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土一揆と城の戦国を行く の商品レビュー

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2016/08/15

戦国時代というと戦国大名や国衆にのみ目が行きがちであるが、著者は「戦国時代における一般民衆」の生き様を一貫して追い続けている研究者である。本書でも戦国時代の一般人の想像を絶する生活を、古文書の記述を通じて描き出している。戦争に巻き込まれた民衆は、家屋を焼かれ、家財や作物を奪われ、...

戦国時代というと戦国大名や国衆にのみ目が行きがちであるが、著者は「戦国時代における一般民衆」の生き様を一貫して追い続けている研究者である。本書でも戦国時代の一般人の想像を絶する生活を、古文書の記述を通じて描き出している。戦争に巻き込まれた民衆は、家屋を焼かれ、家財や作物を奪われ、自身は戦争奴隷として生け捕りに合うという弱者の側面と、村単位で武装して城を持ち、落ち武者の身ぐるみを剥ぐしたたかな強者の側面が両方描かれていて興味深い。豊臣秀吉が戦争奴隷の無効化(戦争で生け捕った民衆を無条件で住んでいた村に返すこと)を宣言していたことも初めて知った。天下人になってからの秀吉はあまり評判が良くないけど、秀吉の出自である一般民衆寄りの政策が意外と存在していることは、もっと広く知られて良いかもしれない。

Posted byブクログ