ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む の商品レビュー
「ホーキング、宇宙を語る」からここへ。理論物理学もそうだが、何が公理、アプリオリなことなのか考えさせられる。理解は斑だが刺激となる文がたくさん。趣味の読書で初めてメモ取りながら本読んだ。「論考」はとても読めないので著者の分かりやすい意志のこもった解説助かる。
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「世界は成立していることがらの総体である。」 からはじまり、 「語りえぬものについては、沈黙せねばならない。」 で終わるウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』を、野矢先生が細部に渡って解説をしてくれている本。 論考に込められている思想、大胆な言葉の数々、問題点と後期ウィトゲンシュ...
「世界は成立していることがらの総体である。」 からはじまり、 「語りえぬものについては、沈黙せねばならない。」 で終わるウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』を、野矢先生が細部に渡って解説をしてくれている本。 論考に込められている思想、大胆な言葉の数々、問題点と後期ウィトゲンシュタインがどのように乗り越えて行ったかを、丁寧にときほぐしてくれる。 「論理は世界を満たす。世界の限界は論理の限界でもある。」 「世界と生とはひとつである。」 「私は私の世界である。」 「死は人生のできごとではない。ひとは死を体験しない。」 などなど驚きに満ちた言葉の数々を考えることの楽しさを味わえる。 こういった本を読んでいると、小説から少し遠ざかってしまうんだよなー。
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『論考』の一つの解釈を、背景を踏まえつつ時には批判的な立場から丁寧に解説している素晴らしい副読本で、『論考』を読むにあたり大いに助けとなる。『論考』の解説書というより、むしろ『論考』を題材に野矢茂樹氏の哲学を述べたものだと捉える方が相応しいように感じる。ところどころ筆者の立場に不...
『論考』の一つの解釈を、背景を踏まえつつ時には批判的な立場から丁寧に解説している素晴らしい副読本で、『論考』を読むにあたり大いに助けとなる。『論考』の解説書というより、むしろ『論考』を題材に野矢茂樹氏の哲学を述べたものだと捉える方が相応しいように感じる。ところどころ筆者の立場に不満がある(「対象」に「個体」以外の要素を含めていることなど)が、そのような批判的な精神で本書を読み進めたことにより、かえって『論考』の理解を深められたように思う。
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[第9刷]2014年10月30日 著者訳の岩波文庫「論理哲学論考」を読む前に読んでみた。その判断正解で、哲学素人にとって論考本体は解説なしでは難解だと思う。
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『論考』に自身の考え方を加え発展的に批判しつつ読み解く本でした。 論理空間、基底と操作、独我論、数学、倫理、愛など、論理と思考の限界を見定め、そこに収まらない諸概念について、ウィトゲンシュタインの考えを紐解きながら、なおかつ筆者自身の考えをぶつけられているところが、とてもスリリン...
『論考』に自身の考え方を加え発展的に批判しつつ読み解く本でした。 論理空間、基底と操作、独我論、数学、倫理、愛など、論理と思考の限界を見定め、そこに収まらない諸概念について、ウィトゲンシュタインの考えを紐解きながら、なおかつ筆者自身の考えをぶつけられているところが、とてもスリリングでした。
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draft(書いてる途中扱い) おもしろかった… 一流の学者が、形而上のことがらについて、ごく卑近な例を出してかみ砕いて説明してくれている。これほどわかりやすく哲学書を解説することができる、ということが信じ難い(野矢先生がすごい方なのだということはとにかく伝わった)。 形而上学...
draft(書いてる途中扱い) おもしろかった… 一流の学者が、形而上のことがらについて、ごく卑近な例を出してかみ砕いて説明してくれている。これほどわかりやすく哲学書を解説することができる、ということが信じ難い(野矢先生がすごい方なのだということはとにかく伝わった)。 形而上学的な事柄を同じレベルの抽象語でパラフレーズしているというのがこれまでの、文学書であれ哲学書であれ、こうした専門書の印象だったが、それをことごとく覆す読書体験だった。 例えば文学者が作家論を、または作品論をものしたとして、その対象となっている作品(群)を未読のまま、その作品論を読み進めることはできない、できないことが多かった。法律の逐条解説本のように、例えば文学作品を解説した文学書などはないと思っていた(ある文学作品を読んでよく分からず、その本についての専門書を読んでも、少なくともやはり部分的にしか、わかったような気にならなかった)。 けれど本書は、もちろん原著を読むことが本来と言いつつも、確かに、「論理哲学論考」そのものを読むよりもそのものを読んだこととなり得るような本だった。 ただ、本書の結論としては、はっきり言って「分からない事柄のわからなさを明らかにした」のではないか。おそらく人文系の学問に関心のない人は(つまり、一般的な人)は、ウィトゲンシュタインのいう内的な論理空間なるものを知って、「それで?」となるに相違ない。 本書は、その内容的には、例えばビジネス書の対極、北極と南極の位置にある。野矢先生はそう言ってはいないが、私は「意味の他者」はやはり怖いし、対するにただ沈黙のほかないと思う。しかしそう思わない多数の人がいわゆる成功しているのであり、その人たちにとって、本書の内容は、果たしてどんな意味があるのだろう。 大学生の時になぜ本書を読む機会がなかったのか、とは思ったが、一方で、いずれにしても頭が良くなければ、哲学者の仲間にも、「意味の他者」を何なく受け入れられる人たちの中に入って一般的になるということも、どうせ自分にはできないのだと思った。
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何度も読もうとして挫折してきたウィトゲンシュタイン本(解説書群含む)を初めて読破できた。筆者の本にははずれがない。 ただ、自分が今まで哲学書を読んでいた理由(人間の言語、試行がなぜ自然事象を記述可能か)がわからなかったのでそこは残念である。
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古田徹也氏の解説本よりも、本書の方が難しかった。ただの解説に留まらず、『論考』の間違いを指摘し、著者が再定義している部分もあった。ここ1カ月ほど、『論考』に向き合ってきたおかげで当初よりもだいぶ分かるようにはなったが、それでも他者に解説できるくらいに分かるようになったとは言い難い...
古田徹也氏の解説本よりも、本書の方が難しかった。ただの解説に留まらず、『論考』の間違いを指摘し、著者が再定義している部分もあった。ここ1カ月ほど、『論考』に向き合ってきたおかげで当初よりもだいぶ分かるようにはなったが、それでも他者に解説できるくらいに分かるようになったとは言い難い。また暫くしたら、本書や『論考』を読み直したい。
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出だしに釣られて読んでみた。著者の文才がすごい。哲学の肝心の内容はかなり高度、とても理解したとは言えない。言葉を使い数学的な証明や定義をしようとしているのだなと自分なりに理解してます。
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論理哲学論考論考を読んで、そのすぐは理解度が30%くらいで。その後これ読んで、理解度が60%位にはなったと思う。 論考読む前にこっち読んどきゃよかったなぁ…としみじみ。
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