タオ の商品レビュー
珠玉の『老子』訳
加島祥造先生は、信州は伊那谷に住まわれ、身心共に「道化」された、現代のタオイストである。加島先生が、主に『老子』の英訳を再度邦訳して生まれたのが本書。従って、妙味に溢れた詩集となっている。 『老子』原典と違い、暗記するのは難しいが、老子道学の空気に心浸してみては如何だろうか。
聖熟女☆ミ
治大国 若煮小鮮、大国を治るは、小魚を煮るがごとし、色々突っつくと、小魚が崩れる、と。老子良いですね、☆四つです
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読むにつれ、心が静かになっていく本でした。 「老子道徳経」全81章の自由口語訳。 老子思想に明るくないから、この入り口は新鮮でわかりやすく、頭で考える前に心に染み入ってきた。 この本で老子に出会えてよかった。 人生で苦しくなったときに読み返したいなぁ。 ---メモ--- ...
読むにつれ、心が静かになっていく本でした。 「老子道徳経」全81章の自由口語訳。 老子思想に明るくないから、この入り口は新鮮でわかりやすく、頭で考える前に心に染み入ってきた。 この本で老子に出会えてよかった。 人生で苦しくなったときに読み返したいなぁ。 ---メモ--- ・虚とは受け容れる能力。受け容れるには、虚で静かな心でいること。 ・自分の働きを人びとに知らさないのが一番上等なリーダー ・世間が「よし」とか「だめ」とか言うことは自分にとってなんでもないこと ・徳(ター)ー大きな愛(第38章) これが正しいからやる、なんてことばかり主張する人は浅いパワーを振り回しているだけ。タオの働きを信じて余計なことをしない。 ・いちばん柔らかいものがいちばん固いものを打ち砕く。タオの働きは隙のない固いものに染み込んで、いつしか砕く。 ・大切なのは静けさと平和 ・無為とは、知識を体内で消化した人が何に対しても応じられるベストな状態のこと。 ・タオの道に志したら、よく光る存在だが、人にまぶしい思いなんかさせない。 ・恨みは、タオの虚の力を用いて忘れる。恨みという感情がら無くなるだけでもどんなに落ち着いたものになるか。 ・真に賢い人とは知識を漁って広く知る人じゃない。タオにつながる人は蓄めたり積んだりしない。
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あなたには、言葉で表すと何かがこぼれ落ちてしまう、と感じる経験はなかっただろうか? 例えば、初めて感じる気持ちや、その日見た景色の美しさ、気持ちが通じ合った感覚など。 自然物や真理を、言葉で完全に表現し尽くすことはできないのだ。(ピュシスとロゴスの話。) でも、本書はタオという...
あなたには、言葉で表すと何かがこぼれ落ちてしまう、と感じる経験はなかっただろうか? 例えば、初めて感じる気持ちや、その日見た景色の美しさ、気持ちが通じ合った感覚など。 自然物や真理を、言葉で完全に表現し尽くすことはできないのだ。(ピュシスとロゴスの話。) でも、本書はタオという1つの真理を言葉で表そうとする大きな挑戦をしている。 そのため、最初僕には繋がりのない散文集に見えた。 言葉は、真理のスナップショットだ。 本書は、タオという風景を、色んな角度から言葉という写真で切り取って、まとめた写真集じゃないだろうか。 そう考えれば、タオを理解するのにやるべきことが見えてくる。現像された言葉をもとに、タオの姿を想像するだけだ。 そして、タオには、捉えようとするだけの価値がある真理だと個人的には思う。 ■補足 ピュシス…自然物、天然物 ロゴス…人が言葉で捉えるもの もっとちゃんとした解釈は、坂本龍一・福岡伸一『音楽と生命』を参照。
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老子の思想に出会ったときは老子を慰めや諦めの理由として捉えていた。 はたまた老子を保守の思想のように受け止める人もいると聞いたこともある。 最近になって心が自由な時間が取れて、そしてたまたまこの本に出会えて、老子を新しく捉えなおすことができた気がする。 タオに触れると地に両足がつ...
老子の思想に出会ったときは老子を慰めや諦めの理由として捉えていた。 はたまた老子を保守の思想のように受け止める人もいると聞いたこともある。 最近になって心が自由な時間が取れて、そしてたまたまこの本に出会えて、老子を新しく捉えなおすことができた気がする。 タオに触れると地に両足がついた感じがする。
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「天網恢恢疎にして漏らさず」って、一般的には悪事はどう逃げ隠れしても最終的には捕まって裁かれるという意味だが、元々は悪事に限定した意味ではないのだな。 全体として老子的な思考方法の呼吸が平易な言葉で語られ腑に落ちるところが多い。
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2023.8.28読了。 道家の祖、老子が著したと言われる「老子(=老子道徳経)」を、詩人である著者が分かりやすい言葉で訳してくれた本。 人間の作り出した社会や文化は人為的なつくりものなので退けるべきであり、自然に帰って素朴無為な生活の中で生を全うすべきとする「無為自然」の政治哲学、人生論。 P39 何もかもぎりぎりまでやらないで 自分のやるべきことが終わったら さっさとリタイアするのがいいんだ。 それが天の道に沿うことなんだ。 P45 私たちは物が役立つと思うけれど じつは物の内側の、 何もない虚のスペースこそ、本当に役に立っているのだ。 P224 私は 三つの宝を持っていて、それをとても 大切にしている。 その一は愛すること その二は倹約すること その三は世の人の先に立たぬこと。
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老子を、現代の言葉でわかりやすく再解釈したもの。先に頭で考えず、まず感覚で読んでいきたいと思わせてくれるものだった。本来老子とは、こういった感覚的な理解が大事な本なのだろう。著者はそれを気づかせてくれた。老荘の考え方を少しは理解していたと思っていたが、この本に出会って、まだまだ感...
老子を、現代の言葉でわかりやすく再解釈したもの。先に頭で考えず、まず感覚で読んでいきたいと思わせてくれるものだった。本来老子とは、こういった感覚的な理解が大事な本なのだろう。著者はそれを気づかせてくれた。老荘の考え方を少しは理解していたと思っていたが、この本に出会って、まだまだ感覚としての理解が足りなかったんだなと思えた。 いろいろな執着を捨てる生き方をしつつ、でもどこかは執着したい、さてどうしたものか。そんな事を、読み終わった後に考えてしまった。
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世間の知識だけが絶対じゃないんだ。他人や社会を知ることなんて薄っくらい知識に過ぎない。自分を知ることこそ、ほんとの明るい智慧なんだ。 他人に勝つには力づくですむけれど、自分に勝つには柔らかな強さがいる。 静けさと平和。この二つを得るには、いまの自分の持つものに満足することさ。人に何かを求めないで、これでまあ十分だと思う人は、ゆったり世の中を眺めて、自分の人生を長く保ってゆけるのさ。 道によくつながる人は、ためたり積んだりしない、そして、いつも他人の為にしようとする、そうすることによってますます自分が豊かになる。内に持つものをすっかり他人に与えようとする、そうすることでますます多く与えられる。
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為末大氏が自らの書籍で推してたので購入。正直全く刺さらなかった。この本を人に勧める為末氏ってどうなんだろう、と思ってしまうくらいハマらなかった。
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