村上春樹 イエローページ(2) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
まえがきにあるが、まだバブルだとは多くの人は気づかなかった景気の1987-1995年に書かれた春樹の作品を対象としている。 ホラーテイストが加わり、つるんとした内面のわからない登場人物が増えるが実は僕の換喩的分身だ、というのがおおまかなこの時期の特徴。 そしてまた「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」で自分語りをして「デタッチメントからコミットメントへ」とかなんとかかっこつけてようわからんことを言っているが、それを詳細に分析した本だともいえる。 噛み砕いていえば……。 春樹も学生運動の影響で青春を過ごし、作品を発表する以前には社会参加の時期があった。 たまたま作家デビューの時期がそこからの撤退に当たっていたので、アーバンな印象があった。 しかし作品を発表し続けるうちにやはり社会へのかかわりが必要に感じられ、むしろ学生運動そのものではなく戦争や暴力性といった、より根源への言及。 デタッチメントを経たからこそなしうるコミットメントだ。ここにおいては生と死がコミットメントとデタッチメントのニュアンス。 そして今後、オウムや阪神大震災以後は、社会がデタッチメント=ヒキコモリそのものになっていくので、社会へコミットするとはすなわちデタッチメントへの連帯を深めていくことになっていく、のだろう。 時代が春樹に追いついた的な。 いずれにせよ3巻を読もう。
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『敗戦後論』もそうだったが、やはりこの著者の文体は、どうも自分には馴染まない。書いてある内容がよく理解できないのである。 もちろん、自分の読解力不足ということも手伝ってのことであろうが、何かを伝えようとするときには、できるだけ伝わりやすくすることを心がけることが必要なのではなかろ...
『敗戦後論』もそうだったが、やはりこの著者の文体は、どうも自分には馴染まない。書いてある内容がよく理解できないのである。 もちろん、自分の読解力不足ということも手伝ってのことであろうが、何かを伝えようとするときには、できるだけ伝わりやすくすることを心がけることが必要なのではなかろうか。 文中のコラムや欄外の注も、煩瑣なだけで蛇足である。 文芸評論の「書き方」という不文律のようなものがあるのかどうかは知らないが、一般的に文芸評論は読みにくいものが多いという印象である。この著作も例外ではない。 内田先生が解説を書かれているので、何とか最後まで読み通したが、今後この著者の著作を手に取ることはないだろうと思う。
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国境の~を読み終わったため、やっと解禁。 このシリーズ、やっぱり良い! 単行本を読んだ人は是非読んでほしい。
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大学のゼミでの村上春樹研究をまとめた2冊目。 「ノルウェイの森」から「ねじまき鳥クロニクル」までを論じている。 1でも思ったけど、もしかして一番まともな評論かも。 春樹を論じるとなると、どうも世の中、春樹を通した自分を、好意的にしろ悪意が見えてるにしろ、とにかく自分を論...
大学のゼミでの村上春樹研究をまとめた2冊目。 「ノルウェイの森」から「ねじまき鳥クロニクル」までを論じている。 1でも思ったけど、もしかして一番まともな評論かも。 春樹を論じるとなると、どうも世の中、春樹を通した自分を、好意的にしろ悪意が見えてるにしろ、とにかく自分を論じたものが多数だ。もしくは、作品をとおして春樹という存在を論じたりしている。 純粋に作品だけ、というのは難しいのかもしれない。 が、仮に海外の作家であったらどうなのだろう。その人のバックボーンについて語ることは多少あっても、その作品を通じた自分や、その作家を通した自分、などを評論することはあまりないと記憶している。 とはいえ、日本的な部分がないわけじゃない。 多少、くどい部分があったりして、春樹を通した自分を語るぎりぎりの線で踏みとどまっているところもある。 うむ。この本の面白さは、その境界を波乗りしているようなところか。 しかし、前に読んだ斉藤美奈子の「文壇アイドル論」での「村上春樹は、テレビゲーム」というのが、やっぱり一番のように思う。 うん、これ以上の言葉もこれ以下の言葉もないだろう。
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アマゾンで推薦されるがまま2冊同時に購入してしまったのでイエローページ(1)に続いて一気に読んでしまった。新年早々仕事に向かわない頭のリフレッシュになった。国境の南はもう一度読み直そうかな。
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