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夜のピクニック の商品レビュー

4.1

2388件のお客様レビュー

  1. 5つ

    830

  2. 4つ

    822

  3. 3つ

    504

  4. 2つ

    67

  5. 1つ

    12

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2009/10/04

本屋さんが一番売りたい本を選ぶ「本屋大賞」の第2回大賞受賞作。夜間歩行という行事での出来事が坦々と綴られます。一日中ひたすら歩き続けるという特別な雰囲気の中で、特別な関係の二人、そして周りの人々が繰り広げるやり取りと葛藤、そして成長が描かれる良作でした。恩田さんは怖い話も多いのだ...

本屋さんが一番売りたい本を選ぶ「本屋大賞」の第2回大賞受賞作。夜間歩行という行事での出来事が坦々と綴られます。一日中ひたすら歩き続けるという特別な雰囲気の中で、特別な関係の二人、そして周りの人々が繰り広げるやり取りと葛藤、そして成長が描かれる良作でした。恩田さんは怖い話も多いのだけど、この話は読後感も「読んでよかった!」と思えておすすめかと。

Posted byブクログ

2009/10/04

本屋大賞を受賞し、映画公開も間近の恩田陸「夜のピクニック」が文庫化されたので、早速買ってきて、早速読んで、早速読み終えた。通称「夜ピク」。本屋さんのPOPで「この本を「夜ピク」お願いします」とふざけたお願い文が踊ってそうな気配もするが、実におもしろい。もちろん内容がね。一人でこの...

本屋大賞を受賞し、映画公開も間近の恩田陸「夜のピクニック」が文庫化されたので、早速買ってきて、早速読んで、早速読み終えた。通称「夜ピク」。本屋さんのPOPで「この本を「夜ピク」お願いします」とふざけたお願い文が踊ってそうな気配もするが、実におもしろい。もちろん内容がね。一人でこの本を読んでいたのだが(当たり前!)、一人で読んでいる気が何故かしなかった。こういう青春モノに出てくる高校生の場合、いそうだけど、やっぱいないんじゃない的感じが強くする。でも、共感できるところがほんのちょっぴりあって、物語を読み進めていくうちにその一部分がどんどん増幅されていき、登場人物をごく近しく感じる瞬間がある。そして、自分も勝手に物語参加してる気分になって…不思議。「みんなで、歩く。ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろう」本当に何でこんなに特別なんでしょう?非日常的な時間と辛い単純作業。この意外な組み合わせを共有することに特別な何かがあるような気がするけど…。「何が?」って言われるとやはり困る。関係ないけど、24時間テレビを一度最初から最後まで寝ずに付き合ったことがある。私はただ起きて観ていただけなのに、妙な達成感があり、最後の「サライ」の合唱にホロリときた。「だから?」って言われると…やっぱり困る。たった一日のことなので、外見上はほんの少しの変化しかない。「しゃべれなかったクラスメイトと話すことができた」というくらい。でも、このゼロから1への飛躍は無限の可能性を含んでいる。それは一桁で終わるかもしれないし、何桁も続いていくかもしれない。初めの第一歩は誰だってピョーンと飛び出すものですよね?

Posted byブクログ

2015/11/12

何度も鳥肌がたった。 中学最後のイベント、江ノ島まで夜通し歩いたこと、高校時代のテニス部との思い出がよみがえってきた。 「始まってみればあっというまで、心に残るのは記憶の上澄みだけ。終わってしまってからようやく、さまざまな場面の断片が少しずつ記憶の定位置に収まっていき、歩行...

何度も鳥肌がたった。 中学最後のイベント、江ノ島まで夜通し歩いたこと、高校時代のテニス部との思い出がよみがえってきた。 「始まってみればあっというまで、心に残るのは記憶の上澄みだけ。終わってしまってからようやく、さまざまな場面の断片が少しずつ記憶の定位置に収まっていき、歩行祭全体の印象が定まるのはずっと先のことなのだろう。」 今日一日を、今このときを大事にしようって思える本。 あの時の出来事があったから今の自分があるんだなって実感させてくれる話。 「それから先のことは、その時考えよう。忍と一緒の決断だったら、俺はきっと後悔しない。」 友情ってやっぱいいよねって思う。 今すごい勢いで読み終えて、とにかく大切な人たちにありがとう!!!って伝えたいです。

Posted byブクログ

2016/05/18

みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。 どうして、それだけのことが、こんなに特別なんだろうね。 その科白が全て。 登場人物達が通う高校では修学旅行の代わりに丸1日、ほぼ夜を徹して80キロを歩き通すという伝統行事が。 長い長い、けれど短い道程を歩きなが...

みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。 どうして、それだけのことが、こんなに特別なんだろうね。 その科白が全て。 登場人物達が通う高校では修学旅行の代わりに丸1日、ほぼ夜を徹して80キロを歩き通すという伝統行事が。 長い長い、けれど短い道程を歩きながら彼らは色んな事に思いを馳せ、友人と語り合う…。 歩く事=読み進める事で自分も共に歩いているような気になった。 特別大きな事件が起こるわけでもないのに、なぜか飽きずに先へ進んでしまう。 非日常という高揚感やどんどんエンディングに近づいていく寂しさ、10代なりの自尊心に友情や恋愛など誰にでも覚えの有る甘酸っぱく切ない気持ちを味わえる一冊。 個人的に恩田作品の一番好きな要素がギュッと詰まった物語。 蛇足でではあるけれど、荻原規子氏の「樹上のゆりかご」をちょっと思い出す。(←これも大好きな作品)学生時代が特別懐かしいのは、やっぱり二度と戻れないからなのか…。

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2009/10/04

高校の行事「鍛錬歩行祭」 80キロを朝8時から夜8時まで歩く。 高校生活最後のこの行事で、同じクラスに いるほとんど口を聞いたこともない異母兄弟と 打ち解けようと試みる女子高生を中心に、 歩きながら一人一人が振り返る過去や 考えるこれからの事。 読みながら自分も一緒に歩いている...

