びんぼう自慢 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
五代目 古今亭志ん生ご本人が語る自伝。 小島貞二が文字に起こして編集。 ずぼらで破天荒な志ん生師匠の人生を落語で聞いてる様。 口に出して読むと志ん生師匠が現れる。 小島貞二は、世に残る自伝だからこれも“芸”のうちだという。 粋な江戸弁で語られる破茶目茶なエピソードは大変面白い。 そこにはファンのイメージを裏切らない“志ん生”が居る。 だけど考えてもごらんなさい。 人には言いたくないことだってあるだろうし、 まともに話したら笑えないことだって沢山あるんじゃないでしょうか。 そう思って改めて人間 美濃部孝蔵さんを観察するってぇと。 呑んべでぐうたらの上に強情だけど、腕は確かな職人さん。 居た居た。昔こんな爺さんぽつぽつ居たよ。 堅気な商売だったら、ただの困った爺さんだったのかも知れない。 やっぱり落語を選んだてのが大正解だったんでしょうな。 困ったことも全部商売に活きたってぇことですから。 こんな飾りっ気も無く破茶目茶な男の人生、中々お目にかかれませんよ。 生き幅の広がる思いがします。読んどいて損のない一冊です。 人間一生が勉強でございます。これからもどうぞよろしくとお願いをして、 この辺りで失礼させていただきます。 へい、ごたいくつさまで。
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「呑む・打つ・買う」って遊びがあるけれども,なるほどここまで遊んだ人はないんじゃないか。しかし,それがすべて芸の肥やしになっている。苦労した人にはやっぱり味がでる。
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途中で挫折しちゃった。 リスク満点の人生のようだけど、 それでも一つのこと、一生懸命やっていれば こんな人生になるのかな と思ったり。
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「貧乏はするもんじゃない。味わうもんですな。」 関東大震災があった時、まず酒が飲めなくなると困るから逃げるより先に酒屋に飛び込んで酒飲んだ、というのは有名な話。
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2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震のおかげで、すっかり本なんか読む気がなくなっていた。しかしそろそろ読書も再開しようかと思った矢先、一橋MBA教授であり、2010年ビジネス書のベストセラー『ストーリーとしての競争戦略』の著者でもある楠木建教授が推薦していたのが、この本であ...
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震のおかげで、すっかり本なんか読む気がなくなっていた。しかしそろそろ読書も再開しようかと思った矢先、一橋MBA教授であり、2010年ビジネス書のベストセラー『ストーリーとしての競争戦略』の著者でもある楠木建教授が推薦していたのが、この本である。 これまでは、落語のことなんかこれっぽっちも興味なんかなかったのだが、その先生がおすすめしているとあり、さらには地震で暗い気持ちにあるもんで、早速amazonで購入して読んでみた。 5代目古今亭志ん生の自伝なのだが、おもしろいのおもしろくないのって、本当におもしろい。こんなにでたらめな人間がいるのかというくらいとんでもないお方である。詳しくは本書を手に取っていただきたい。 文中、印象に残ったものがあったので、以下に記す。 P.220 「はなし家が、高座のあと余興でやる芸を、あたしたちのほうは「飛び道具」てえんですが、こういう人たち(ラッパの円太郎、ステテコの円遊、ヘラヘラの万橘)は、その飛び道具の方ですっかり売れて、そっちの方で名前が残っちまったんです。 つまり、なんですよ、努力とか工夫てえものは、別に落語の世界に限ったことじゃァない。どこの会社だって、どんな商売だって同じだろうと、あたしゃァ思いますねえ。」
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110317byなめくじ艦隊 --- 「貧乏はするもんじゃありません。味わうものですな」その生き方が落語そのものと言われた五代目古今亭志ん生がこの世を去って三十有余年。今なお落語ファンを魅了してやまない師匠が、自らの人生を語り尽した名著。父のこと、少年時代、売れなかった極貧時代、...
