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てのひらの中の宇宙 の商品レビュー

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27件のお客様レビュー

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2009/10/04

今年の高校生の読書感想文課題図書ということで読んでみたけど、うーん。私これで感想文書く自信ない。といいつつレビューを書く。 人が初めて「死」を知ったとき、そこで起こる感情は喜びよりも恐怖の方が多いんじゃないだろうか。死とはどういう状態なのか。どこへ行っちゃうのか。魂と心って?大...

今年の高校生の読書感想文課題図書ということで読んでみたけど、うーん。私これで感想文書く自信ない。といいつつレビューを書く。 人が初めて「死」を知ったとき、そこで起こる感情は喜びよりも恐怖の方が多いんじゃないだろうか。死とはどういう状態なのか。どこへ行っちゃうのか。魂と心って?大人になった今でも考えると、少し怖い。  それでもこの話は、とても優しい。「しぬけどしなない」ということまで子どもは見つけ出している。科学に詳しい父と、好奇心探究心旺盛な子ども。その子どもが始めて触れる死は、母親の死かもしれない。いつ訪れるか分からない恐怖を抱えながら、子どもはぐぐうっと考えを深めていく。それを優しく見守る父親。  保坂和志の小説のような、でもそれよりも軽くさっぱりと読めました。

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2011/06/18

どうしようもないほど優しい物語だ。差し伸べられる手はどこまでもやわらかくあたたかい。誰がなんと言おうと、絶対的にこの家族は幸福なのだと思う。「ぼくたちは、しなないんだ。ぜったい、しなない。でも、しぬんだ。」そうだね。君が知ってしまった事実、あたしに教えられる真実。死はすべての人に...

どうしようもないほど優しい物語だ。差し伸べられる手はどこまでもやわらかくあたたかい。誰がなんと言おうと、絶対的にこの家族は幸福なのだと思う。「ぼくたちは、しなないんだ。ぜったい、しなない。でも、しぬんだ。」そうだね。君が知ってしまった事実、あたしに教えられる真実。死はすべての人に平等にやってくる。でも、死なない。生き返る、なんてゲームの世界の話ではなく、一度たりとも死ぬこと自体がないの。だって、ほら、「ここ」には、生きているでしょう。

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2009/10/04

5歳の息子と3歳の娘をもつ一家で起こった妻のがんという悲劇。知識が広がっていく最中である息子と娘は、父との池の中での生き物探しや化石探し、宇宙のはじまりと終わりの話などを通して、人として成長していきます。深みのある小説。(2007.6.23)

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2009/10/07

ぼくの子どもがはじめて触れる死。それは、母親の死かもしれない。アスカとミライのふたりの子と暮らすぼく。子どもたちの母親である妻は、癌が再発し入院している。この世界に生と死があることを、子どもたちに伝えなければならない。ぼくたちを取り巻く、生きものを通して。

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2009/10/04

ぼくの子どもがはじめて触れる死。それは、母親の死かもしれない。 アスカとミライのふたりの子と暮らすぼく。子どもたちの母親である妻は、 癌が再発し入院している。この世界に生と死があることを、子どもたちに 伝えなければならない。ぼくたちを取り巻く、生きものを通して。

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2009/10/04

癌の再発で入院した母親、父親とお兄ちゃん、妹の絆を中心に、個のあり方から家族、社会、宇宙のあり方を考察する、ちょっと形容しがたい物語。「おにいちゃん」が素敵だ。

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2011/09/07

ああ、この作品は良かった。琴線に触れるお話だった。この雰囲気は…大昔に読んだ『パパ・ユア・クレイジー』か『考えるウォークマン』って感じ。父親が子供たちに投げかける眼差しの優しさが、とても心に染みた。 物語の設定は「となりのトトロ」みたい。母親がガンを再発して入退院を繰り返す間、...

ああ、この作品は良かった。琴線に触れるお話だった。この雰囲気は…大昔に読んだ『パパ・ユア・クレイジー』か『考えるウォークマン』って感じ。父親が子供たちに投げかける眼差しの優しさが、とても心に染みた。 物語の設定は「となりのトトロ」みたい。母親がガンを再発して入退院を繰り返す間、残された父親と子供二人の生活を描いてます。 5歳のミライが「え?ホントに5歳?とてもじゃないけど、そうは見えないってば!」聡すぎるほどよく出来た子供なのが引っかかるけど、身近な生態系から生命の歴史、フラクタル、陽子中性子、そして宇宙へと世界に対して開かれていき、ぐんぐん自分の世界を広げていくようすに、つい感動して、胸を熱くしてしまう。漠然とした死の予感が家族それぞれの胸の中にあり、「死」が媒介となって世界が開かれていくというのがやるせなくさせるけど、こんな風に大切な人の死や宇宙の死について、思いを馳せたことがあったなあと、大昔の自分を思い出して、きゅんと胸が切なくなった。 「家族の物語から絵本化」で途中挿入される「巨大カメと無限の散歩」が、物語に絡んでくるのもいい感じ。まんまインド神話だ〜! 綿々と続いてきた命の連鎖について、深く考えさせる物語。もしかしたら川端さんの実体験が反映されてるのかなと、思いたくなる。私は好きですね、この話。やっぱり川端さん、チェックしようっと。(2006.10.7読了)

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