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法隆寺の謎を解く の商品レビュー

3.5

12件のお客様レビュー

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2021/09/01

建築家の著者による法隆寺建立の謎。 一つはまずあの怨霊を封じるといわれた門中央の柱なのだけれど。 新旧法隆寺の建造時期の違い、周辺や関係寺社伽藍配置、当時の権力構造などからその謎を追う。これで解決というよりも今後の探求の際に言及すべき一冊となるか。 前半がやや冗長に感じるが、後半...

建築家の著者による法隆寺建立の謎。 一つはまずあの怨霊を封じるといわれた門中央の柱なのだけれど。 新旧法隆寺の建造時期の違い、周辺や関係寺社伽藍配置、当時の権力構造などからその謎を追う。これで解決というよりも今後の探求の際に言及すべき一冊となるか。 前半がやや冗長に感じるが、後半それを基にした展開で納得はする。証拠というより伽藍を巡るという実運用や、実際に立った際の感覚に由来することも多い。

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2020/07/19

建築家 武澤秀一氏が法隆寺について論じた2006年の著作。現存する世界最古の木造建築物群として世界遺産にも登録されている法隆寺については、梅原猛氏の「隠された十字架」や再建か非再建か、聖徳太子の存在など多くの歴史学者らが色々な説を発表していますが、謎が謎を生む結果になっています。...

建築家 武澤秀一氏が法隆寺について論じた2006年の著作。現存する世界最古の木造建築物群として世界遺産にも登録されている法隆寺については、梅原猛氏の「隠された十字架」や再建か非再建か、聖徳太子の存在など多くの歴史学者らが色々な説を発表していますが、謎が謎を生む結果になっています。本書では、建築家としての観点から、それらの謎に挑戦しています。こういうちょっと違う視点から物事を再度見直すというのは必要なことだと感じました。やはり歴史はロマンです。あぁ、法隆寺に行きたい。

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2018/02/04

「柱の位置」と「回る」をキーワードに、著者の過去の経験や主観をもとに、法隆寺にまつわる謎のいくつかを解き明かしていく。なかなか面白い。 データをもとに、年代や時代背景などについても詳しく書かれているので、そういえばそんな話もあったなーと随所で思いながら読み進めた。 法隆寺には二度...

「柱の位置」と「回る」をキーワードに、著者の過去の経験や主観をもとに、法隆寺にまつわる謎のいくつかを解き明かしていく。なかなか面白い。 データをもとに、年代や時代背景などについても詳しく書かれているので、そういえばそんな話もあったなーと随所で思いながら読み進めた。 法隆寺には二度ほど訪れたことがあるが、もう一度訪れることがあれば、その前に読みたい本のうちの一冊。

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2017/05/07

伽藍配置の変遷から読み解く。祈りで回る行為から見ると中門の真ん中にあう柱を入口出口と読みとくのは納得。

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2014/04/26

巡る、廻るという祈り方を中心に、 建築家が法隆寺の謎を解く。 虚空の双龍を読んで、興味を持ち読みました。

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2013/06/30

法隆寺最後の棟梁、西岡常一氏の飛鳥の宮大工としての視点とも、大正時代の哲学者、和辻哲夫氏の感じ方ととも、1970年代に一大議論を巻き起こした梅原猛氏の「法隆寺たたり寺」説の視点とも異なり、現代の建築家としての立場から、法隆寺を考えた一冊。 和辻氏の非常に官能的で饒舌な表現や、西...

法隆寺最後の棟梁、西岡常一氏の飛鳥の宮大工としての視点とも、大正時代の哲学者、和辻哲夫氏の感じ方ととも、1970年代に一大議論を巻き起こした梅原猛氏の「法隆寺たたり寺」説の視点とも異なり、現代の建築家としての立場から、法隆寺を考えた一冊。 和辻氏の非常に官能的で饒舌な表現や、西岡棟梁の宮大工としての誇りと仏教を尊ぶ姿勢、または梅原氏の法隆寺を怨霊を封じ込めるために祭り上げた寺とした見方のどの視点とも異なり、仏教そもそもの(仏)塔=祈りをささげる対象に対する、インドのめぐる作法「プラダクシナー・パタ」と、建築と政治(血統と天皇後継問題)からみた法隆寺「突然変異論」は非常に興味深い。 改めて歴史というのは、見る者によってさまざまな見方、解釈の仕方があることを楽しめる一冊。

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2010/05/30

アジア独特の風習である「めぐる」から中門の柱にまつわる推理を展開。法隆寺を創建と新創建に分け、消失した創建の完成以前に新創建のほうは完成したとする。伽藍の配置を大陸の南北型、日本の東西型に分類し、後者は天皇家の意思によるものであり、山背大兄皇子が創建で集団自殺したため、これを消失...

