だまされない“議論力" の商品レビュー
「議論力」というよりは「思考力」「論理力」的内容で、単なるノウハウ本ではない。題名でちょっと損している印象だが、内容的には悪くない。
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『みんな違ってみんないい』、これは当たり障りのない意見。議論とは、むしろ当たり障りのある意見を出すこと。議論は正解がない。 異論が無視されない状況を作らねばならないし、くだらない異論は却下できる仕組みを作らねばならない。因縁や文句を付ける人間だけが有利になる。残念ながら、今の日本はそう。多数のムードを頼んで実効性のない政策や弱者の権利と称し不合理な決定がされる。どこかおかしいと思いながら、それを指摘できずにいる。 ****** ステレオタイプやフレームワーク、議論の前提や順序、弁証法など様々な論点から、著者は指摘している。 『①問題ー②解決ー③根拠』が基本の要素。 ①独創的か?半常識的か? ②明解か?希少か? ③わかりやすいか?詳しいか?現実と対比しているか?イメージ豊かか? (理由、例示データ、説明、引用、対比、比喩) サポート情報である根拠は信頼性があるか、一方的でないか? 外皮をはぎ取り、日常生活から仕事まで様々な論議について、本質を透かしていきたい。
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人と議論するときのノウハウというよりは文章読解に主軸を置いた本。それっぽく見えて論理が破綻している文章が多く、それをシャープな切り口で評価・説明されている。 本格的なロジカルシンキングを学ぶには少し物足りないし、ビジネスへの活用という意味では不足感あるが、論説を読むことの入門書と...
人と議論するときのノウハウというよりは文章読解に主軸を置いた本。それっぽく見えて論理が破綻している文章が多く、それをシャープな切り口で評価・説明されている。 本格的なロジカルシンキングを学ぶには少し物足りないし、ビジネスへの活用という意味では不足感あるが、論説を読むことの入門書としては有用だと思う。
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日本人は議論・ディベートが苦手だ。国語教育で重視されるのが型で、論理よりも情緒という指摘は興味深い。本書では議論力を高めるための例題とそれに対する解答を挙げて解説されるが、個別具体的な例を一般論にして理解するには相当の努力が必要だ。「歴史記述とは何か?」は特に難しかった。再読して...
日本人は議論・ディベートが苦手だ。国語教育で重視されるのが型で、論理よりも情緒という指摘は興味深い。本書では議論力を高めるための例題とそれに対する解答を挙げて解説されるが、個別具体的な例を一般論にして理解するには相当の努力が必要だ。「歴史記述とは何か?」は特に難しかった。再読して理解を深める必要がある。
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あー、著者って小室直樹門下だったのか~。なんか分かる気がする。 相変わらず明快で切れのある文章。ファンになっちゃったなあ、と思うけど、各論ではなんだかおかしな論立てに僕には感じられるところがしばしば。 特に最後の方の過去の日本は西洋崇拝ってところは、飛躍しすぎなんじゃないかなあ。...
あー、著者って小室直樹門下だったのか~。なんか分かる気がする。 相変わらず明快で切れのある文章。ファンになっちゃったなあ、と思うけど、各論ではなんだかおかしな論立てに僕には感じられるところがしばしば。 特に最後の方の過去の日本は西洋崇拝ってところは、飛躍しすぎなんじゃないかなあ。単にモーツァルトを崇拝しているだけのような。 とは言えほんとに勉強になるし、折に触れて読み返したくなる本。この著者ははずれが無い。
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面白かったのは、以前物議をかもしたという(僕はよくしらないけれど)「どうして人を殺してはいけないのか?」という若者の問いについての議論の論考のところでした。大江健三郎氏の主張したものや、それへの批判や、その批判への批判までをも取り扱って、最後に著者の論考が述べられるのですが、そこでの「他我をわかること」といったような考え方は、わかりやすかったし、僕がわりにいつも考えている共同体感覚と似た考え方だなと思いました。僕は、この本のその後の弁証法のところの例で、「お金よりも命が大事、命よりも理性が大事」と出てきたのにヒントを得て、人を殺してはいけないのは、「自分や他人の理性を信じて、その理性を大事にしないといけないから」とでも言いたくなりました。それにバイオフィリアだとかあるでしょう、人に備わった、生きものを愛でる性質だとかって。まあ、食べ物のためとして豚とか牛とかニワトリだとかを殺しますが、それでも、バイオフィリア的な心の持ちように似た、人間同士の命を大事に思う感覚って、ニュートラルな人間の状態としてもっているのではないかな。著者が言う、「他我をわかる」というのにも、やっぱり結びつきますかね。
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本質を惑わすレトリックにだまされないために いくつもの議論を挙げながらそれを解体・解説する。 この解説も非常に参考になるのだが、 さらに面白いのが本筋とは関係のないところでの 社会学的視点による各種の批判だ。 自称鬱病患者の心理的背景や 知識人による煙に巻くような論述の背景にあ...