高校の行事「鍛錬歩行祭」 80キロを朝8時から夜8時まで歩く。 高校生活最後のこの行事で、同じクラスに いるほとんど口を聞いたこともない異母兄弟と 打ち解けようと試みる女子高生を中心に、 歩きながら一人一人が振り返る過去や 考えるこれからの事。 読みながら自分も一緒に歩いている気分になり、 自然と今までを振り返っていることに気付く。 長い長い歩行は人生の象徴という気がした。 今は苦しくても過ぎてしまえば懐かしく 思い出されることばかりなんだろうな。 先のことばかりじゃなくて今この瞬間しか 出来ないことをもっとしたい、と思った。 この作品は青春小説ってだけじゃないです。 再読します。

Posted byブクログ

2009/10/04

映画公開の前に読んでみた。これは凄い。 夜を徹してひたすら歩くという学校行事に主人公達は、高校生活最後のイベントとして参加する。80kmを歩きぬくという過酷な催しではあるものの、クラス単位から親しい友人とともに苦労を共にしながら、語り合う機会というものが、様々なドラマを紡ぎ出して...

映画公開の前に読んでみた。これは凄い。 夜を徹してひたすら歩くという学校行事に主人公達は、高校生活最後のイベントとして参加する。80kmを歩きぬくという過酷な催しではあるものの、クラス単位から親しい友人とともに苦労を共にしながら、語り合う機会というものが、様々なドラマを紡ぎ出していく。 本作は構成が実に巧みである。時系列の変化に伴う思考の流れを、男女二人の主人公を立てて相互の視点で語っているのだが、これが実にリアリティがあって、良い。主人公二人は異母きょうだいで、相互に没交渉。周囲にもそれとは知られていないままクラスメートになってしまったのだ。その微妙な距離感を中心に、互いの友人関係と、年齢相応の恋愛感情のマトリクスを、叙情豊かに綴った青春小説の傑作なのだ。 ミステリ作家としても実力派の作者はごく自然な「秘密」と「謎」をさりげなく配置し、その緊迫感や解消されたときのカタルシスを最大限に描いてもいるのだ。そしてそれは、少年少女が大人になるイニシエーションにもなっている。まぁ小説として当然といえば当然なのだが、全ての解決となるゴールではなく、新たなスタートであることをさりげなくだがしっかりと強調している点が素晴らしい。途中途中で挿入される、冷酷なまでの表現を用いたモノローグを効果的なアクセントとし、地方高校の学校行事をモチーフとしながら、当事者だけのドラマで完結させない、開かれた物語となっている。そしてそれは絶妙の塩梅で年齢を超えた感情移入を読むものに即すのである。 読者個々が持つ「思い出の相似形」のノスタルジーではないところが、本作が傑作である所以なのだ。

Posted byブクログ

2011/08/16

このところ、青春小説ばっかり読んでます。秋ですからね。ちょうど今頃に文化祭とか体育祭とかあるんですよね。この「夜のピクニック」も季節は秋。ちょっと9月だと早いかもしれませんが、それでもいい時期に読むことができました。舞台は今年最後の学校行事で、高校三年生の主人公たちにとっては、高...

このところ、青春小説ばっかり読んでます。秋ですからね。ちょうど今頃に文化祭とか体育祭とかあるんですよね。この「夜のピクニック」も季節は秋。ちょっと9月だと早いかもしれませんが、それでもいい時期に読むことができました。舞台は今年最後の学校行事で、高校三年生の主人公たちにとっては、高校生活最後の行事「歩行祭」。全校生徒が夜通し歩くこの行事で、貴子はある「賭け」をしています。果たしてその行方は如何に。なにがすごいって、この青春小説は「青春っていいなー。」ではなく、まさに自分もこの「歩行祭」に参加しているような気持ちになってしまったところがすごいです。たわいもないおしゃべりや、水平線を見て感動したこと、足が痛くてもうなんだかよくわからない状態も、まるで自分が体験したみたいに感じます。貴子と融、それぞれの思いが秋の夜の空気に染み渡っていってるところもいいし、秘密の話が道にぽつりぽつりと落ちてくところもすごくいい。嗚呼、私もきっと歩行祭に参加したら、こんな風に好きなだけいろいろ考えて、いっぱいおしゃべりをして、悲惨なほどに足が痛くなるんだろうなぁと思いました。そして、すごくすごく貴子たちがうらやましくなりました。まぁ実際あったらその学校にいることを呪ってるんでしょうけど。本屋大賞受賞作はこれで全部読みました。私はこれが一番好きだー!!

Posted byブクログ

2009/10/04

「24時間歩き続けるだけの話って面白いのかな?」と不審に思った私が馬鹿でした!! 恩田さんの力量は凄いです!! この話は中高生にはぜひ読んでみて欲しいと思いました。

Posted byブクログ