りら荘事件 の商品レビュー
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まさにパズル小説でした。 緊張感がなかったり、小説としての読みにくさはありましたが、パズル小説だからいいか、というぐらいロジックの積み重ねです。 トランプは、ただの盛り上げるための装飾品でなく、きちんと巧く使っているのが凄かったです。 こんなにいろいろと手の込んだことしでかした犯人が、一番頭が悪そうだと思っていた人だったのには驚きでした。
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警察もっと頑張れよ…。という。 どの人物が死ぬよりもお花さんが死んだのが何だか寂しかったなぁ…。 中盤なのに探偵役(だと思われた人物)が「犯人わかったから謎解きするよ!」と言い出したときは、後の半分全部解答か!?とびっくり。そしてお前探偵役じゃなかったのか!!!!と心の中で突っ込み。シリーズものだったのね。これ。
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いわゆる本格ミステリ。新本格の傑作のような超変化球ではない、硬質なトリック。古い作品なので文章は重いし、物語への引き込みも弱いが、本格を読みたい人にはいいかも。騙された~!を求める人にはそこまでオススメしないかな〜
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日本芸術大学所有の「りら荘」へ、夏季休暇を過ごそうと学生たちがやってきた。 そこへ刑事が炭焼きの須田という男が崖から落ちて死んだ件について聞き込みに訪れた。 現場にはりら荘から盗まれたトランプ<スペードのA>が残されていたらしい。 やがて学生たちの間で起こる連続殺人。死体の傍らに...
日本芸術大学所有の「りら荘」へ、夏季休暇を過ごそうと学生たちがやってきた。 そこへ刑事が炭焼きの須田という男が崖から落ちて死んだ件について聞き込みに訪れた。 現場にはりら荘から盗まれたトランプ<スペードのA>が残されていたらしい。 やがて学生たちの間で起こる連続殺人。死体の傍らにはトランプが一枚ずつ残されていく。 次に狙われるのは?はたして犯人は一体誰!? 恥ずかしながら、初・鮎川先生です。 『りら荘』、気になりつつ、「鮎川哲也」って難しそう・・・。と思いなかなか手にとれずにいましたが、今回創元社から新装丁で出版されたのを機に読んでみました。 さすが、大先生!氏の代表作のひとつであり、すでに古典の名作としても名高いだけありました。 密室や大掛かりなトリックや不可能犯罪はありません。手近なモノで次々殺されていきます。 それだけにこの真相には驚愕。感動すら覚えます。力技や仕掛けなど必要のない作品。 ぜひ手にとって、トランプが何番まで使われるか確認していただきたい。 これまでの私の数少ない読了本の中では、一番はじめにヤられた綾辻さんの『十角館の殺人』が本格部門第一位だったのですが、かるく凌駕。 これから、もし「本格ってどんななの?」って聞かれたら、迷わず本書を差し出したい。それくらい素晴らしかったです。 これまで読まず嫌いしていて本当に申し訳ありませんでした。
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凄い、と思う部分はいろいろとあるけれど。何が凄いって毒殺トリックが凄かった~。そんなんありですかい。トリックというよりもむしろ、犯人のしていたことに驚き。砒素が○○に使われるなんて知りませんでしたよ。 しかも被害者多いし。容疑者めちゃめちゃ減るし。なのに犯人絞れないし。数々の伏線...
