鎧櫃の血 新装版 の商品レビュー
半七シリーズの続編としての、大久保に住まう三浦老人の昔語りも、江戸情緒を感じさせる作品だ。表題作がかなりおどろおどろしい。文庫化に際し、紙数に余裕があったことから編入された6編の巷談が加えられたのも、私も含め読者にとって幸いだ。全編を通じて、程よい江戸弁で綴られる文章は、落語や講...
半七シリーズの続編としての、大久保に住まう三浦老人の昔語りも、江戸情緒を感じさせる作品だ。表題作がかなりおどろおどろしい。文庫化に際し、紙数に余裕があったことから編入された6編の巷談が加えられたのも、私も含め読者にとって幸いだ。全編を通じて、程よい江戸弁で綴られる文章は、落語や講談で演じられたのも肯ける、テンポの良い作品だ。
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「岡本綺堂」の連作短篇時代小説『鎧櫃の血 新装版 巷談コレクション』を読みました。 『半七捕物帳(一)[春陽文庫]』、『半七捕物帳(四)新装版[光文社文庫]』に続き、「岡本綺堂」作品です。 -----story------------- 『半七捕物帳』の姉妹編ともいえる 「三浦...
「岡本綺堂」の連作短篇時代小説『鎧櫃の血 新装版 巷談コレクション』を読みました。 『半七捕物帳(一)[春陽文庫]』、『半七捕物帳(四)新装版[光文社文庫]』に続き、「岡本綺堂」作品です。 -----story------------- 『半七捕物帳』の姉妹編ともいえる 「三浦老人の話は、およそ二十四、五枚の短編である。 (中略)ゆったりした口調に練り上げ、成熟した境地を示している。 単彩の話題をとらえて、人生の断面を衝き、時代相と生活が渾然と融け合っている(中略)。 〈江戸〉がすっかり懐ろに収まっている趣である」 (「岡本経一」氏『解説』より)。 『三浦老人昔話』の他に、『新集巷談』六編を加えて、全十八編収録。 ----------------------- 『半七捕物帳』の姉妹編と言われている『三浦老人昔話』の12篇と『新集巷談』の6篇で構成された短篇集です、、、 『半七捕物帳』の続篇を依頼された「岡本綺堂」が、「「半七」はもう書き過ぎて、あれ以上書くことはありません」と断り、「「半七」でなくてもよろしければ、昔話はまだ残っています」ということで生まれたのが『三浦老人昔話』なんだそうです… 最も古い作品が100年近く前の1924年(大正13年)に発表された『三浦老人昔話』の『桐畑の太夫』、最も新しい作品が80年ちょっと前の1937年(昭和12年)に発表された『新集巷談』の『虎』なので、面白い作品は色褪せないものですね、愉しめました。 ■三浦老人昔話 ・桐畑の太夫 ・鎧櫃(よろいびつ)の血 ・人参 ・置いてけ堀 ・落城の譜 ・権十郎の芝居 ・春色梅ごよみ ・旗本の師匠 ・刺青(ほりもの)の話 ・雷見舞 ・下屋敷 ・矢がすり ■新集巷談 ・鼠 ・魚妖 ・夢のお七 ・鯉 ・牛 ・虎 ■解説 岡本経一 『三浦老人昔話』は、死んでもかまわないから背中に刺青を入れてくれと懇願する若者(『刺青(ほりもの)の話』)、下屋敷に招じられたまま姿を消した女形(『下屋敷』)、美しい顔に傷をもつ矢場の美女の因縁話(『矢がすり』)等、しみじみとした哀話からぞくりとする怪談まで、岡っ引き「半七」の友人「三浦老人」が語る奇譚が愉しめました、、、 『新集巷談』は、生き物に縁のある奇譚が中心で、ゾクゾクっとさせられる作品が愉しめましたね… 展開がスピーディーで読みやすかったですね。
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2/3は三浦老人昔話。中公文庫版http://booklog.jp/item/1/4122056608 とダブルが、こちらは仮名遣いが現代的に直されていて、少し読みやすい。1/3は新集巷談として不思議譚を取り上げる。 杉浦日向子「百物語」http://booklog.jp/ite...
2/3は三浦老人昔話。中公文庫版http://booklog.jp/item/1/4122056608 とダブルが、こちらは仮名遣いが現代的に直されていて、少し読みやすい。1/3は新集巷談として不思議譚を取り上げる。 杉浦日向子「百物語」http://booklog.jp/item/1/4101149135 で取り上げられたエピソードもいくつかある。 収録されているのは、三浦老人昔話として、桐畑の太夫、鎧櫃の血、人参、置いてけ堀、落城の譜、権十郎の芝居、春色梅ごよみ、旗本の師匠、刺青の話、雷見舞、下屋敷、矢がすり。新集巷談として、鼠、魚妖、夢のお七、鯉、牛、虎。
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岡本綺堂は不思議だ。戦前の作家なのに非常に読みやすい。不思議な話なのにスピリチュアルに説明をつけるでもなく、ただただ不思議な話として納めてある。
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■三浦老人昔話 「桐畑の太夫」 「鎧櫃の血」 「人参」 「置いてけ掘」 「落城の譜」 「権十郎の芝居」 「春色梅ごよみ」 「旗本の師匠」 「刺青の話」 「雷見舞」 「下屋敷」 「矢がすり」 ■新集巷談 「鼠」 「魚妖」 「夢のお七」 「鯉」 「牛」 「虎」
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前の版で揃えているけど、これだけなくって。はー。すっきりした!全集も持ってるので読んではいるけれど、改めて、姿勢を正して三浦老人のお話を伺います。明治から見る江戸の姿。
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