マイケル・K の商品レビュー
マイケル・Kは「庭師」として生きようとした。しかし、内戦下の南アフリカという時代が許さない。そうか?実はどの時代でも生きにくい望みをマイケルは持っていたんじゃないか。人々はマイケルに施しを与えようとするが、マイケルには必要がない。望みを言え、腹いっぱい食いたいだろう、女を抱きたい...
マイケル・Kは「庭師」として生きようとした。しかし、内戦下の南アフリカという時代が許さない。そうか?実はどの時代でも生きにくい望みをマイケルは持っていたんじゃないか。人々はマイケルに施しを与えようとするが、マイケルには必要がない。望みを言え、腹いっぱい食いたいだろう、女を抱きたいだろう、えっ、そうじゃない?そんなのウソだよ、望め、そう望めと言っているかのようだ。生きること、そして自由、これもひとつの形なんだ。
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とにかくぐいぐい押されて読んだ。何が起きるというわけではなく、戦争という異常事態のなかに巻き込まれた1人の男のあり方。深読みすればいくらでも解釈できる作品だけど、読んだだけでとりあえずお腹いっぱい。作者の力量がノーベル賞級であることは理解できるけど、ストーリーとしての意外性とかな...
とにかくぐいぐい押されて読んだ。何が起きるというわけではなく、戦争という異常事態のなかに巻き込まれた1人の男のあり方。深読みすればいくらでも解釈できる作品だけど、読んだだけでとりあえずお腹いっぱい。作者の力量がノーベル賞級であることは理解できるけど、ストーリーとしての意外性とかなんかには欠けるので、星2つ。でも、必読。『恥辱』も読むぞー。
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乗ってくるまでに時間がかかりましたが、 第2部に入ったあたりからやめられなくなりました。 このお話、後半のくだりで思わず身を乗り出して読んでしまいました。 ここでこんな風に自分の人生と重なってくるなんて!! という、読書をしていて幸運だと思える瞬間にめぐりあったからです。 「...
乗ってくるまでに時間がかかりましたが、 第2部に入ったあたりからやめられなくなりました。 このお話、後半のくだりで思わず身を乗り出して読んでしまいました。 ここでこんな風に自分の人生と重なってくるなんて!! という、読書をしていて幸運だと思える瞬間にめぐりあったからです。 「当座の生活手段がないやつのキャンプ」 「街の娼婦のためのキャンプ」 そういった「キャンプ」に属さないということ。 それはキャンプの外。そしてそこは途方もなく生きづらい。 人は自由を渇望するだろう。 けれど自由とは本当に苦しく、辛く、渇いている。 けれどもね、そのキャンプの外を不器用に生きていくしかない。 結局、それが、何かひとつの正しい道のように思えるのです。
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『日本橋丸善の掘り出し物』という謳い文句で平積みされていました。 最初の一頁を読んで「これは!」と思い購入。 私の好きな「ちくま文庫」でしたし。 読み進めてはじめて分かりました三部構成になっています。 第一部、および第三部は三人称、第二部のみが一人称で描かれています。 なんと...
『日本橋丸善の掘り出し物』という謳い文句で平積みされていました。 最初の一頁を読んで「これは!」と思い購入。 私の好きな「ちくま文庫」でしたし。 読み進めてはじめて分かりました三部構成になっています。 第一部、および第三部は三人称、第二部のみが一人称で描かれています。 なんといっても三人称の語りが力強く心に迫ります。 主人公から常に一定の距離を保ち、敵でもなく味方でもなく、決して感情的になることもなく、目を背けることもなく、マイケルを観察し続ける。 神というのはこういうものなのかとさえ感じる、絶対的な第三者、その視点。 第二部はキャンプでマイケルのケアをする青年医師が語り部となります。 彼は生身の人間であるからもちろん感情もあるし、彼自身のストーリーももっている。 そのためか、第一部、第三部に比べると、読みやすいトーンになっています。 この章の存在により、私たちはよりマイケルに近づくための手がかりを得ているように思います。 この物語のテーマをひとつに集約するとすれば「生きること」なのかしらん。 生きること、自由への渇望・・・。 遠い南アフリカが舞台ですが、きっと読む人みなの心に響く作品だと思います。
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「社会の中における個人の自由」を描く。メルヴィルの「バートルビー」を思わせるような、絶対個人的主張と社会がそれを見るときの不可解さが存在する。
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2008年7月の課題本。淡々としていて読みにくい、というのがブッククラブのメンバーの共通した意見でしたが、自由とは何かについて考えさせられる本でした。感想を言い合うことで本の深みが味わえる、ブッククラブ向きの本だったように思います。
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