宿命は待つことができる の商品レビュー
(収録作品)第1部 宿命は待つことができる/第2部 島崎警部と春の殺人(彼らマンダレーより/春は名のみか/春の時代の殺人/落葉松の林をすぎて/東京駅23時30分-湘桂ブルース/春 南方のローマンス/早春賦/失われた秘策)
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表題作は、楽しく読めたのだけどミステリの部分がイマイチ理解しにくかった。 ゆっくり読んだせいかもしれないので、再読して確かめたい。 短編のほうは、相変わらずの切れ味で堪能できた。 「落葉松の林をすぎて」が良かった。
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乱歩は本作品を、「トリックに感心したが小説の下手なのには寒心した」と評したそうな。それに腐った作者が筆を改めること六回。乱歩まではいかないが、それでも一読にて主題を把握するのは困難な書物。構成は枠物語の形式らしいが、その効果が実感できない。作者が懸念するように、戦後が舞台になって...
乱歩は本作品を、「トリックに感心したが小説の下手なのには寒心した」と評したそうな。それに腐った作者が筆を改めること六回。乱歩まではいかないが、それでも一読にて主題を把握するのは困難な書物。構成は枠物語の形式らしいが、その効果が実感できない。作者が懸念するように、戦後が舞台になっているのもマイナス要因のひとつかもしれない。でも、読者を意識した手法やテクニックは端々に見受けられる。前作二作品が非常に面白かったので、そのせいか作品に対する好感だけは損なわなかった。
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