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死体とご遺体 の商品レビュー

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18件のお客様レビュー

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2013/08/15

10年近く前、伯父が亡くなった時のこと。 遺体が病院から自宅に戻り仏間に敷かれた布団に安置され、枕経の準備が始まろうという時に、白衣に身を包んだ見知らぬ女性が現れました。 葬儀社の方から「これからご遺体を整えさせていただきます」的な説明と共に目礼する女性。「どうぞ、ご家族の方も...

10年近く前、伯父が亡くなった時のこと。 遺体が病院から自宅に戻り仏間に敷かれた布団に安置され、枕経の準備が始まろうという時に、白衣に身を包んだ見知らぬ女性が現れました。 葬儀社の方から「これからご遺体を整えさせていただきます」的な説明と共に目礼する女性。「どうぞ、ご家族の方もお近くでご覧ください」との事だったので、物心ついてから納棺に立ち会った事のない私は何が起きるのかもわからないままに伯父の布団の傍に陣取ったのです。 女性が掛け布団の中に両腕を差し入れゴソゴソし出したかと思いきや、直後に引き抜かれた手には最期に着ていた病衣が!そしてあれよあれよという間に死に装束姿に!何たる早業!しかも布団かかったまま! その後も、足や手の爪を切ったりヒゲを剃ったり髪をとかしたり、要所要所をさりげなく遺族に手伝わせつつ旅立ちの準備を整えていくプロの技術。 心底感動しました。できればその女性に詳しいお話をお聞かせ願うべく、玄関まで追っかけようかと思う程に。 あの鮮烈な体験は忘れがたく、後日書店で本書『死体とご遺体』を見かけた瞬間に即買い。そして一気読み。 会社が倒産し多額の借金を抱えた著者が紆余曲折を経て湯灌サービスを「企業」させて行く様子と、湯灌師として積んでこられた経験談の数々に、これまた感銘を受けました。 今にして思えば、伯父に死に装束を着せた女性は正確には「湯灌師」ではなかったのかもしれませんが、納棺前の一連の流れを通じて遺族の感情に変化が訪れた事は本書にある通り。お別れする前に自分の手で触れ、身支度を手伝ってあげられた事の実感は途轍もなく大きいものでしたし、棺の中に遺品を納める際は「他に好きだった物ない?」「これも入れてあげたら?」「そりゃマズいだろ、焼けにくそうだし」と驚くほど賑やかでもありました。 勿論、世の中には不慮の事故で亡くなられる方や身寄りのない方もいらっしゃいますが、様々なケースに向き合い最善の処置を施すプロの技術と心意気に敬服いたします。 実は青木新門『納棺夫日記 増補改訂版』も入手済み。読みます。

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2012/08/04

おくりびとを期待して読んだのがいけなかったのか、かなりイメージが違った。お金の話が多くて、途中で読むのをやめてしまった。残念。

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2011/05/28

[ 内容 ] 湯潅とは、死体を洗い、化粧をほどこし、仏衣を着せて旅立ちのための“ご遺体”にする儀式のこと。 かつてCM業界で活躍した著者は、バブル崩壊による倒産に見舞われ、紆余曲折のすえ、湯潅サービスの起業にたどりついた。 以降十年、出会ったご遺体はかれこれ四千体―。 死者を抱き...

[ 内容 ] 湯潅とは、死体を洗い、化粧をほどこし、仏衣を着せて旅立ちのための“ご遺体”にする儀式のこと。 かつてCM業界で活躍した著者は、バブル崩壊による倒産に見舞われ、紆余曲折のすえ、湯潅サービスの起業にたどりついた。 以降十年、出会ったご遺体はかれこれ四千体―。 死者を抱き、洗い続けること。 そこからみえる、現代の死生の姿とは。 [ 目次 ] 序章 四十九歳の誕生日、私は初めて遺体を洗った 第1章 CM制作会社社長から湯潅師へ 第2章 湯潅サービスを起業する 第3章 記憶に残る特別なご遺体 第4章 妻は語る 第5章 四千体の手応えと、来し方行く末 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2010/08/15

おくりびとをきっかけとして納棺師関連の本に興味をもつようになった。 著者 熊田紺也氏の職業は湯灌師。 湯灌とは「亡くなった方を湯に入れ通夜から告別式まで滞り無く行われるようご遺体を整える」こと。 仕事内容を見てみると納棺師との大きな違いは見られないが、一連の葬儀サービスの中でど...

