日本という方法 の商品レビュー
副題は「おもかげ•うつろいの文化」 日本を「方法の国」と定義する。 すると、日本文化の特質が、クリアに浮かび上がってくる。 「方法の国」というプリズムはきわめて有効だ。 日本の文化は矛盾を矛盾のまま抱え込み、融通無碍に活用してみせる。 古来神と仏の共存•混交。 天皇と将軍の二大...
副題は「おもかげ•うつろいの文化」 日本を「方法の国」と定義する。 すると、日本文化の特質が、クリアに浮かび上がってくる。 「方法の国」というプリズムはきわめて有効だ。 日本の文化は矛盾を矛盾のまま抱え込み、融通無碍に活用してみせる。 古来神と仏の共存•混交。 天皇と将軍の二大政権のもたれ合い。 無常(侘び寂び)と伊達(バサラ)の併存。 漢字と仮名による日本語表記。 外来文化の日本化も「方法」の成果だ。 政治、文学、芸能、思想を「方法」と言う観点で見て行くと、浮かび上がってくるのが、「おもかげ」と「うつろい」と言う特質だ。 捉えどころのない、誰もがぼんやりと考えていた日本文化の特徴を「おもかげ」と「うつろい」と言うキーワードで捉えたのは見事。 ともに、西洋文化を捉えるキーワードにはなり得ない。 日本文化の豊穣さを切り刻まずに、損なわずに、総体として把握するためには、輪郭線の曖昧模糊とした、しかし、中心はしっかりとした「おもかげ」と「うつろい」と言うタームが必要だったのだ。
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著者の提唱する「編集工学」の観点から、日本の精神史・文化史を見なおす試みです。 日本の歴史には、強いナショナル・アイデンティティを確立するためのよりどころとなるような特定の「主題」などは存在せず、また数人の思想家や芸術家によって日本を代表するイデオロギーが確立されたこともないと...
著者の提唱する「編集工学」の観点から、日本の精神史・文化史を見なおす試みです。 日本の歴史には、強いナショナル・アイデンティティを確立するためのよりどころとなるような特定の「主題」などは存在せず、また数人の思想家や芸術家によって日本を代表するイデオロギーが確立されたこともないと著者はいいます。そうしたいささかとらえどころのない日本の精神史を論じるにあたって、本書では「日本」を「方法」として見なおすという立場がとられています。 日本は、中国や西洋の文化を取り入れるさいに、日本に固有の文化と外来の文化とを対質させるのではなく、両者を共存させる方法を採ってきました。こうした指摘は丸山真男や加藤周一がそれぞれの観点からおこなっていますが、「外来コードを輸入して、内生モードを作る」という「編集方法」に著者は注目します。本書では、こうした編集方法として、「カサネ」「キソイ」「ソロエ」「アワセ」などがとりあげられ、考察されています。 さらに著者は、「おもかげ」と「うつろい」ということばを重視しています。特定の「主題」を中心に置くことなく、多様なテーマを多様なしかたで移行し、反映し、編集する「方法」によって特徴づけられる日本精神史の性格を、これらのことばが示していると著者は考えています。 著者の用いる「編集」という概念がきわめて包括的な意味をもっているため、正直なところ著者が日本精神史をどのように規定しているのかわかりにくいようにも感じられます。しかし、著者がそもそも日本の精神史を一定の「主題」によって規定すること自体を拒んでいることをわすれてはならないでしょう。本書がめざすのは、むしろさまざまな観点から日本精神史を見なおす「切り口」を提示することで、あらたな「編集」へと読者を挑発することだといえるように思います。
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日本をどのように見るか 天皇と万葉仮名と語り部 和漢が並んでいる 神仏習合の不思議 ウツとウツツの世界 主と客と数寄の文化 徳川社会と日本モデル 朱子学・陽明学・日本儒学 古学と国学の挑戦 二つのJに挟まれて 矛盾と葛藤を編集する 日本の失敗 失われた面影を求めて 著者:松岡正...
日本をどのように見るか 天皇と万葉仮名と語り部 和漢が並んでいる 神仏習合の不思議 ウツとウツツの世界 主と客と数寄の文化 徳川社会と日本モデル 朱子学・陽明学・日本儒学 古学と国学の挑戦 二つのJに挟まれて 矛盾と葛藤を編集する 日本の失敗 失われた面影を求めて 著者:松岡正剛(1944-、京都市、編集者)
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今年最初の本は、松岡正剛「日本という方法」 万葉、菅原道真、紀貫之、村田珠光、本居宣長、このあたりが相変わらず気になってる
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【要約】 ・ 【ノート】 ・「空気を読むな!」で挙げられてたんだな。blog not found でまた出会った。
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大人向けの「日本思想史実況中継」といった趣の本。教科書的な事柄を、著者の感覚で自由にアレンジして語ってみせた、というところだろう。全体としてのまとまりとか、議論の妥当性とかにあまりこだわらなければ、ネタとしておもしろいところはいろいろある。たとえば、日本の陽明学の動向、荻生徂徠や...
