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八月の砲声(上) の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2013/03/11

第一次大戦が始まり、膠着状態に至るまでのほぼ一ヶ月間を描く。 開戦のきっかけはバルカン半島の危機だったが、その詳細にはほとんど踏み込まない。 主役である大国、ドイツ、イギリス、フランス、ロシア、そして地政的要所にあったベルギーが、どのような経緯を経て開戦にいたる決断をしたのか、そ...

第一次大戦が始まり、膠着状態に至るまでのほぼ一ヶ月間を描く。 開戦のきっかけはバルカン半島の危機だったが、その詳細にはほとんど踏み込まない。 主役である大国、ドイツ、イギリス、フランス、ロシア、そして地政的要所にあったベルギーが、どのような経緯を経て開戦にいたる決断をしたのか、そして初戦をどのように戦ったのかを克明に追う。 開戦後、戦線が膠着して第一次世界大戦を象徴する塹壕戦にいたるまでの時期を対象とする。 上巻は開戦前の各国の政治的・軍事的動向と同盟関係、開戦に至るまでの経緯、初戦からブリュッセル陥落まで。 ドイツ軍の作戦上その国土を踏みにじられた、ベルギーの立場と決断には同情と敬意を禁じ得ない。

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2013/02/24

数年前に上下巻ともに買って上巻は読んだのに下巻は未読。いつか再開しようと思い続けて数年、ようやく時間が出来たので上巻を復習するところから始めた。 第一次世界大戦の開戦から終結までを第一次資料を元にまとめあげた本で、書かれている人物の行動や言葉は全て「ソース」の存在するものだとい...

数年前に上下巻ともに買って上巻は読んだのに下巻は未読。いつか再開しようと思い続けて数年、ようやく時間が出来たので上巻を復習するところから始めた。 第一次世界大戦の開戦から終結までを第一次資料を元にまとめあげた本で、書かれている人物の行動や言葉は全て「ソース」の存在するものだという。ちくま文庫のオビには、キューバ危機の際にケネディが参考にしたと紹介文がある。 第一次世界大戦の開戦は1914年。セルビアの皇太子がオーストリアで暗殺される、という、二国間では重大かもしれないが、世界史的には比較的「どうでもいい」類の事件を口火に、ヨーロッパ諸国が相互に結んでいた条約や協商、あるいは各国の軍備配置作戦の都合によって、半ば自動的に戦争が拡大していく。「決定されたことは遂行されなければならない」という言葉が「人が物事に対して屈服した際に吐かれる定言」として書かれているのだけど、まさしく開戦に至った時点で、当事者は既に物事に負けた状態であり、以降負けたもの同士が泥沼に戦い続ける。 1970年代のケネディは火薬で行われた50年前の戦争を参考に、核の戦争を回避したという。さらに50年後に生きる我々が直面する戦争は、恐らく通貨で行われている。そう考えれば、100年前の戦争がいかにして起こり、いかにして続き、いかにして終わったか、という事実を知ることは、生々しい教訓になるだろう。まあ、教訓になったところで、僕やあなたは粉々に吹き飛ぶ側の人間だけどね。

Posted byブクログ

2013/02/08

これも読了。ガチ翻訳調&フランス東部の地名に疎い&人物相関が分かりずらくて難解。予備知識不足かも。とりあえず、下巻もがんばる。

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2011/05/13

相手の腹の読み間違えがどれほどの惨事を招くのか。本書を読んでつくづく感じるところです。錯誤の積み重ねがいつしか巨大な歯車を回し始め、気が付いたときにはそれを止める術がない。そしてその先に待つのは魔女の大釜です。 第一次大戦の結果、参戦国のうちドイツ、ロシア、オーストリアの王朝...

相手の腹の読み間違えがどれほどの惨事を招くのか。本書を読んでつくづく感じるところです。錯誤の積み重ねがいつしか巨大な歯車を回し始め、気が付いたときにはそれを止める術がない。そしてその先に待つのは魔女の大釜です。 第一次大戦の結果、参戦国のうちドイツ、ロシア、オーストリアの王朝が崩壊し、さらに講和条件の苛酷さがヒトラーの台頭の一因となり、さらに現在もくすぶる中東問題の種が蒔かれました。 「すべての戦争を終わらせるための戦争」だった第一次大戦が、さらなる悲劇の原因になったのは何とも皮肉な話です。 歴史書として、国際関係学の参考書として、あるいは国家の意思決定プロセスに関する資料として等々…色々な視点から読むことができます。

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2009/10/07

上下巻です。 …すみません。世界史の基本知識が入ってない自分にはつらかったです…。 読んでページめくってて、気づくといつの間にかずいぶんページめくってて、内容が…。。 第一次大戦の開戦からマルヌ会戦までを、人物に密着して描いた歴史小説です。描写は実に緻密です。 …課題だと思って...

上下巻です。 …すみません。世界史の基本知識が入ってない自分にはつらかったです…。 読んでページめくってて、気づくといつの間にかずいぶんページめくってて、内容が…。。 第一次大戦の開戦からマルヌ会戦までを、人物に密着して描いた歴史小説です。描写は実に緻密です。 …課題だと思って読んだのがだめだったのかも。

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2009/10/04

恩師黒川氏の推薦図書。 第一次世界大戦を描いた本。ピューリッツァー賞受賞作。 戦争という歯車がゆっくりと動き始め、人間が産んだ魔物が最早人間の手では止められなくなるまでに大きくなる恐怖、政治の闇、人間の欲望、明日の見えない戦い、読み応え十分。戦争というパワーゲームを通すと、政治の...

恩師黒川氏の推薦図書。 第一次世界大戦を描いた本。ピューリッツァー賞受賞作。 戦争という歯車がゆっくりと動き始め、人間が産んだ魔物が最早人間の手では止められなくなるまでに大きくなる恐怖、政治の闇、人間の欲望、明日の見えない戦い、読み応え十分。戦争というパワーゲームを通すと、政治の一番難しくて、暗い、でも真相が見えてくる。戦争を語る前に是非読んで欲しい一作。

Posted byブクログ