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心にナイフをしのばせて の商品レビュー

3.5

101件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2009/12/03

神戸の酒鬼薔薇事件から28年前に起こった、少年による殺人事件のドキュメンタリ。 被害者は高校1年の時に同級生によってメッサ刺しにされ首を落とされた。 その事件後の被害者家族についてのルポ。 家族全員が崩れ落ちそうになりながら、ばらばらになりそうになりながら、 それでも必死に支...

神戸の酒鬼薔薇事件から28年前に起こった、少年による殺人事件のドキュメンタリ。 被害者は高校1年の時に同級生によってメッサ刺しにされ首を落とされた。 その事件後の被害者家族についてのルポ。 家族全員が崩れ落ちそうになりながら、ばらばらになりそうになりながら、 それでも必死に支えあい、事件を心に秘め懸命に生きてゆく。 「なぜわが子が。。。」 事件についてよりも、その家族についての本。 涙なしでは読めなかったですな。 そんな生活を強いられている被害者家族をよそ眼に 加害者は少年法に守られ、無償の教育をふんだんに受け ついには、「弁護士」として社会復帰を遂げていた。 最後に、被害者母親と加害者がコンタクトをとる。 少年院を出て、名前を変え、国から無償の教育を受け、弁護士として立派に社会復帰を果たしているこの事例は少年法の立場からしてみれば、大成功例なのかもしれないが、 やはり、加害者は少年法で守られているが、被害者は何で守られているのだろう、という疑問が常に付きまとう。 なぜ、被害者となりながらさらなる苦境を強いられているのだろう。 一番守られるべき人たちは・・・誰だろう。 色々と考えされられた本。

Posted byブクログ

2009/10/27

1969年春、東京私立サレジオ高校一年の男子生徒が同級生にメッタ刺しにされた上、首を切り落とされるというショッキングな事件が起きた。加害者の少年Aは少年法に守られ”更正”し、有名大学を出た後、弁護士になっていた。一方、被害者の父母妹は長年に渡り悩み苦しみ続け、事件から解放されるこ...

1969年春、東京私立サレジオ高校一年の男子生徒が同級生にメッタ刺しにされた上、首を切り落とされるというショッキングな事件が起きた。加害者の少年Aは少年法に守られ”更正”し、有名大学を出た後、弁護士になっていた。一方、被害者の父母妹は長年に渡り悩み苦しみ続け、事件から解放されることないまま父が無念の他界、母と妹はいまだに苦しみ続けている。この本は被害者遺族のあまりにも悲惨で理不尽なその後を追ったノンフィクションだ

Posted byブクログ

2009/10/07

息子を殺された家族はその後永遠に苦しみ、犯人は弁護士になり社会復帰していた。 なんとまぁ後味の悪い・・・ 今の日本の法律じゃ仕方ない事なのかもしれないけど、仕方ないで済むんだー。 済まされるんだー。 なんとも腑に落ちない感じです。

Posted byブクログ

2012/12/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

えげつない表紙。中身もえげつない。 どいつもこいつも最低だ。その筆頭は著者。ルポルタージュとして最低。 「ねじれた絆」の人だと気づかずに読んでしまったんだけど、この人本当に無神経だな。このくらい無神経じゃないとこんな題材はとりあげられないのかもしれないけど。 記憶がすっぽり抜け落ちるほど苦しんでいる人が会ってくれるだけでもすごいことなのに、自分が聞きたいことを話してくれなくて苛立つなんてどうかしてる。 少なくとも、自分の都合しか考えていない己に対する反省を持つべきだ。無自覚な正義面が鬱陶しいを通り越して怖い。 いじめ加害者と同じ名前の人にドヤ顔で脅迫状を送るのはきっとこういう人たちなんだろう。 被害者のきょうだいは自分の娘に事件のことを話していなかった。 しかし著者の無配慮でバラされて、娘さんが不安定になる。 でもそれに対する反省もなにも書いてない。 報道倫理ってなに? この家族は事件がなくたってこういう感じだったんだろうと思う。アビューズする親とかそういうのは。 ただ、事件によってそれがひどい形ででてきただけだ。 その状況に対して助けの手がひとつもないってことが悲惨だというだけで。 なんかもう、これ読んでると死にたくなる。 「被害者のため」という大義名分をふりかざして加害者をやっつけたがる幼稚な正義面が気色悪い。 ワイドショウ的なよくある批判をなぞるだけの言葉なんて問題提起でもなんでもないよ。

Posted byブクログ

2009/10/04

すごいルポタージュ。 少年法という形で守られる加害者。 被害者家族は生涯にわたって苦しみ続ける。 その構図はすさまじい。 読むべき書。

Posted byブクログ

2009/10/07

同級生に長男を刺殺された家族のその後を描くノンフィクション。 ものすごく衝撃的な内容だった。殺人事件というものがここまで被害者遺族に暗い影を落としてしまうのかと痛ましかった。 特に被害者の妹の「あのときわたしがお兄ちゃんのかわりに死んでいたら、家の中がこんなひどいことにな...

