希望学 の商品レビュー
希望とは何か?「科学的分析」の結果では、人生の修正プロセスを生み出す根源とのことらしい。そして希望を持っている人に共通するのが、家族からの期待と友達の多さとの事。個人の性格は関係なく環境によって左右される。これが社会科学的に分析した結果である。 なので家族から期待されてこなかった...
希望とは何か?「科学的分析」の結果では、人生の修正プロセスを生み出す根源とのことらしい。そして希望を持っている人に共通するのが、家族からの期待と友達の多さとの事。個人の性格は関係なく環境によって左右される。これが社会科学的に分析した結果である。 なので家族から期待されてこなかった人は友達をたくさん作る必要がある。ただし、問題は数であり親密度ではない。よって少数の親友なんかよりも、連絡先を知っているだけの多数の友達と弱くつながっている事が重要であるらしい。逆に、経済力・社会階層・愛情等は希望とは関係がない事が判明したらしい。 あと大切なのが、子供の頃から将来像のイメージを持ち続けている事。ただしこの将来像が実現する事は殆どないので挫折経験も重要になる。結果、挫折しても修正できる人が希望を持ち続けるというオチになっているようである。 時間論的な興味関心からは挫折とは現在の自分による過去の失敗の評価であり、希望とは現在の自分による未来の実現性の評価との事であるという点に見るべきものがある。ここに自己評価と過去・現在・未来の連続性との関係性があるように思える。よって、時間と自己との関係性を現在進行形で問い直し続ける習慣・能力こそが希望なんかよりも生きていくために持つべきものであるということになるのかもしれない。 等々「希望」というワードになんとなく持っていた精神論的イメージとは異なる学問的分析結果が提示されたわけだが、希望がない人は絶望もないのでサバイバル状況においては有利に働くらしい。コロナ騒動により今後希望が声高に叫ばれるだろうが、コロナを乗り切り、サバイバルするには希望など持たない方がよいのかもしれない。
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2007年初出の本を今さらながら読了。希望に関するさまざまな調査にもとづいた論考と対談で構成されていますが、当時の閉塞感よりその後のリーマンショックさらには東日本大震災を経た現代社会からすると、どうやって希望を持てばいいのかと、調査対象外とされている50代の私は感じてしまいます。
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希望という、あいまいで扱いにくい概念を統計的に分析するとともに、対談を通じて「希望とは何か」を議論した書。
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2012.03.13 挫折経験がある方が希望を持っている人が多いという調査結果。子供のころ、なりたい職業を持っていた人の方が希望を持っている人が多いという結果。希望は本当に奥が深そうだ。この本は2005年ごろのものだが今後はどうなっていくのだろうか。希望を持つ人はどんどん減るのだ...
2012.03.13 挫折経験がある方が希望を持っている人が多いという調査結果。子供のころ、なりたい職業を持っていた人の方が希望を持っている人が多いという結果。希望は本当に奥が深そうだ。この本は2005年ごろのものだが今後はどうなっていくのだろうか。希望を持つ人はどんどん減るのだろうか?
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(「BOOK」データベースより) 「希望」が「喪失」とセットで語られる現代。希望とはそもそも何なのか?社会のなかでの希望の意味とありかについて、一人ひとりが探求するための科学的プロジェクト、それが「希望学」だ。
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「希望学」とタイトルを見たときは、いったいどんな内容が書いてあるのかとワクワクした。しかし、内容がよく分からなかったので、時間をあけて、もう一度読んでみるのがよいと思いました。
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情報社会にあって、言葉の軽量化が問題になっている。特に、震災後、「希望」という言葉が、軽々しく言われている気がしてならなかった。では希望とは何なのか。そんな疑問を持って、この『希望学』を読んだ。 結論から言うと、この疑問は、学問では解明できない。希望は、人間の心の深いところ、いわ...
情報社会にあって、言葉の軽量化が問題になっている。特に、震災後、「希望」という言葉が、軽々しく言われている気がしてならなかった。では希望とは何なのか。そんな疑問を持って、この『希望学』を読んだ。 結論から言うと、この疑問は、学問では解明できない。希望は、人間の心の深いところ、いわば生命から発するものであるから、生命の次元から照らし出さなければならないからだ。 例えば、学問的には、「希望」という言葉の定義が人によって異なる、ととらえる。ここまでは良い。定義は異なるが、本人が「希望」を持っているかどうか、が重要なので、本人の意識からアプローチしようとする。これも良い。その結果、「親から期待を受けたと感じた人ほど、希望を持つ」と結論づける。ここがまずい。 「親から期待を受けたという思い出」と「希望」は両者とも、豊かな生命から出てくるのだ。それを両者に因果関係があるかのように解釈するのがまずい。 そして、結局は本人が希望を持てるかどうか、人に希望を与えられるかどうかが重要で、それには知識ではなく知恵が必要なのだ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 「希望」が「喪失」とセットで語られる現代。 希望とはそもそも何なのか? 社会のなかでの希望の意味とありかについて、一人ひとりが探求するための科学的プロジェクト、それが「希望学」だ。 [ 目次 ] 序章 希望学がめざすもの 第1章 希望がある人、希望がない人 第2章 希望、失望、仕事のやりがい 第3章 友だちの存在と家族の期待 第4章 恋愛と結婚の希望学 第5章 挫折と幸福、希望を語るということ 第6章 格差社会に希望はあるか(対談 宮崎哲弥×玄田有史) 第7章 絶望の淵で語れよ希望(対談 山田昌弘×玄田有史) おわりに データは何を語ったか [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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正統派エコノミストが、純粋理論を極められないゆえの邪道のような気がしないでもないが、こういう学問もあっていいのかなと言う感じ。 内容的には、希望も持って生きればいい事ある的な。
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「そもそも、希望って何なんだ?」 そんなことを疑問に思った人にはおすすめの一冊。 仕事、友達、恋愛と結婚、挫折経験、格差社会などとのかかわりから「希望とは何か」をとらえようとしている。 まだまだ研究としては物足りない感じが否めず(アンケート調査の回答数が少ない気がする)、研究...
「そもそも、希望って何なんだ?」 そんなことを疑問に思った人にはおすすめの一冊。 仕事、友達、恋愛と結婚、挫折経験、格差社会などとのかかわりから「希望とは何か」をとらえようとしている。 まだまだ研究としては物足りない感じが否めず(アンケート調査の回答数が少ない気がする)、研究結果に納得するというまでにはいかなかった。 でもこれは研究の初めのほうで書かれた本で、まだ序章。 まずは「希望」を学問的に考えたことが、大きな一歩ではないかと思う。 国際社会より、政治より、身近に感じやすい「希望」(あるかないかは別として)。 研究結果に自分の経験を照らし合わせたりして、読んでて楽しかった。 この本を読んだら、「希望を持ちなさい!」なんて軽々しくいえなくなる・・・
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