おくりびとをきっかけとして納棺師関連の本に興味をもつようになった。 著者 熊田紺也氏の職業は湯灌師。 湯灌とは「亡くなった方を湯に入れ通夜から告別式まで滞り無く行われるようご遺体を整える」こと。 仕事内容を見てみると納棺師との大きな違いは見られないが、一連の葬儀サービスの中でどの部分を主体とするかによって呼び名は変わるのだろう。 熊田氏は、CM作成会社社長から在宅入浴サービス、そして湯灌師になるという経緯を持つ。 人の死に関わる職業は実家が葬式屋でない限り最初からこの職業に付く人は余りおらず、何かの事情で職を探しているうちに辿り着く職業が大半だと思う。 おくりびともそうであったし、熊田氏も同じである。 人の死を取り扱う職業は穢れという意識がつきまとい常にタブー化されてきた。 それを一変させたのは映画「おくりびと」である。 亡くなった方を天国に届けるまでのお手伝いをするという職業であるという認識が広まってきている。 実際、やっつけ仕事で葬儀をこなす葬式屋もいるだろうが、一体一体に心を込めて湯灌し、化粧を施す湯灌師や納棺師が居ることも忘れてはならない。 本書は自身の湯灌師としての経験を中心に書きながら、家族の話、友人の話まで範囲を広げ、そこからみえてくる湯灌師という職業、葬儀ビジネス、そして人間の死の捉え方を描いている。 日々ご遺体を見つめ続けている著者を通して死というものを見つめ直すには良い本だと思う。

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2009/10/04

湯灌(納棺前にご遺体を洗って死化粧まで)を行っているご夫婦のお話。この本で取り上げられている湯灌は実際に見たことはないのですが、最近実際に身近の人が死んで、通夜の前に納棺士の方に清拭と死化粧をお願いすることがありました。上手く言えませんがこういう方がいることで故人との別れがより特...

湯灌(納棺前にご遺体を洗って死化粧まで)を行っているご夫婦のお話。この本で取り上げられている湯灌は実際に見たことはないのですが、最近実際に身近の人が死んで、通夜の前に納棺士の方に清拭と死化粧をお願いすることがありました。上手く言えませんがこういう方がいることで故人との別れがより特別なものになると思います。日頃触れることのないテーマですので、ご興味のある方は是非。

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2009/10/04

まさに「リアルおくりびと」。「納棺夫日記」よりもこちらの方が、「おくりびと」のガイド本としてはふさわしいかもしれない。 夫婦でやっている点、50近くなってから本格的に湯灌に取り組んだという点が、とてもユニーク。10年余りやった著者が、すでに引退を視野に入れているというのが驚き。...

まさに「リアルおくりびと」。「納棺夫日記」よりもこちらの方が、「おくりびと」のガイド本としてはふさわしいかもしれない。 夫婦でやっている点、50近くなってから本格的に湯灌に取り組んだという点が、とてもユニーク。10年余りやった著者が、すでに引退を視野に入れているというのが驚き。それだけハードワークなのか、それとも実入りがいいからなのか。

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2009/10/04

 ゆかん(変換出来ませんでした)の仕事を丁寧に分かりやすく解説された本です。そこには様々な人生も詰まっていました。  数々の自分の周りに亡くなった身内、友人たちの事を思い浮かべながら、彼らもこうしてやってもらえたのだろうか、と感慨深くなりました。  決してぐろくありません。む...

 ゆかん(変換出来ませんでした)の仕事を丁寧に分かりやすく解説された本です。そこには様々な人生も詰まっていました。  数々の自分の周りに亡くなった身内、友人たちの事を思い浮かべながら、彼らもこうしてやってもらえたのだろうか、と感慨深くなりました。  決してぐろくありません。むしろ、そこまでしてくれるなんて、自分が死んだ後、この人に頼みたいくらいだ、と思う程です。  昔から日本は「死者は穢れ」である、と信じていましたが、私はそう思いませんでした。だから、お清めの塩を持ち帰っても、まかずに平気で家に上がり込みました。  むしろ、死者は神々しいと思っていました。初めて幼い時に曾祖母の遺体を見て、厳かな気持ちになりました。覚えているのは、神々しさと崇高さでした。そこから私は死者に強い興味を持ちました。  というわけで、色々監察医の本などを読みあさっていますが。肉体的な現象だけでなく、精神はどうなのか、と疑問に思い、その延長線で精神医学を学んでいますが、基本的には死者に対する関心は高いままです。  この本にも出会えて良かったな、と思いました。

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2009/10/04

ご遺体を洗うご夫婦の手記。自然死ではないご遺体も含め、数千体のご遺体と向かい合い、おそらくそれ以上の生者に向かい合う言葉は含蓄深い。死は誰にもすぐに訪れることであることを思うとなおさらである。

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