ウッふん の商品レビュー
現代日本人と「ウンコ」の関係について、生物学的な話だけでなく海外ダヤック族の村でのフィールドワーク体験や歴史的観点含めて多角的に捉えたエッセイ。 ウンコ=汚いもの、良くないもの、と考える現代社会人の生き方は文明的な点で発展しても生物学的な面で決して良いように発展してはいない…とい...
現代日本人と「ウンコ」の関係について、生物学的な話だけでなく海外ダヤック族の村でのフィールドワーク体験や歴史的観点含めて多角的に捉えたエッセイ。 ウンコ=汚いもの、良くないもの、と考える現代社会人の生き方は文明的な点で発展しても生物学的な面で決して良いように発展してはいない…という話。実際にウンコやら大腸菌やら回虫やら様々なものが流れる河の下での生活は、体験しようと思ってもなかなかできないもの。 ちょうど筆者の新潟講演の際にこの本を買いサインを貰いました。講演でも海外ではアトピーや喘息に悩む人はいない、肌がとても綺麗、と本書の内容に通じることを語っておられたのが印象的でした。
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走り回るゴキブリと室内にふりまく殺虫剤(殺菌剤) 本当に有害なのはどっちだろう? そしてそれは"誰"にとっての有害なんだろう? 子供にとっての永遠のキラー・コンテンツ=うんこ 大人にとっての当面のキラー・コンテンツ=セックス めくるめく下の世界のくさい蓋をあけると 香ばしい生命賛歌が溢れだす・・ 本書のタイトルの裏話もグルーヴィー 当初は「大うんこ」で企画が始まったとのこと さすがにこのタイトルでは購買層が限定されて しまうのでは?という危惧から変更になったとか(笑) 90年代の中頃に読んだ「笑うカイチュウ」以来 親しんできた藤田節。今回はその駄洒落も、 生命賛歌に満ちた下ネタたっぷりの語り口も さらにパワーアップした印象。 本書では、歪みいく清潔狂時代にむけた著者の怒りが 今まで以上にパンクに炸裂していて心地いい。 ニール・ヤングに通じるロック魂を感じる。 ロックンロールを愛する すべての若き野郎どもに捧げたい一冊。
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「カイチュウ博士」の藤田紘一郎先生が「清潔志向」の行き過ぎた現代日本に警鐘を鳴らす一冊。 いつもの寄生虫の話ではなくウンコの話が中心です。 面白いけど食事前後は避けたほうがいいです。特にカレーの時とか(笑) 前半のウンコとセックス、少子化をからめた部分は同意しかねる部分もありましたが後半のウンコと環境・健康について語った章は、その通りだと思います。 特に最近の原発問題のニュースなどを見ていると「糞尿利用のバイオガス発電」に興味が湧きます。 しかし「清潔社会」に慣れきってしまった現代日本人が「不潔社会」とまではいかなくても「清潔志向」に歯止めをかけることは心身ともに難しいのではないかとも思います。
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「ウッふん」5 著者 藤田紘一郎 出版 講談社文庫 p38より引用 “自分はかくれてウンコしているくせに、 「ウンコたれ」ではないという顔をした日本人が、 最近増えてきたように思うからです。” 寄生虫学者である著者による、 ウンコを通して見た世の中の状況を、 著者の経験をま...
「ウッふん」5 著者 藤田紘一郎 出版 講談社文庫 p38より引用 “自分はかくれてウンコしているくせに、 「ウンコたれ」ではないという顔をした日本人が、 最近増えてきたように思うからです。” 寄生虫学者である著者による、 ウンコを通して見た世の中の状況を、 著者の経験をまじえて記した一冊。 少子化の問題から腐らなくなった犬のウンコの話まで、 私達が生きていくうえでせずには生きて行けない行為について、 ユーモアたっぷりに書かれています。 上記の引用は、 第一章の中の一文。 この前にレバー一つでウンコが消えてしまうと書かれていますが、 穴の深いぽっとん便所よりは水洗の方が、 自分の便をチェックしやすいのでは? きちんと自分の出した物を確認せずすぐに流してしまうと、 健康状態の点検がおろそかになるのではないでしょうか。 外見の清潔さを重視してばかりで、 ウンコの状態をおろそかにしていると、 自分がウンコして生きている事を忘れてしまうかもしれない、 何だか怖い話です。 読みやすい楽しい文章ですが、 取り上げられている内容は深く重いものです。 どんな人にでもお勧めですが、 食事の前後は避けた方が無難かも知れません。 ーーーーー
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“カイチュウ博士”で有名な藤田先生の著作。 藤田先生を知る方ならこのタイトルで「まさか・・・アノお話なのか・・・」と気づく人は多いであろう。 簡単に言えば、ウンコのお話。 いきなり下品と言うことかなれ、食べたものはいずれ出るのだ。「排泄」はキタナイものと避ける話題ではない。...
“カイチュウ博士”で有名な藤田先生の著作。 藤田先生を知る方ならこのタイトルで「まさか・・・アノお話なのか・・・」と気づく人は多いであろう。 簡単に言えば、ウンコのお話。 いきなり下品と言うことかなれ、食べたものはいずれ出るのだ。「排泄」はキタナイものと避ける話題ではない。生きるために必要なもの。「出物再評価論」だ。 単にウンコそのものの薀蓄だけを並べたわけではなく、衛生学、保健学、生態学の見地から文化人類学まで匂わせる(ウンコだけあって・・・)、社会学的問題提起が盛りだくさん名作。 「ウンコをすることが小学生のなかでいじめの理由になっている」という話に、妙にそうそうあったあった、とうなずいてしまった。 他人がウンコするなら、自分もする。人間だれだってウンコをするのだ。ウンコをすることが生きている証であり、健康な証だ。 グルメブームにわきたつ世の中に、ものの見方は一方的ではいけない、ちゃんと出るものに対しても向き合いましょうと問題提起し、排泄の大切さを説いた本だ。 人が「キタナイ」と思うことを「嫌う」あまりに極端な「超清潔志向」を求めたことで、逆に現代人の生きる力が弱まっていると著者は警鐘を鳴らす。 実験室で男女の若い院生が同じ布団で一晩何もせず過ごした話。 O157はそれほど騒ぐほどものではなく、下痢したぐらいでガタガタ言うなという話。 どれも微妙な論調ではあるが、「なるほど」と納得してしまう面白エッセイだ。
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