ボトルネック の商品レビュー
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おっっっっもい……!! めちゃくちゃ鬱展開。救いがない、絶望の果て。 救われないのが辛い。 サキをもってしても、いやサキの言葉だからこそ止められなかったのかな。 ホント重…………!!!
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『ボトルネック』 2023年10月1日読了 東尋坊や金沢など北陸の地が舞台の作品。 作者が学生時代を過ごした土地ということもあり、その地に行ったかのようにリアルな情景が思い浮かんでくる。 東尋坊で崖下に落ちてしまったはずの主人公・リョウ。 しかし、目が覚めると見慣れたはずの金...
『ボトルネック』 2023年10月1日読了 東尋坊や金沢など北陸の地が舞台の作品。 作者が学生時代を過ごした土地ということもあり、その地に行ったかのようにリアルな情景が思い浮かんでくる。 東尋坊で崖下に落ちてしまったはずの主人公・リョウ。 しかし、目が覚めると見慣れたはずの金沢の地にいて、一つだけ違うことはリョウが存在しないことだけだった。 リョウの代わりに存在しない「姉」がいて、主にその2人が物語の軸をなしている。 「僕がいない世界」のできごとと、「僕がいた世界」の記憶が重なり合う構成になっており、読者も2つの世界の間違い探しを追体験できるようだ。 そんな間違い探しをくりかえす中で、最後に起こるどんでん返し。 スピード感のある語りに呑まれ、あまり意識を向けてこなかった部分が最後の最後に浮き彫りになってくる。主人公がその後どうなったのか、とても気になりました。 「自分がいない世界」ってどんなのだろうとか、自分が選ばなかった方の道はどんなのだっただろうかとか、誰もが一度は(私なんかは何度も何度も)想像したことがあるだろう。 けれども、そんな「たられば」が起こるはずもなく、私たちは自分がここに存在し、自分が幾度もの選択を繰り返した先の「今」を生きている。「ああ、きっとこれでよかったのだ」と自分に折り合いをつけながら。
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どうしようもない虚無感。 母親からの最後の一言。 「リョウへ。恥をかかせるだけなら、二度と帰ってこなくて構いません」 これほど残酷でどうしようもない言葉はない。 受け入れるという行為は、一見大人の対応に見えるけれども、逆に言うと何もしなかったが故の結果をただ受け入れるという行為に他ならず、それが起こる前に自らの行動で未然に防ぐという意識がなかったから。もしくは、自分がその渦中にいることすら気づかないのか。 サキとリョウの世界に対する姿勢。 想像して、とサキとリョウの会話には何回もやり取りがあるが、要はそういうことなのかな、と思った。 冒頭に戻り、母の「恥をかかせるだけなら、二度と帰ってこなくて構いません」はもっと想像して自分にやれることをやれというメッセージなのでは?そう思うと、案外バッドエンドではなく、人生をやり直せるチャンスを与えられたのでは?ポジティブに考えてみる。人生はやり直しが効く、とそう思いたい。
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残酷な物語だった。 パラレルワールド系が好きな自分はてっきり異世界に迷い込みながらも自分に自信をつけ、元の世界で心機一転生き続ける話かと…甘かった。 自分の想い人が亡くなった東尋坊でパラレルワールドへ行き、いるはずのない姉と三日間を過ごすが、主人公が自分という存在、価値、全てに絶望をするには充分な期間だっただろう。 彼の“全てを受け入れる”という術は、彼の残酷な日常生活を生きていくためには絶対必要なスキルであり、それを責めることはできない。 でもそうやって選択してきた事柄がすべて負の状況を導き出してきていたなんて、、しんど過ぎる。 自分が憧れている生活をパラレルワールドにいる姉が全て手に入れていて、それぞれの分岐点でも姉は全て正しい方向に行動を起こして、この平穏を手に入れていた。 暖かい家庭、生きている兄、生きている想い人… この全てを見せつけられ、今さら自分の世界に戻ったところでとなるのは当然のこと。 わたしも『生きていたくない』と思うかもしれない。 最後の最後、生きる選択をしてくれるか、少しでも生きる希望を持って欲しいと願った矢先の母親からのメール。 その後の彼の選択は…もう絶望しかないだろう…
