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ハマースミスのうじ虫 の商品レビュー

3.7

15件のお客様レビュー

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子供の頃から読んでみ…

子供の頃から読んでみたかった幻の名作が遂に復刊した!証拠を残さない脅迫者を1対1で追い詰めていくストーリーはスリリングで飽きさせない。探偵役キャソンのフェアな態度はかっこいいねぇ。後にも先にもない新鮮な感覚を与えてくれる傑作です。

文庫OFF

2024/07/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ウィリアム・モールの数限りない作品の内の一つ。元はクライム・クラブ叢書の作品であり、18年前に新訳されたもの(一時期店頭で良く見かけた覚えがあったが、今入手しようとすると古本しかなく。。。) ワイン商であり趣味人のキャソン・デューカーは、ある日酒場で滅多に酔わない紳士が酩酊しているのを見る。何かあったのだと思い話を聞くと、バゴットという人物に根も葉もない噂で恐喝されたとのこと。紳士の話の中で気がついた少ない手がかりからある人物が浮かび上がるが。。。 題名から感じるケレン味は全くなく、手堅い、探偵役と犯人の静かな攻防を描いた極上の作品。いや面白かった。難しいかもしれないが、これは中盤以降のネタバレを踏まずに読んだ方が良いと思う。 若干、古さは感じつつも、古き良きのライン。 実は三部作とのことで、願わくば二作目の新訳と三作目の翻訳、どうにかならないかなぁと思う次第です。。。

Posted byブクログ

2021/08/29

世評高く、題名も面白いので期待して読みはじめたが、ハッキリか言って期待はずれ。 どうにも犯人追い詰めるホームズ役の主人公に感情移入ができない。何が彼をして、大した関係もない犯罪者を追い詰めるのにそこまで駆り立てるのか。 私からすると、犯罪者の思考回路よりそっちの方が怖くて不気味...

世評高く、題名も面白いので期待して読みはじめたが、ハッキリか言って期待はずれ。 どうにも犯人追い詰めるホームズ役の主人公に感情移入ができない。何が彼をして、大した関係もない犯罪者を追い詰めるのにそこまで駆り立てるのか。 私からすると、犯罪者の思考回路よりそっちの方が怖くて不気味。 イギリスの人にはわかるのかな。 展開も今の感覚からするとゆったりとしている。もっともそれがまた時代を感じさせて良いという人もいるのでしょが。 結末も現代の日本の感覚からすると理解不能。

Posted byブクログ

2020/12/08

かつて数々のミステリランキングに顔を出し激賞され、エリザベス女王も愛読したという伝説の名作。犯罪者コレクターのキャソンはある銀行家から架空の事実を盾に取る狡猾な強請りの話を聞く。恐喝犯バゴットは明らかに変装用の眼鏡と髪型以外に特徴はなく、このロンドンの街から捜し出す手がかりはただ...

かつて数々のミステリランキングに顔を出し激賞され、エリザベス女王も愛読したという伝説の名作。犯罪者コレクターのキャソンはある銀行家から架空の事実を盾に取る狡猾な強請りの話を聞く。恐喝犯バゴットは明らかに変装用の眼鏡と髪型以外に特徴はなく、このロンドンの街から捜し出す手がかりはただ1つ。キャソンはバゴットを特定し追い詰めていくが、不測の事態に直面し…。タイトルのハマースミスのうじ虫とは卑劣なバゴットを指す。そしてイギリス人好みのフェアプレイを具現するキャソン。スリリングな犯罪小説でありながらゆったりした独特の味わいを見せている

Posted byブクログ

2019/02/08

長らくの絶版で「幻の名作」と喧伝された1955年発表の犯罪小説。一風変わった予測不能の展開は新鮮な面もあるが、今読めばやはり全体的に古い。 証拠を残さずに恐喝を繰り返す男バゴットに憤慨した素人探偵デューカーが、独自に調査し、罠に掛け、自滅する間際まで追い詰めていくという展開だが、...

