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レヴィ=ストロース『神話論理』の森へ の商品レビュー

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2021/04/26

長い間、気になりながら、あまりの分厚さにおじけていたレヴィ=ストロースの「神話論理」に挑む気にだんだんなってきていて、その登坂準備に読んでみた。 浩瀚な「神話論理の森」で迷わないためののガイドブックみたいなものかな?と思って読み始めたのだが、これはこれでなかなか癖のあるエッジの...

長い間、気になりながら、あまりの分厚さにおじけていたレヴィ=ストロースの「神話論理」に挑む気にだんだんなってきていて、その登坂準備に読んでみた。 浩瀚な「神話論理の森」で迷わないためののガイドブックみたいなものかな?と思って読み始めたのだが、これはこれでなかなか癖のあるエッジのある本だな〜。 レヴィ=ストロース大好きな中沢さんの紹介は、基本、大絶賛な感じだけど、森の入り口まで連れて行くところまでで、あとは自分で読んでねな感じ。 エナフさんの論文が一番包括的だと思うのだが、これも方法論的な議論。 編者の一人の木村さんは、アマゾンにいる動物と神話論理にでてくる動物の関係とか、神話論理のもとになっている原典テキストとの関係とか、レヴィ=ストロースの方法論への批判的な視点を提示しつつ、全体としてはレヴィ=ストロースを評価するみたいな感じ。 もう一人の編者の渡辺さんによるレヴィ=ストロースのインタビューも、なんだか焦点が定まらず、肩透かしなままで、漂っているうちにおしまいだったり。(が、だからこそ伝わってくるレヴィ=ストロースという人のあり方がみえて、これはこれですごく面白い) 最後のほうは、いろいろな分野の人がレヴィ=ストロースをどう読んだかという話し。が、まだ「神話論理」を読めてなくて、「野生の思考」を踏まえての議論。(これはこれでまた面白い) で、その論者のなかに、安富歩さんもいて、複雑系科学の始祖として、レヴィ=ストロースを読んでたりする。 最後、池澤夏樹さんの物語との関係でレヴィ=ストロースについてエッセイがあっておしまい。 つまり、これから「神話論理」に挑戦するにあたって、全体の見取り図をおしえますみたいな本ではないわけ。 「神話論理」を読んだ気にはまったくさせない、「神話論理」の広大な森で、楽しく迷うためのガイドブックだな〜。 いや〜、ほんとに読むぞ〜という気になってきた。

Posted byブクログ