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パラレルワールド作品だけど、そこには自分は存在していなくて、代わりに自分とは性格の異なる一歳年上の姉が存在しているという設定が一段趣向が凝っているなと引き込まれました。その点では漫画「僕だけがいない街」みたいですね。 その後のストーリー展開もテンポ良く、本の頁数も少なめなので、続きが気になってスラスラ楽しく読み進められました。 主人公の嵯峨野リョウが好きだった諏訪ノゾミを東尋坊での事故死に追いやったのがフミカと判明するけど、フミカがとっちめられるカタルシスは描写されないので消化不良な気持ちが少しあるが、それを上回る仕掛けが盛り込まれていました。 ストーリーの随所で、普通の主人公なら仲間に話を打ち明けるようなシーンでも、リョウは唯一信頼できるサキに対しても「それは言いたくない」等と隠したり、嘘をついたりする。その点に少しイライラしていたのだけど、最後になって、サキと比較することでリョウ自身がボトルネックだと分かり、「生きていたくない」と言うほどに絶望する。最後は生きるか死ぬかの二択、戻った世界で母親からの心折れるメールが着信し、リョウは死を選びそうな残酷な描写で物語が終わる。主人公でカタルシスを味わせる珍しい構成が面白いなと思った。 自分を取り巻く、自分ではどうしようもない不都合な出来事に対して、諦めて受け入れるしかないと考えがちだけど、それが実は自分もしっかりと原因の一要素、なんなら原因そのものなのかもよというとても残酷な寓話だと思う。 ※読後に読んだレビューサイト「電脳ホテル」さんのレビューが上手くまとめられていて良かったです。
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全く面白くないわけではない。 だが、物語の終わりまでが短過ぎる。 上巻ですか?と聞きたくなるような内容のまま終わるのは如何なものかと思う。
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最後、主人公は何を選択したのだろう 自分のいる意味とか、存在から考えさせられる話 サキのいる世界でのノゾミがどうなったのか、書かれすぎていないのが良かったと思う 難しいお話だった
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パラレルワールドでの自分探しの旅かと思いきやどこまでも貶められるようで読んでいられなかった。最後まで救いを求めていたのは自分に劣等感を抱き続けている私自身だったのかもしれない。それにしても自分が生まれて来なかった世界がこうであったのなら生きる意味を失ってしまうだろう。負のスパイラ...
パラレルワールドでの自分探しの旅かと思いきやどこまでも貶められるようで読んでいられなかった。最後まで救いを求めていたのは自分に劣等感を抱き続けている私自身だったのかもしれない。それにしても自分が生まれて来なかった世界がこうであったのなら生きる意味を失ってしまうだろう。負のスパイラルに陥ってしまわないよう次は元気の出る本を選ぼう。
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著者の作品にしてはいまいち。場面場面の起伏があまり無いせいか、テーマが壮大にも関わらず、世界観が小さくまとまってしまっている。
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単行本で248ページ。 流れるような文章も相まってあっという間に読み終えました。 ただ、読み終えてからが長い、というか考え込んでしまいます。 初めはただ、パラレルワールドに迷い込んでしまった少年の自分を見つめ直す旅、みたいなものかと思っていました。 甘かった。 見つめ直すなんても...
単行本で248ページ。 流れるような文章も相まってあっという間に読み終えました。 ただ、読み終えてからが長い、というか考え込んでしまいます。 初めはただ、パラレルワールドに迷い込んでしまった少年の自分を見つめ直す旅、みたいなものかと思っていました。 甘かった。 見つめ直すなんてもんじゃない、突きつけられる、それも受け止めきれないかもしれないほどに残酷で鋭く。 こんなに胸が苦しくなったのに忘れられない、忘れたくない。 劣等感が強い人ほどこの小説は辛く、同時に劣等感が強い人ほど惹かれるんじゃないかと、劣等感の塊である僕は思ったりしました。
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