同級生に長男を刺殺された家族のその後を描くノンフィクション。 ものすごく衝撃的な内容だった。殺人事件というものがここまで被害者遺族に暗い影を落としてしまうのかと痛ましかった。 特に被害者の妹の「あのときわたしがお兄ちゃんのかわりに死んでいたら、家の中がこんなひどいことにならなかったはずだ」という独白は本当に痛ましい。 傷を受けた家族に充分な精神的ケアもなかったようだ。特に妹に対して。 殺人事件という不幸をきっかけに、内在していた家族の問題が顕在化してしまったような印象を受ける。 妹視点で話が進むために、かたよった見方かもしれないが母親は少し弱すぎるようにも思う。母娘関係の問題もあぶりだされている。 加害者が弁護士になっており、遺族に対してなんの賠償もしていないというのは衝撃の事実。こういう現実、なんとかならないだろうか? 作者の取材姿勢にやや問題があるような気もするが、衝撃の本であった。

Posted byブクログ

2009/10/04

 秀作。 丹念な取材。気づかされることから生まれる問題提起。 私たちが何気なく生きている社会は、 こんなにも矛盾にあふれていることを丁寧、かつ衝撃的に描いています。  理不尽な社会への「痛み」を感じさせます。

Posted byブクログ

2009/10/07

三十年くらい前のある殺人事件の被害者の遺族のモノローグ的な形で、遺族がどれだけつらい思いをするかを書いてる。とにかく反省の色をまったく見せない加害者には怒りを通り越してあきれもしたし、米に占領されてた時代に押し付けられた理想を今もかたくなに守りつづける日本はいかんっしょ。少年法改...

三十年くらい前のある殺人事件の被害者の遺族のモノローグ的な形で、遺族がどれだけつらい思いをするかを書いてる。とにかく反省の色をまったく見せない加害者には怒りを通り越してあきれもしたし、米に占領されてた時代に押し付けられた理想を今もかたくなに守りつづける日本はいかんっしょ。少年法改正すべし?

Posted byブクログ

2009/10/04

「心にナイフをしのばせて」は2006年8月に出版され、同年10月の「週刊ブックレビュー」で藤原智美さんが紹介しました。 その後、この本の書名は色々なところで見ました。 2008年8月の「週刊ブックレビュー」では華恵さんが紹介しました。 加害者が弁護士になっていた、加害者が開...

「心にナイフをしのばせて」は2006年8月に出版され、同年10月の「週刊ブックレビュー」で藤原智美さんが紹介しました。 その後、この本の書名は色々なところで見ました。 2008年8月の「週刊ブックレビュー」では華恵さんが紹介しました。 加害者が弁護士になっていた、加害者が開き直る理不尽さ、に衝撃を受けたということでした。 素直に読むと胸を打つ作品です。 優れたノンフィクションは文学的であると思いました。 ミクシイレビューがたくさん書かれていました。 たいていは肯定的なものですが、この本の内容を全否定するものも最近書かれていました。 事件が1969年4月に起き、その後の被害者の家族の試練が1970年代の歴史を背景に描かれています。 安田講堂の攻防戦、三島由紀夫の自決、浅間山荘事件、神戸の酒鬼薔薇事件などです。 殺された高校に入学したばかりの息子は、登山が趣味と言うよりのめり込んでいて、「山と渓谷」という雑誌を購読しています。 亡くなったあと、父は想い出のために「山と渓谷」を購読します。 「せめて山で死んでくれたら」という切ない声が胸を打ちます。 この本によると、2004年度で日本政府が犯罪加害者の更正にかける支出は年間466億円、被害者のための予算が11億円なのだそうです。 弁護士になった加害者が何故こんな傲慢な態度を取るのかという理由が知りたいと思いますが、読む者を重い気持ちにさせるノンフィクションでした。

Posted byブクログ

2009/10/04

僕たちは、犯罪被害者という存在をあくまで抽象的にしか理解できていないのだということを実感させられる本。 大切な人を奪われたとしたら、ぼくはどうなってしまうのだろうか。

Posted byブクログ