本質を惑わすレトリックにだまされないために いくつもの議論を挙げながらそれを解体・解説する。 この解説も非常に参考になるのだが、 さらに面白いのが本筋とは関係のないところでの 社会学的視点による各種の批判だ。 自称鬱病患者の心理的背景や 知識人による煙に巻くような論述の背景にある一般人との構造など、 バッサリ切り捨てていく議論は読んでいて快感だった。 筆者紹介を読むと、今は予備校講師のようだが、 あとがきを読んで小室直樹の弟子の一人だと知った。
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議論について考える本。 人の言っていることや自分の正しさ(妥当性)について評価する時、議論という技術は大切だ。 とくに議論に優劣をつけれるという点には、人は人それぞれという考え方に疑問を持っていた自分には目から鱗だった。 論理の力はこれから生きていくにして武器になる力だと思うので...
議論について考える本。 人の言っていることや自分の正しさ(妥当性)について評価する時、議論という技術は大切だ。 とくに議論に優劣をつけれるという点には、人は人それぞれという考え方に疑問を持っていた自分には目から鱗だった。 論理の力はこれから生きていくにして武器になる力だと思うので、磨きあげていきたい。
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【まとめ】 ●正解がないのが議論の始まり ●誰にでも正しく思えるマジック・ワードは解決を先送りする ●議論の本質は、自律的な内面を確保し、対立に耐えること ●マジック・ワードのイメージでは議論を決着させるのは間違いだ ●プラスのマジック・ワードはマイナスとしばしば裏側で通じている...
【まとめ】 ●正解がないのが議論の始まり ●誰にでも正しく思えるマジック・ワードは解決を先送りする ●議論の本質は、自律的な内面を確保し、対立に耐えること ●マジック・ワードのイメージでは議論を決着させるのは間違いだ ●プラスのマジック・ワードはマイナスとしばしば裏側で通じている ●言葉の正確な意味とその限界を知らないと、危険なことになる ●データは客観的に理解する ●現象の原因・背景を説明する解釈を考える ●批評・提案はその解釈から出てくる範囲に限るべき ●通念に合わせて、データを捻じ曲げる議論は多い ●データを捻じ曲げる議論は、細部が矛盾する ●非難しても反論されない権力構造が妄説を生む ●「人それぞれ」は他を尊重しているようで、実はコミュニケーションを拒否する ●社会への追従ではなく、主観を表現する言語を作り上げる必要がある ●議論は権力ゲームだが、それを認めることがコミュニケーションの基礎になる ●ヴィジュアルを語るのは、直感やセンスではない ●形式を守れば、だれでもヴィジュアルは語れる ●読解ー解釈ー批評という順で語れば、かなり客観的に語れる ●議論の本質は、問題ー解決ー根拠である ●言いたいメッセージは一つである ●言い換えを整理すると意外に簡単なことが多い ●対立した見方の下には、共通の認識があることが多い ●それを認識しないと、見せかけの対立に巻き込まれる ●先に進むには、共通した前提を疑ってみるべきである ●議論を構成する力が、言語能力の基本である ●国語教育の本質は文化的正しさの押しつけではない ●普遍的法則を身につけることが言語教育の目標だ 相対主義に関しては、最近その通りだなと。 優劣をつけることに「みんな違ってみんないい」みたいな発想で逃れようとしているというか、「いやそうだけど、決めないと話進まないし」と。 もちろん弁証法的に解消発展していくことが理想ではあるけど、なかなか難しいなーと思う お互いにこういった議論についての知識がないと、成り立たないかも
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こういう予備校の現代国語教師いたなー、と懐かしくなるような本でした。 小林秀雄も大江健三郎も、こういう人にかかるとすごく簡単に読めるんです。言い回し変えてるけど結構シンプルなこと繰り返し言ってるだけでしょ、となる。 でもその言い回しに味わいがあるし素人には真似できないところがある...
こういう予備校の現代国語教師いたなー、と懐かしくなるような本でした。 小林秀雄も大江健三郎も、こういう人にかかるとすごく簡単に読めるんです。言い回し変えてるけど結構シンプルなこと繰り返し言ってるだけでしょ、となる。 でもその言い回しに味わいがあるし素人には真似できないところがあるんですけどね。 文章を解体しながらテクニカルに読めるという意味では一部の人のニーズには合うと思います。予備校生とか。
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