大人向けの「日本思想史実況中継」といった趣の本。教科書的な事柄を、著者の感覚で自由にアレンジして語ってみせた、というところだろう。全体としてのまとまりとか、議論の妥当性とかにあまりこだわらなければ、ネタとしておもしろいところはいろいろある。たとえば、日本の陽明学の動向、荻生徂徠や本居宣長の方法、国学の展開、それと西田幾多郎や北一輝のあたり。
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「千夜千冊」で有名な著者の手による渾身の日本論。正直、歴史や文学に疎い僕にはちょっと難しかったのだけど、日本という国を表現するにあたって「方法」という言葉を使う点は納得感が大きかった。よく日本は昔から外来の知識や文化を上手く「取り入れて」きたといわれるけれど、それだけでは説明し切...
「千夜千冊」で有名な著者の手による渾身の日本論。正直、歴史や文学に疎い僕にはちょっと難しかったのだけど、日本という国を表現するにあたって「方法」という言葉を使う点は納得感が大きかった。よく日本は昔から外来の知識や文化を上手く「取り入れて」きたといわれるけれど、それだけでは説明し切れない日本の特質のようなものが見事に可視化されている。こんなアプローチの仕方があったのかと、目から鱗が落ちること請け合いの一冊。
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初松岡正剛。博覧強記,縦横無碍。学問的な厳密さには欠けるかもしれないけど,こういう人も必要ですよね。特に近代史の解釈は興味深く読めました。
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日本は面影、移ろいの文化の国! 著者の主張は私には少し独善が過ぎる気がします。どこまでアカデミックに検証されているのかは分からないところがありますが、興味深い本でした。「日本人の自信とは何か?」白村江の敗戦、昭和の敗戦から立ち上がっていった日本という一文がありますが、ちょうど東日...
日本は面影、移ろいの文化の国! 著者の主張は私には少し独善が過ぎる気がします。どこまでアカデミックに検証されているのかは分からないところがありますが、興味深い本でした。「日本人の自信とは何か?」白村江の敗戦、昭和の敗戦から立ち上がっていった日本という一文がありますが、ちょうど東日本大震災のニュースが流れている時期、日本の敗北!という印象が拭えませんが、自信回復へ向けての私たちの努力の必要性を痛感します。実にいろんなジャンルに話が発展しているのですが、陽明学が中国では廃れ、日本では持て囃されてきたことに「日本という方法」の鍵があるという説明は非常に興味深いところです。著者は実は陽明学ではなく、古学、国学にあったと結論づけているようではありますが・・・
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日本とは何か?ということをよく考えていたが、 ほとんど日本の思想史を知らなかったことを恥じた。 松岡正剛の縦横無尽で、豊富な読書量と考察に支えられて、 独特な日本論が生まれている。思想史の腑分けが実にうまい。 というより、日本への編集方法が優れているというべきなのだろう。 ここ...
日本とは何か?ということをよく考えていたが、 ほとんど日本の思想史を知らなかったことを恥じた。 松岡正剛の縦横無尽で、豊富な読書量と考察に支えられて、 独特な日本論が生まれている。思想史の腑分けが実にうまい。 というより、日本への編集方法が優れているというべきなのだろう。 ここから、一歩前に進めるともっと、面白くなりそうな気がする。 日本という方法は、主題ではなく、方法にあると看破する。 この本のテーマは、『方法の日本』であって、 『日本の方法』ではないと強調する。 日本という『おもかげ』(プロフィール)を見つめようとする。 そこには、中国とのかかわりが、深く存在し、 中国の影響を受けながら、いかにに日本的なものを、作り上げたのか。 それを、時代ごとに、深く考察する。 言葉の起源を明確にしながら、その本質に寄り添おうとする。 寄り添う態度が、この本を生み出したのかもしれない。 素材を料理する手腕は、松岡正剛である。 そして、時折、そんな風に見るのか。 と思わせるところに遭遇したりする。 しかし、本題からするりと抜けて、しまった感がある。 それが、余白であり、書き込んでいないことだろう。 一途で多様。絶対矛盾的自己同一。 ウツ であることに向き合い、ウツロウことの方法としての日本。
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