長らくの絶版で「幻の名作」と喧伝された1955年発表の犯罪小説。一風変わった予測不能の展開は新鮮な面もあるが、今読めばやはり全体的に古い。 証拠を残さずに恐喝を繰り返す男バゴットに憤慨した素人探偵デューカーが、独自に調査し、罠に掛け、自滅する間際まで追い詰めていくという展開だが、筆致と構成が凡庸なために緊張感に乏しい。 登場人物らの造形も深みと魅力に欠ける。己の能力や価値を認めない社会に対して不満を持ち、成り上がることだけを生き甲斐とする劣等感剥き出しの小物バゴット。その通俗的な動因同様、犯罪のスケールも驚くほど小さいのだが、余りにも脆弱故に証拠隠滅を図って最終的には殺人に至る。 実は、私が最後まで解せなかったのは「正義」の側にこそある。人殺しとなる以前の単なる脅迫者の段階で、バゴットを〝悪魔〟のように憎悪する主人公や警察官らの正義感/動機の真意が全く分からないため、物語がさっぱり面白くならない。どう読んでも、人の弱みに突け込んでカネを巻き上げるしか能がないバゴットよりも、ケチな犯罪者の尻を追い掛ける〝高尚な趣味〟を持つ暇人デューカーの執着心の方が「恐ろしい」と感じてしまうのである。恐喝を受けた者らは、多少なりの負い目があるため、理不尽にもカネで解決できたことに一安心していた。だが、或る日突然お節介な探偵もどきが脅されたネタを根掘り葉掘り聞き出し、二次的被害を被る。現代でいえば、人の不幸を売り物にするマスコミの役割に近い。 いわば、悪人と対決するヒーローに憧れる〝素人〟の身勝手な正義感に辟易したと言えばいいだろうか。終盤に至っては単なる嗜虐で、「正義」は成されたと悦に浸る素人探偵の横暴さこそ「うじ虫」の如き卑しさを内包していると感じてしまうほどだった。 「全編に漲る緊迫感と深い余韻」という謳い文句に共感できる点は何一つ無いが、変わりダネの作品であることは間違いない。

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2016/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ワイン商のキャソン・デューカーは犯罪コレクターであり素人探偵である。知り合いの銀行員が酔いつぶれているのを見て不審に思い原因を探ると、彼は脅迫されているとわかる。脅迫の内容自体は嘘であるがその嘘が広まるだけでも彼にとっては致命傷だった。そのため脅迫者の要求を飲み金を払ってしまった。脅迫者は彼に払えるギリギリの金額を要求し、以後二度と会わないと約束した。キャソンは彼の名前を出さないことを条件にこの恐喝者を探りだす。 友人のストラット警視の協力も会って恐喝者と思われる人物は見つかった。過去に同様の事件が見つかり、それも彼の仕業ではないかと疑われた。そして恐喝の証拠を掴む前に第三の恐喝事件が起きてしまう。さらに恐喝者の共犯と目されていた男が不審な死を遂げる。 これ以上の被害を防ぐためキャソンは共犯の男の婚約者を恐喝者に会わせ動揺させようとする。それでも罪を認めない恐喝者に対し、キャソンは彼の伝記を出版することを条件に罪を認めさせる。キャソンは恐喝者の物語を書いた。

Posted byブクログ

2015/05/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

クラブで普段とは違う様子で酔う銀行重役ロッキャーを見て不審に思ったキャソン・デューカー。バゴットと名乗る男に事実無根の事柄で強請られたと話すロッキャー。バゴットを見つけ出し尾行するキャソン。バゴットの本名であるペリー。以前にも被害者が出ていた事件。新たな被害者と接触したキャソン。ロッキャーの銀行に情報を流している人物がいることを突き止めたキャソン。情報提供者マクファーレンの死。ペリーによる殺害と見抜いたキャソンとストラット警視。ペリーに近付くキャソン。警察による揺さぶり。追い詰められていくペリー。

Posted byブクログ

2013/02/04

人間観察を趣味とするワイン商・キャソンは、ふとしたきっかけで知ったパゴットと名乗る謎の恐喝者を追い始める…… 長らく入手困難で”伝説の逸品”とも称された傑作。派手な場面こそないものの、仮説と検証を繰り返し徐々に犯人を追い込んでいく展開は常に緊迫感に溢れ、犯人ばかりか、探偵の心の歪...

人間観察を趣味とするワイン商・キャソンは、ふとしたきっかけで知ったパゴットと名乗る謎の恐喝者を追い始める…… 長らく入手困難で”伝説の逸品”とも称された傑作。派手な場面こそないものの、仮説と検証を繰り返し徐々に犯人を追い込んでいく展開は常に緊迫感に溢れ、犯人ばかりか、探偵の心の歪みも暴き出す丹念な心理描写も見事。深い余韻を残すラスト1行も素晴らしい。

Posted byブクログ

2013/01/12

原著で読んだので訳はわからないが、ゆったりとした語り口なのに心地よい緊張感があり、セカセカ先を急がず、ゆったりとロンドンの風景を思いながら楽しめる上質な一品。MI5で実際にスパイ活動をしていた作者というのも納得。

Posted byブクログ

2012/07/21

植草甚一セレクトのミステリだが、名前が有名すぎるだけに期待して読むと失望するのではないか。「殺意」のようなミステリと知って読めば失望しない。タイトルがかっこいいので期待しすぎるのか。たぶんミステリよりも普通小説寄り。頭にうじがわくというけれど、こういう犯人像の設定が当時は衝撃的だ...

植草甚一セレクトのミステリだが、名前が有名すぎるだけに期待して読むと失望するのではないか。「殺意」のようなミステリと知って読めば失望しない。タイトルがかっこいいので期待しすぎるのか。たぶんミステリよりも普通小説寄り。頭にうじがわくというけれど、こういう犯人像の設定が当時は衝撃的だったのか。 渋いけれどいい本なので、残りも出して欲しい。「さよならの値打ちもない」と未訳の1冊。

Posted byブクログ