与太郎戦記 の商品レビュー
落語家の春風亭柳昇さ…
落語家の春風亭柳昇さんの徴兵検査から入営、出征、戦闘、そして復員、除隊までを克明に生き生きと描いた作品。 マジメ人間な著者のユーモアたっぷりの文章がとても心地よく読ませます。 ところどころに微妙な哀感が漂う文章もあり、名著の名に恥じない作品です。個人的に印象深かったのは入営の前、...
落語家の春風亭柳昇さんの徴兵検査から入営、出征、戦闘、そして復員、除隊までを克明に生き生きと描いた作品。 マジメ人間な著者のユーモアたっぷりの文章がとても心地よく読ませます。 ところどころに微妙な哀感が漂う文章もあり、名著の名に恥じない作品です。個人的に印象深かったのは入営の前、著者が父親に風呂で背中を流してもらうところ、それと溝口の連駐屯地から出征する時、連隊に徴発された馬の飼主と思われるおばさんが、駅頭でいっしょうけんめいニンジンを馬に食わせていた... という所でしょうか。(出征した
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なるほど世評どおり、気軽に読める戦争体験記の佳作です。昭和16年初めの入営から敗戦までの著者の体験を軽妙に書いてあるので、幅広い読者に受け入れられるでしょう。 で、ここから何を読み取るか、日本軍隊の組織と体質、近代日本社会の特性、庶民の生き方、などなど他の本と合わせて読めばも...
なるほど世評どおり、気軽に読める戦争体験記の佳作です。昭和16年初めの入営から敗戦までの著者の体験を軽妙に書いてあるので、幅広い読者に受け入れられるでしょう。 で、ここから何を読み取るか、日本軍隊の組織と体質、近代日本社会の特性、庶民の生き方、などなど他の本と合わせて読めばもっと色んなことが見えてくるでしょう。
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「陸軍落語兵」がすごくおもしろくて、前後も読もうと手にとりました。徴兵検査からはじまり、戦中、終戦へ。濃密ながら軽妙な文章で、リズムがあって、それだけに船上戦のむなしさにつらくなりました。 まるで高座を見てるようでした。
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新作落語一筋で一大人気を博した故春風亭柳昇師匠が、中国各地や中台海峡部を転戦した軍隊生活を描いた大ヒット手記です。娯楽作品ですから、面白おかしい作品になっています。しかし戦争です。多くの戦友が戦死していきます。自分より年上で妻子持ちの兵隊が戦死していくことに心を痛めるし、戦死者の...
新作落語一筋で一大人気を博した故春風亭柳昇師匠が、中国各地や中台海峡部を転戦した軍隊生活を描いた大ヒット手記です。娯楽作品ですから、面白おかしい作品になっています。しかし戦争です。多くの戦友が戦死していきます。自分より年上で妻子持ちの兵隊が戦死していくことに心を痛めるし、戦死者の多さに感覚が麻痺していく自分の心情を吐露していきます。 そして、日本占領下でもしたたかに生きていく中国人の姿を通して、戦後も民族の誇りをもって生き抜こうと決意していきます。 戦争のある真実が行間を通じて浮かび上がる作品です。 鶴見俊輔の解説がユニークです。
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・7/19 読了.やっぱりこっちも読んでみたくなった.それにしても780円とは結構高いな.結構こういう戦争体験記は人によってかなり違いがあるだろうが、運のいい人ばかりのものを読んでる気がする.
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「大きいことを言うようですが、今や日本で春風亭柳昇と言えば私一人....」で有名な、柳昇師匠の従軍青春記。若くして従軍し、内地での訓練、出兵、戦闘、戦地の生活、恋愛、戦友の死、そして自らも瀕死の重症を負い、やがて終戦を迎えるまでを、豊かな筆致と落語家らしいシニカルな視点で描く。戦...
「大きいことを言うようですが、今や日本で春風亭柳昇と言えば私一人....」で有名な、柳昇師匠の従軍青春記。若くして従軍し、内地での訓練、出兵、戦闘、戦地の生活、恋愛、戦友の死、そして自らも瀕死の重症を負い、やがて終戦を迎えるまでを、豊かな筆致と落語家らしいシニカルな視点で描く。戦争の是非を問わず、ただ粛々とその実態を描いているのが面白く、また悲しみを誘う。
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笑って笑って泣かせて笑わせる戦争体験。前線の兵隊達はある意味戦争と全く別な次元で戦ってきた(人たちも少なくなかったであろう)事がよくわかる。
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やさしければやさしいほど、引導を渡されるような気がする。しかし私は、現役兵長のプライドにかけて、ニッコリ笑って命令を受けた。半分は、ヤケだった。 (P.185)
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