読ませる(つづく 技量も相当なものと思うしそれを文章で読めることの幸せ。猫へ観察が仔細で可笑しいほど。この人は異様な猫好きなのだな。日常生活を満たす住人同士の会話は時折哲学問答の様相になる。それぞれの思想や世界観やパーソナリティを当人の話す内容だけで区別している。これはすごいよ(おわり ーーー そして今は保坂和志の「カンバセイションピース」 http://www.shinchosha.co.jp/book/144924/ を読んでいる。この人をなぜもっと早くに知っていなかったのか。怒濤の面白さですよ、おくさん!タイトルが中身の説明になっていてそれ以上ではないようであり驚くほどの深さがあり。やるなあ
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読み終わるまで時間がかかったけど、読んでよかった。一時期、シェアハウスがもてはやされていたけど(今も?)、『カンバセイション・ピース』とか『プレーンソング』が、バイブル的に取り上げられてもよかったんじゃないかと。っていうのも、新潮文庫版の保坂さんの著作は、もう刷ってない様子でam...
読み終わるまで時間がかかったけど、読んでよかった。一時期、シェアハウスがもてはやされていたけど(今も?)、『カンバセイション・ピース』とか『プレーンソング』が、バイブル的に取り上げられてもよかったんじゃないかと。っていうのも、新潮文庫版の保坂さんの著作は、もう刷ってない様子でamazonでも中古でしか手に入らなくて、こんな素晴らしい小説がひとめにつかないなんて、もったいなくてたまらないなあと思うのでした。 世田谷にある築五十年の一軒家、この家は本当に〝在る〟と思わされて、ふと自分も訪ねてみたくなる。ガリガリ君をお土産に。 私は野球ファンではないけれど、球場でベイスターズを見守っているシーンも、すごく心地よく感じられて、ローズなんてどうでもいい存在だったのに、そんなに偉大な人がかつていたのかあーと感心させられてしまった。 「いま何か言った?」「気のせいだよ」という何気ない会話、まさか「木のせい」と思い込んでしまう勘違いなんてあるんですね、本当の話なのかな?
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