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リア王 の商品レビュー

4.4

26件のお客様レビュー

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2024/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『リア王』は子どもの頃、お子様向けの読み物で読んだ記憶がある。三姉妹の父であるリア王が、一番優しいはずの末娘の言葉に怒り、追い出してしまう、その悲劇の顛末。…あたりは割とよくある昔話にも似たストーリーで、微かに記憶に残ってた。だが、シェークスピアのこの原作(翻訳であることは大前提として)はさらにグロスター家の父と息子たちも登場。元になった史実はあるみたいだけど、それにも増して、シェークスピアならでは(イメージです)の皮肉や性的なジョークも散りばめてある作品だった。 自分の財産を娘二人に分け与えた後、それぞれのところに代わりばんこに寄宿し世話になろうというのは、今も(というか今なら尚更?)トラブルの元。案の定、長女の元を追われ、次女からも疎まれることになる。 この作品を読んだきっかけは、この松岡和子さん翻訳の脚本で演じられる舞台を見に行くことになっていたから。(以下、舞台の感想も混じります。)結局、始まるまでに全部は読み終えられなかった。演じられた作品は大胆な演出で現代的というか前衛的なものになってた。シェークスピアの昔風の舞台をイメージしながら読んでたもので、前半戸惑ってしまったことは否めない。むしろ読んでなかった方が先入観なく見られたかもしれないという反省はした。ただ、登場人物を整理しながら読んでいたので、そこの理解はスムーズだったかも⁇予め元の戯曲を読んでいるのは悪いことではないと思うけど、そこからどんな演出がされるかはわからないから、なかなか諸刃の剣というところはある。聴力が落ちてきている年代なもんで、何を言ってるか、読んでた方が安心できるけど…。(俳優さんによって、聞き取りやすい方とそうでない方がいらっしゃったのは否めない…) まぁ、パンフの情報くらいで、あんまり予備知識を入れない方が、今回においては良かったかな~。 読まずに見ていた最後、次々に人が死んでいく。心のどこかで救われる結末を期待していた自分に気付いた。そういえば『リア王』は四大悲劇の一つだった。 見終わってラストを読んだ。これがああなったのか…。やっぱり大胆な演出だ。正直、お金と時間があれば、もう一度見たい。というか、見落としてるところがたくさんある気がした。

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2024/04/25

シェイクスピア沢山読もうと思って 嵐が丘、リア王、白鯨が三大悲劇らしいし 正直者のコーディリアを追放したばかりに 愚かな父親だと思った その他にもエドガーたちみたいな裏切られ方した人もいるし こういう恨みつらみが好きなのかな………

Posted byブクログ

2024/03/30

大昔に読んでいたが、再読。国王引退に際して国を三つに分割して娘たち(長女と次女に関しては娘婿)に渡すことを決意したリア王。渡す前に「親への愛を語れ」と娘たちに大喜利させるが、姉たちの歯が浮くようなおべんちゃらが使えない程に率直かつ純真だった末娘のコーディリアを勘当、国外追放とする...

大昔に読んでいたが、再読。国王引退に際して国を三つに分割して娘たち(長女と次女に関しては娘婿)に渡すことを決意したリア王。渡す前に「親への愛を語れ」と娘たちに大喜利させるが、姉たちの歯が浮くようなおべんちゃらが使えない程に率直かつ純真だった末娘のコーディリアを勘当、国外追放とする。 リア王は長女ゴネリル、次女リーガンの家を行ったり来たりの余生を考えていたものの、リア王親衛隊も含めた素行の悪さ・態度の大きさもあって、2人に邪険にされ、台風の中追い出され、狂っていく。 当時どういった感覚でリア王の言動が捉えられていたのか分からないが、現代の感覚からすると親としては完全なる失格とは思う。しかし、権力の頂点に立つ人間がその権力を手放すことが如何に難しいかという視点で考えれば、今にも通じる話だ。加えて、ここには老化によって世界が閉ざされていく悲しみがあり、自らの愚かさゆえに全てを失っていく悲劇があった。 忠臣ケントがカッコいい。リア王に追い出されても(その際のセリフがいい。「ケントより謹んでお別れのご挨拶を。新しい国へ行っても古い流儀で生きてゆきます」)変装して舞い戻り、狂った老王にも付き従う。当世風に考えれば、ケントにフォーカスを当てたスピンオフ作品がきっと作られるだろう。 訳者によるあとがきに、女性嫌悪のイメージが横溢していると書いてあり、まさにその通りだと感じた。息子ではなく、娘しか持てなかったということも、王としては何か思う所があったのだろう。また、道化とコーディリアは同じ場に登場しないこともあって、この二役は同じ役者が演じたとする説もあるとも知り、それも興味深い。 ということで、準備万端な状態でショーン・ホームズ×段田安則「リア王」を観に行ったのだが、自分が全くといっていいほどこの戯曲を読めていなかったことを思い知らされるのであった。

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2024/05/06

シェイクスピア4大悲劇のうち、いちばん悲惨かも知れない。リア王をリア充と読み間違えたが、内容はまったくリア充ではない。悲劇だ。

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2024/03/01

言わずと知れたシェイクスピアのリア王。最近はハムレットより評価が高いという鵜山さんの解説の通り、ハムレットよりわかりやすく残酷で悲劇的ではある。リアやエドガー、グロスターの落ちぶれかた、エドモンドとゴネリル、リーガンの関係。ラストシーンのリアやコーディリアの悲劇。 本書に関してい...

