河馬に噛まれる の商品レビュー
実は同作者の中でもトップクラスに好きな作品。 中期?と言えるこの頃のオーケンは物語の滑稽さも文の癖もピークである。 にも関わらず、読了後に心を洗われた感覚になる。 全くらしくない川端康成賞を受賞しているが、表題作含め粒揃いの短編集であることは間違い無い。
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生きていく上で貫くこと、貫きながらにしても、変わっていく視座によって変化がもたらされるその見え方。自分なりに生きる、ということ自体が抱えているテーマを、過激派の事件という事象で扱った本。 思想の転換を乗り越えて生きるのか否か、といったあたり、のちの「宙返り」にもつがるポイントとし...
生きていく上で貫くこと、貫きながらにしても、変わっていく視座によって変化がもたらされるその見え方。自分なりに生きる、ということ自体が抱えているテーマを、過激派の事件という事象で扱った本。 思想の転換を乗り越えて生きるのか否か、といったあたり、のちの「宙返り」にもつがるポイントとして大江的重要テーマの提示がされています。
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奇妙なタイトルなのだが、物語は日本人青年がウガンダで河馬に噛まれ、大けがをしたという新聞記事を読んだところから始まる。彼は、実は1971年の「連合赤軍事件」に関わりがあった。小説は1983年11月から1985年10月まで、いくつかの雑誌に断続的に発表された連作短編集の形をとるが、...
奇妙なタイトルなのだが、物語は日本人青年がウガンダで河馬に噛まれ、大けがをしたという新聞記事を読んだところから始まる。彼は、実は1971年の「連合赤軍事件」に関わりがあった。小説は1983年11月から1985年10月まで、いくつかの雑誌に断続的に発表された連作短編集の形をとるが、「連合赤軍」を1つの核としながら、この2年間の大江自身の日常とフィクションとが絡み合い、混じり合ったまま語られていく。この時期の大江文学を読むと、不特定多数の読者にというより、ある程度限定された層に語りかけているとしか思えない。
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ウガンダで河馬に噛まれたことから、「河馬の勇士」と呼ばれる元革命党派の若者。彼と作家である「僕」との交流をたどることで、暴力にみちた時代を描く。
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