びんぼう自慢 の商品レビュー
変名の一つ「金原亭武生」の参考名「全亭武生(ぜんてえぶしょう)」は初代が師匠から「お前は全体無精でいけない」と小言を言われ、そこから取った洒落名。(小岩武生は、「こいはぶしょう」か)106 志ん生は笹塚で近所の犬を殺した144 馬生を名乗っていてころ、次男の強次(志ん朝)が生...
変名の一つ「金原亭武生」の参考名「全亭武生(ぜんてえぶしょう)」は初代が師匠から「お前は全体無精でいけない」と小言を言われ、そこから取った洒落名。(小岩武生は、「こいはぶしょう」か)106 志ん生は笹塚で近所の犬を殺した144 馬生を名乗っていてころ、次男の強次(志ん朝)が生まれた。強次の名付け親であり、志ん生の近所でもあった柳屋三語楼は病の床。強次と見舞いに行くと「おう、バナナ。立派な人間になるんだよ」と言われた。バナナは芭蕉(馬生)の子供だから205 志ん生自身が『替わり目』を自分と妻のことのようだと言っている284
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戦後の落語界の第一人者となった著者が、自らの人生を語りつくしている本。落語を読む感覚は最初はなれないが、読むペースが上がるにつれて、引き込まれてしまう。旅芸人の時代、笹塚の時代、業平の時代とここが最悪かと思えばどんどん悪くなる様に呆れてしまう。よくもこんな滅茶苦茶な行動がまかり通...
戦後の落語界の第一人者となった著者が、自らの人生を語りつくしている本。落語を読む感覚は最初はなれないが、読むペースが上がるにつれて、引き込まれてしまう。旅芸人の時代、笹塚の時代、業平の時代とここが最悪かと思えばどんどん悪くなる様に呆れてしまう。よくもこんな滅茶苦茶な行動がまかり通ったと思うが、懐の深い寛容な時代だったのか、人物の魅力なのかはわからない。現代ではありえないような話ばかりで、いつになったらまともになるのかと思いながら楽しく読んだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
尋常小学校の卒業間近に素行不良で退学になるというくらい、今の世の中では考えられない悪ガキっぷり。 何しろ酒は飲む、煙草も吸う、博奕もする。 家に置いておくと碌なことをしない、と奉公に出されてもすぐ帰ってきちゃう。 それなら、と、朝鮮まで奉公に出されたのに、やっぱり帰ってきちゃう。 10歳でこの悪たれぶり。 それが江戸弁でちゃきちゃき語られると、笑わずにいられない。 けれど、徐々に眉間にしわが寄る。 真面目に生きて貧乏なのは仕方がない。 芸のためなら女房を泣かすことだってあるんだろう。 だけど、親身になって心配してくれる人や、善意の人からお金をだまし取って、飲む、打つ、買うはいただけない。 子どもたちのためにしっかりしなくちゃ、と、日銭の入る仕事についてみるが、お金が入ったそばから飲みに行く。 自分の稼ぎがない時は、奥さんが縫物をして得たお金をむしり取って飲みに行く。 何なら預かっている布を質に入れて飲みに行く。 ダメだ。 いくら才能があっても、こういう人は好きになれん。 石川啄木と同じですね。 人として、ダメ。 だけど才能はあるんだよね、確かに。 それは認めます。
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読み始めたら、やめられなくなりました。 関東大震災や第二次世界大戦真っ只中を違う角度から見ることが出来て、とても新鮮だった。 こんな人もいたんだなあ、となんだか安心しました(笑) 現代だったら炎上しちゃうかも!?(笑)というとんでもない言動が多々だけど、面白い! びんぼう自慢...
読み始めたら、やめられなくなりました。 関東大震災や第二次世界大戦真っ只中を違う角度から見ることが出来て、とても新鮮だった。 こんな人もいたんだなあ、となんだか安心しました(笑) 現代だったら炎上しちゃうかも!?(笑)というとんでもない言動が多々だけど、面白い! びんぼう自慢というだけあって、すさまじいビンボーっぷりですが、明るくていいな。 たくましさに励まされます。 まだ師匠の落語を聞いたことないのですが、とても聞いてみたくなりました。
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志ん生の日々をそのまま話したら 落語になりそうな 若い時から飲んで打って買って 、、濃い人生。 いや笑い事じゃないよみたいな事も沢山あるのだけど。 落語は好きで立川流をよくきくのですが、 志ん生きいてみたいなー 奥さんもすごいなー
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びんぼう自慢というタイトルに惹かれて読みました。貧乏であっても楽しく前向きに生きること、貧乏を楽しむことの大切さがぎっしり詰まった楽しい一冊。貧乏であることを自慢して面白おかしく話せる人、お金持ちであることを上から目線で自慢する人よりもずっと魅力的で素敵。他人の自慢話を聞くのは大...
びんぼう自慢というタイトルに惹かれて読みました。貧乏であっても楽しく前向きに生きること、貧乏を楽しむことの大切さがぎっしり詰まった楽しい一冊。貧乏であることを自慢して面白おかしく話せる人、お金持ちであることを上から目線で自慢する人よりもずっと魅力的で素敵。他人の自慢話を聞くのは大嫌いだけれど、こんな楽しい自慢だったら大歓迎。
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古今亭志ん生の自伝。編集者による書き起こしで、落語を聞くように読める。 若い日の破天荒な生き方。十代で女郎買いにはまり、父親のキセルを盗んで質に入れたところ、怒り狂った父親がやりを磨き始めたため、母親にしばらく身を隠すように言われて、そのまま家に帰らず両親の死に目にあえなかったと...
古今亭志ん生の自伝。編集者による書き起こしで、落語を聞くように読める。 若い日の破天荒な生き方。十代で女郎買いにはまり、父親のキセルを盗んで質に入れたところ、怒り狂った父親がやりを磨き始めたため、母親にしばらく身を隠すように言われて、そのまま家に帰らず両親の死に目にあえなかったと、格の違いを感じる。 しかし、最後のところで編集者は志ん生がポツリと漏らした話けれど掲載していない話があることを明かす。それは志ん生が表現したい姿ではないから、とのこと。表現とは何かと考えさせられた。
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明治23年生れ。落語好きでなくても名前くれぇは知っている志ん生。タイトル通り最初から最後まで貧乏話。昔の東京下町の人情深さがひしひしと。その時代に生きてたみてぇ…おっといけねぇ。口調もそっくりだ。
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今の時代の貧乏ってものとはいろいろと違いすぎる質の貧乏で、楽しかった。志ん生さんと自分の人生を比較すると楽しい。楽チンな気持ちになる。 昭和の雑多な世間を生きてた人たちを想像して、そんなかに志ん生さんがこんな風に生きてたのだと思うと面白いーー。
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落語の本を読みたくなって。志ん生の(売れていたけど)極貧の半生を語った本。まさに落語を語るために生まれてきたかのような氏の語り口は、どんなドン底にいようと、明るく楽観することを忘れないでいて、そこに人間のおかしみを感じさせる。何度も笑わせてもらった。
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