態度が悪くてすみません の商品レビュー
出典不明も多いが、様々な出版物のために執筆したものを集めて、構成したもので、文章の長さも含めて統一感に乏しい。内田節は相変わらずだが・・・。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
このところ結構ヘビーローテーションで読んでいる内田教授のエッセイ(というのだろうか?)集。 ブログや、あちこちの雑誌などからのオファーに応えて書いた文章、書評などを一冊の書籍にしたもの。全体にテーマらしきものは、見当たらず、あえて言えば「内田樹の書いた様々なもの」というまとまり。 それでも売りものになってしまうのだから、「内田樹」に相当の価値がある、という他ない感じです。ある種アイドルと同じ扱いですね。ニッポン現代思想界のアイドル、ってw。 それはさておき、内田先生の文章は、集中力を高めて読まないと頭に入ってきません。それでも、集中力を切らさずに読み解けば、そこに表現されている内容は、とても共感がもてる考え方だったり、思想だったりするので、知らず知らず読み進めてしまいます。脳みその筋トレをしているような感じ。不思議な感じです。 本書は、特定のテーマがあるわけではないので、その分、頭を切り替える回数が増え、疲れる読書でしたw。 たくさんの気付きをもらったのですが、いくつかのポイントを超乱暴にまとめてみると、下のようになります。 ・「今」を意味づけるのは、「過去」と「これから」という文脈によってなされる。「音」を音楽として感じるのも、「文字」を「文書」として感じることが出来るのも、その前後の流れの中に、今を置くことによってでしかない。 ・芝居の台詞や、私たちが嘘を話すとき、あるいは確信が持てない話をするときに、普段と違う話し方になってしまうのは、“身体が欠けている”から。我々が、言語による意味の表現をコントロール可能なものに限定し、コントロールできないものをそぎ落としているから発生する感覚である ・現代は、とかく多重人格とかうつとかDVとかの心の分裂が話題になるが、思春期に、しっかりと“心が割れる”ような自分のコントロール不能な感情と向き合わない若者が増えているから、そういうことが発生しているんじゃないか。 ・アメリカは急激に老化してきていて、かつての大国(イギリス、スペイン、ポルトガル、はたまたムガール帝国、オスマントルコ・・・・)が漏れなくそうであったように、かつての栄光を傘に着て、相手に言うことをきかせようとするような、「もうろくじじい」のごとき外交を仕掛けてくる。そうした、自国の政府のご乱心に、ストップをかける健全な若者文化のようなサブカルチャーも影を潜めてしまっている。 ・靖国神社参拝問題のような、死者の弔い方を巡る賛否の議論につ いて、生きている我々にその是非を結論づける権利はない。こっちが正しい、そっちが間違っているという対立は、その意味で無意味であり、誰も正しいやり方など知らないのだ、という謙虚さこそが、問題を根本から解決する、本当の出口なのではなかろうか。 お腹一杯です。ごちそうさまでした。
Posted by
[ 内容 ] 最も「態度の悪い」哲学者が贈る知のエクササイズ!! 知的興奮のありかを探る。 [ 目次 ] 第1章 コミュニケーションの作法 第2章 身体は知っている 第3章 社会システムの盲点 第4章 出会いとご縁 第5章 作品からの「呼び声」 第6章 メメント・モリ [ P...
[ 内容 ] 最も「態度の悪い」哲学者が贈る知のエクササイズ!! 知的興奮のありかを探る。 [ 目次 ] 第1章 コミュニケーションの作法 第2章 身体は知っている 第3章 社会システムの盲点 第4章 出会いとご縁 第5章 作品からの「呼び声」 第6章 メメント・モリ [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
Posted by
途中の文化批評の話など分からない部分も多かったものの、全体的には面白かった。 普段の著書はブログや講義内容をエディットしたものが多いが、この本は全て「依頼されて書いた」エッセイである。 そのため、いつもとは異なる印象を受ける部分も少なくない。 それでも前半は似たような主張が多か...
途中の文化批評の話など分からない部分も多かったものの、全体的には面白かった。 普段の著書はブログや講義内容をエディットしたものが多いが、この本は全て「依頼されて書いた」エッセイである。 そのため、いつもとは異なる印象を受ける部分も少なくない。 それでも前半は似たような主張が多かったけど、中盤は他にない雰囲気の文章が多かった。 タツラーにはオススメですね。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
コリン・ウィルソン著、福田恆在(つねあり)訳、『アウトサイダー』。 私の小さな勉強部屋で払暁にこの本を読み終える頃には、バイロンやシャトーブリオンやオスカー・ワイルドがどれほど偉大な作家であり、フロイトやフッサールやヘーゲルが思想史上に占める位置の重要さについての入門的な知識をほぼ習得し終えていた。 人間は必ずその人が必要とするときに必要とする本と出会う、というのは、このときに私が体得した確信である。(P130-P131) 内田樹さんが、『アウトサイダー』に出会ったように、私も内田樹さんの『先生はえらい』に出会った。そして、内田樹さんの著書たちは、私にとって、必要とするときに出会った必要とする本たちになったのです。
Posted by
内容的には、「第一章 コミュニケーションの作法」が一番面白かった。哲学的なことも語りつつ、この人漫画も読むんだなぁ。
Posted by
内田先生が過去に書いたエッセイがいろいろとまとめ?られており、まさに内田樹独壇場。いろんなこと、内田節で文章化していて、自分とは角度が違うことや、へぇと思える思考が満載。 哲学的な、思考にも触れることができる良本。
Posted by
文章全体から漂ってくるあの何とも言えない雰囲気が好きだ。 特に好きなお話。 「時の守護者」 「喧嘩の効用」 「私のハッピー・ゴー・ラッキーな翻訳家人生」 「卑しい街の騎士」 「死者の無権利」 特に「卑しい街の騎士」は、拙い言い方ではあるけど、かっこいいとしか言いようがない。中...
文章全体から漂ってくるあの何とも言えない雰囲気が好きだ。 特に好きなお話。 「時の守護者」 「喧嘩の効用」 「私のハッピー・ゴー・ラッキーな翻訳家人生」 「卑しい街の騎士」 「死者の無権利」 特に「卑しい街の騎士」は、拙い言い方ではあるけど、かっこいいとしか言いようがない。中には難しくて理解しにくい話もあった。いつか今以上に理解できる日が来るまで、何度か読み返したいと思う。 (2006年05月02日)
Posted by
おもしろい。全てがブログからのものではなく、依頼を受けて書いたものらしいので、いつもとちょっと手触りが違う気もする。 第5章の『作品からの呼び声』は特によかった。
Posted by
生きづらさに悩む人に贈る出色エッセイ。 社会システム論、死生観、人生観を通じて、自分の内なる「他者性」と「未知」と向き合い、時空間での自己マッピング力を身につけることの重要性を説く。
Posted by