アジア独特の風習である「めぐる」から中門の柱にまつわる推理を展開。法隆寺を創建と新創建に分け、消失した創建の完成以前に新創建のほうは完成したとする。伽藍の配置を大陸の南北型、日本の東西型に分類し、後者は天皇家の意思によるものであり、山背大兄皇子が創建で集団自殺したため、これを消失させて新創建を建設したと考える。中柱があるから、塔、金堂という東西型伽藍に秩序が生まれるという意見は、建築家ならではのもの。面白く読めたが、「隠された十字架」ほどの謎解きとしての興奮は得られず、全体的に地味。

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2014/10/27

[ 内容 ] 法隆寺は世界最古の木造建築として“世界遺産”に指定されている。 しかし実は、私たちが目にしている法隆寺は七世紀後半から八世紀初めにかけて「再建」されたものであり、そうしたことがわかったのは一九三九年になってからのことにすぎない。 しかも聖徳太子による創建から「再建」...

[ 内容 ] 法隆寺は世界最古の木造建築として“世界遺産”に指定されている。 しかし実は、私たちが目にしている法隆寺は七世紀後半から八世紀初めにかけて「再建」されたものであり、そうしたことがわかったのは一九三九年になってからのことにすぎない。 しかも聖徳太子による創建から「再建」達成までの百年間は、仏教の日本化と並行して、古代王朝の内部で激しい権力闘争が起こった時期でもあった。 仏教やヒンズー教などのインドの宗教建築を踏査してきた著者が、回廊の構造や伽藍の配置などから古代世界を読み解く、空間的な出来事による「日本」発見。 [ 目次 ] 序章 法隆寺の謎(謎解きのまえに 解き明かされる謎の数々) 第1章 法隆寺をめぐる(門前にて 中門の中で そして塔と金堂 塔の中で 金堂の中で) 第2章 めぐる作法/めぐる空間(めぐる作法の伝来 五重塔と柱信仰 列柱回廊をめぐる 夢殿へ 祈りのカタチ) 第3章 法隆寺は突然変異か(門の真ん中に立つ柱 なぜ法隆寺だけなのか 法隆寺以前の伽藍配置 法隆寺ファミリーの誕生 謎の柱はビテイコツだった) 終章 日本文化の原点に向かって(タテとヨコ、南北と東西 血統と流儀、そして新創建を進めたのは誰か 空白の誕生、そして大陸起源か日本起源か) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2010/03/12

建築家である著者が法隆寺を案内しながら、その謎を具体的にわかりやすく解いてゆく。 門の真ん中に柱があるのは怨霊封じだという、一時、一世を風靡した梅原説がいかに事実誤認をしているかが解き明かされ、つぎに著者による、あっと驚く!新説が繰りひろげられる。まるでコロンブスの卵。お見事!!...

建築家である著者が法隆寺を案内しながら、その謎を具体的にわかりやすく解いてゆく。 門の真ん中に柱があるのは怨霊封じだという、一時、一世を風靡した梅原説がいかに事実誤認をしているかが解き明かされ、つぎに著者による、あっと驚く!新説が繰りひろげられる。まるでコロンブスの卵。お見事!!! お寺の見方とはこういうものかと、とても参考になった。

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2010/09/05

古代史の思いがけない真実 法隆寺はなぜ、誰によって、どう建てられたか。 ・・・・・・法隆寺は信仰の対象であるにとどまらず、つねに議論の的となってきました。謎が謎を生み自己増殖してゆく面もあります。それだけ法隆寺は、わたしたちにとって大切な存在であり、ここに日本の文化の原点がひそん...

古代史の思いがけない真実 法隆寺はなぜ、誰によって、どう建てられたか。 ・・・・・・法隆寺は信仰の対象であるにとどまらず、つねに議論の的となってきました。謎が謎を生み自己増殖してゆく面もあります。それだけ法隆寺は、わたしたちにとって大切な存在であり、ここに日本の文化の原点がひそんでいることをだれしも感じ取ってきたのです。 法隆寺は世界最古の木造建築として“世界遺産”に指定されている。しかし実は、私たちが目にしている法隆寺は七世紀後半から八世紀初めにかけて「再建」されたものであり、そうしたことがわかったのは一九三九年になってからのことにすぎない。しかも聖徳太子による創建から「再建」達成までの百年間は、仏教の日本化と並行して、古代王朝の内部で激しい権力闘争が起こった時期でもあった。仏教やヒンズー教などのインドの宗教建築を踏査してきた著者が、回廊の構造や伽藍の配置などから古代世界を読み解く、空間的な出来事による「日本」発見。

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