110317byなめくじ艦隊 --- 「貧乏はするもんじゃありません。味わうものですな」その生き方が落語そのものと言われた五代目古今亭志ん生がこの世を去って三十有余年。今なお落語ファンを魅了してやまない師匠が、自らの人生を語り尽した名著。父のこと、少年時代、売れなかった極貧時代、なめくじ長屋の真実、関東大震災、三道楽、満州慰問、息子たち(金原亭馬生、古今亭志ん朝)のことなど…志ん生伝説のすべてがここにある。
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僕が生まれる前の年に亡くなられた噺家さんです。後にも先にも志ん生を超える噺家は出てこないと思います。江戸の話をしているのですが、志ん生が喋れば「すべての話が体験談」です。 この本をよめばそれも納得。
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貧乏は、エンターテイメント。 昭和の落語名人、古今亭志ん生師匠が、語り尽くした貧乏話を、小島貞ニ氏が記録編集した本です。 若い頃の師匠は、友だちと二人、床が傾いだ二階に住んでいました。 一枚の着物を交互に着て、交互に出かけて、祝儀をもらいに行ったり、 「ふんどしなんかいらね...
貧乏は、エンターテイメント。 昭和の落語名人、古今亭志ん生師匠が、語り尽くした貧乏話を、小島貞ニ氏が記録編集した本です。 若い頃の師匠は、友だちと二人、床が傾いだ二階に住んでいました。 一枚の着物を交互に着て、交互に出かけて、祝儀をもらいに行ったり、 「ふんどしなんかいらねえだろう」と、友だちから引っぺがしたふんどしを質屋に持ち込んで、断わられたり。 とんでもない貧乏のなか、小銭を捻出するために、たいへんな知恵を絞ります。 しかし、その知恵は、「もっと早くから、きちんと稼ぐ」という方向には使われることがありません。 「志ん生と酒」のエピソードも満載です。 「呑む・打つ・買う」は全部やる。 なかでも、「呑む」にかける情熱は、半端でありません。 なにしろ、関東大震災の激震の最中、まず頭に浮かんだのが、「酒屋の酒が全部地面に吸い込まれる」という心配。 女房の財布をひったくって、酒屋に飛びこみ、 「酒ェ、売ってください」 ふつうなら「これをやられて、誰も刑事告発しないのがおかしい」という借金踏み倒しを、ほぼ日常的にしていました。 (その内容は本で確認してください) それらを、「まあ、師匠のなさることなら、しょうがないでしょう」と、鷹揚な苦笑いで許されてしまうのは、人徳なのでしょうか? 破滅型の人生を、破滅しないように影になり日向になり、支える人がいる時代だったのですね。 想像を絶する貧乏を、芸の肥やしにして、名人と称されるようになる。 いま、民間給与の総額が1年で2兆円減少したとかのニュースに、私たちは度を失うほど慌てふためいています。 「貧乏はするもんじゃありません。味わうものですな」 と言い切った志ん生師匠に、貧乏を味わい尽くす術を学ぶことはできないのでしょうか?
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「貧乏はするもんじゃありません。味わうものですな」 志ん生師匠の、自叙伝。 サンデー毎日掲載に加筆。編者 小島貞二さん 常人から考えるとむちゃくちゃな生き方だと思うけれど、 語りに なんとも「おかしみ」があって、 きっと 年とって振り返って 楽しいなぁ、と思いながらお話してい...
「貧乏はするもんじゃありません。味わうものですな」 志ん生師匠の、自叙伝。 サンデー毎日掲載に加筆。編者 小島貞二さん 常人から考えるとむちゃくちゃな生き方だと思うけれど、 語りに なんとも「おかしみ」があって、 きっと 年とって振り返って 楽しいなぁ、と思いながらお話していたんだろうな、 というのがすごく伝わって来た。 以前読んだ、美濃部美津子さんの 「三人噺 志ん生・馬生・志ん朝」 を思い出しながら、読んだ。もう一度読みたい。
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これを読んだら、「まだまだ自分は大丈夫(笑)」 ってぱっと明るくなれます。 貧乏を蔑むというのではなく、受け入れていく発想の転換。 師匠みたいに身代潰してまで遊べませんけどねー。 口述をそのまま本にしたらしい文章はテンポが良くて流石!です。
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