言わずと知れたシェイクスピアのリア王。最近はハムレットより評価が高いという鵜山さんの解説の通り、ハムレットよりわかりやすく残酷で悲劇的ではある。リアやエドガー、グロスターの落ちぶれかた、エドモンドとゴネリル、リーガンの関係。ラストシーンのリアやコーディリアの悲劇。 本書に関していえば、本書をもとに舞台化された山崎努の役作りの著作を読んでいることもあって、個人的にも思い入れの深い作品である。ぜひ舞台でみたい。

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2023/08/12

読後の絶望的な感覚はなかなか得難い体験だった。どこかに救いようがあってもいいのに。 道化が所々でリア王によい忠言をしているが、老いぼれたリア王は聞き入れることができない。誰を信じて生きるべきか、親族とは、老いとどう向き合うか、いろいろ現代にも通じる問いがあふれてる本でもある。

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2023/05/30

「老王リアは退位にあたり、三人の娘に領土を分配する決意を固める。二人の姉は巧みな言葉で父を喜ばせるが、末娘コーディリアの率直な言葉にリアは激怒し、彼女を勘当し二人の姉にすべての権力、財産を譲ってしまう。老王の悲劇はここから始まった。シェイクスピア四大悲劇の最高峰。」 第四幕第6...

「老王リアは退位にあたり、三人の娘に領土を分配する決意を固める。二人の姉は巧みな言葉で父を喜ばせるが、末娘コーディリアの率直な言葉にリアは激怒し、彼女を勘当し二人の姉にすべての権力、財産を譲ってしまう。老王の悲劇はここから始まった。シェイクスピア四大悲劇の最高峰。」 第四幕第6場面 「生れ落ちると泣くのはな、この阿呆の檜舞台に引き出されたのが悲しいからだ。」 人間は生まれてからもずっと大変なことを背負って生きていく。それが人生だと言っているのです。 (斎藤孝『こどもシェイクスピア』より)

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2022/12/16

道化の「知恵がつかないうちに年取っちゃいけないんだよ。」という台詞が印象に残った。 読んでいる時は負の感情が渦巻きまくっていたのだけど、訳者あとがきと解説を読み、自分の中で色々と整理することができて落ち着いた。

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2022/08/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

シェイクスピア四大悲劇の一つ。リア王と三人の娘たちの話、グロスター伯爵とその二人の息子たちの話が交差する。 冒頭、ちょっと言葉が足りないだけで、いきなり激高するリア王には面食らった。甘言の心地よさに惑わされ、最も愛ある娘の真意を読み取れぬ浅はかさ。切り捨てられても愛と忠誠を貫く娘と家臣の気高さ。親を裏切る息子、勘違いを受けて好機を待つ息子。そういった様々な人間の思惑、言動が胸にしみる重厚な物語だ。単に悲劇的なだけではなく、人間の愚かさと高潔さが、彩り濃く描かれていることが非常に印象深い。全滅エンドではなく、これだけの悲劇がありながら、わずかに希望を感じさせる終わり方をするのがすごく良かった。ケントさんは尊敬できるし、何よりもエドガーさんがカッコ良すぎる。まだ全作品を読んではいないが、個人的に本作はシェイクスピアで一番のお気に入り作品になるかも。

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2022/03/07

初めてシェイクスピアを読みました。 もともと、海外文学とあまり触れ合ったことがなかったので、少し難しいのかなと思っていました。 初めてで、登場人物の多さや舞台の入れ替わりなど、難しいところもありましたが、登場人物の性格が美しく描かれていて、情景が目に浮かぶようでした。 また、最後...

初めてシェイクスピアを読みました。 もともと、海外文学とあまり触れ合ったことがなかったので、少し難しいのかなと思っていました。 初めてで、登場人物の多さや舞台の入れ替わりなど、難しいところもありましたが、登場人物の性格が美しく描かれていて、情景が目に浮かぶようでした。 また、最後の物語が終わりに向かう疾走感がとてもたまらなかったです。 話が緻密で複雑なので、1回読んだだけでは全貌はつかめなかったため、また読んでみようと思える作品でした。

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