凄い、と思う部分はいろいろとあるけれど。何が凄いって毒殺トリックが凄かった~。そんなんありですかい。トリックというよりもむしろ、犯人のしていたことに驚き。砒素が○○に使われるなんて知りませんでしたよ。 しかも被害者多いし。容疑者めちゃめちゃ減るし。なのに犯人絞れないし。数々の伏線にも納得。なるほど本格です。もっと早く読むべきだったな。
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星影竜三シリーズ りら荘にあつまった学生たちの間で起きる連続殺人事件。絵の具を買いに帰京した日高鉄子。尼リリスのレインコートを盗んだ炭焼きの男の殺害。現場に残されたトランプ。翌日、釣りにでかけた橘秋夫。残った学生たちのゲーム中に紅茶を飲み倒れた橘の婚約者・松平紗呂女。川で見つかった橘の遺体。橘の首に刺さったナイフは紗呂女が倒れた時にポケットから落ちたものだった。橘が釣った鮎が腐っていた。現場に残されたスペードの3。何者かに絞殺されたリラ荘のお手伝い円山花。事件に関わる何かを知りメモした数字。まったと思われる殺人。被害者のもとに置かれるトランプのカード。
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論理的な推理にこだわった作品ながら、小説としてバランスのとれた端正な一品。 ざっと思いつく限りでも、 犯行時刻の細工、共犯関係にない複数の犯人、色弱、木(殺人)は森(連続殺人)の中に・・・ と多様なトリックが用いられている。 尼の悪女っぷりが凄い。 解説にも引用されているが、...
論理的な推理にこだわった作品ながら、小説としてバランスのとれた端正な一品。 ざっと思いつく限りでも、 犯行時刻の細工、共犯関係にない複数の犯人、色弱、木(殺人)は森(連続殺人)の中に・・・ と多様なトリックが用いられている。 尼の悪女っぷりが凄い。 解説にも引用されているが、 『「あ、その赤いナイフひろって、このテーブルにのせといて」』 このセリフは悪魔的である。 もちろん、初読時にはなにげなく読み飛ばしてしまうのだが。 星影の推理でいちばんあっと思わされたのは、 小さなことだが、日高鉄子が東京に帰った理由だ。 友人のものを破損してしまって、こっそり同じものを買う。 妙にリアル!ことに相手が厄介な女であればなおさら・・・ もういちど読み返したくなるタイプのミステリ。
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残り少ない暑中休暇を過ごすべく、秩父の『りら荘』に集まった日本芸術大学の学生たち。一癖も二癖もある個性派揃いである上に各様の愛憎が渦巻き、どことなく波瀾含みの空気が流れていた。一夜明けて、りら荘を訪れた刑事がある男の死を告げる。屍体の傍らにはスペードのA。対岸の火事と思えたのも束...
残り少ない暑中休暇を過ごすべく、秩父の『りら荘』に集まった日本芸術大学の学生たち。一癖も二癖もある個性派揃いである上に各様の愛憎が渦巻き、どことなく波瀾含みの空気が流れていた。一夜明けて、りら荘を訪れた刑事がある男の死を告げる。屍体の傍らにはスペードのA。対岸の火事と思えたのも束の間、火の粉はりら荘の滞在客に飛んで燃えさかり、カードの数字が大きくなるにつれ犠牲者は増えていく。進退窮まった当局の要請に応じた星影龍三の幕引きや如何?贅を尽くしたトリックと絶妙な叙述に彩られた、純然たるフーダニットの興趣。
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▼りら荘殺人事件じゃなくて、『りら荘事件』。▼ページを捲る手が止まらなかった。これも凄くネタバレして喋りたい(笑)。▼狂言回しの犯人が格好いいんだよ、ほんとに。▼ノンストップで人が死んでいく。最後まで緊張感が緩まない。伏線が見事に収斂する。読ませる推理小説。(2007.1.6)
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何度も目の前で殺人を起こされてしまう、懲戒免職確実のマヌケすぎる警察はさておき、犯人の大胆さには本当に驚いた。役立たずの警察なんか出さないで、いっそのこと「クローズド・サークルにしてしまえばいいじゃん」と思うけど、そうしない理由が存在する。全ての何気ない引っ掛かりには意味がある。...
何度も目の前で殺人を起こされてしまう、懲戒免職確実のマヌケすぎる警察はさておき、犯人の大胆さには本当に驚いた。役立たずの警察なんか出さないで、いっそのこと「クローズド・サークルにしてしまえばいいじゃん」と思うけど、そうしない理由が存在する。全ての何気ない引っ掛かりには意味がある。「後日、考えてみると…」みたいな文句がしつこいくらい小説中に出てきますが、正にその通り。「犯人はあの人だろうな?」と予想はつくけど、モヤモヤした感じで、パッと言い切ることはできない。
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