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樹霊 の商品レビュー

3.1

10件のお客様レビュー

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2023/02/15

序章にある、アイヌの神がシサムの行いに怒って鉄槌を下す、そんなファンタジーを想像していたら、実際はミステリーだった。自分としては、大木が天から降り注いで人々を懲らしめる方が好きなんですが、鳶さんの見事な推理も面白かった。

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2016/10/28

九州大学理学部生物科って石持浅海と同じじゃん、と思って、動機も凄く石持的で……このスケールのでかさ(はたから見たら何で?って思うかもしれないけれど)は結構好きだな、と思う。もしかして九州大学理学部は皆こんな感じなのか?と少し嬉しくなる。 夏海は男だと思っていたので、女と分かった時...

九州大学理学部生物科って石持浅海と同じじゃん、と思って、動機も凄く石持的で……このスケールのでかさ(はたから見たら何で?って思うかもしれないけれど)は結構好きだな、と思う。もしかして九州大学理学部は皆こんな感じなのか?と少し嬉しくなる。 夏海は男だと思っていたので、女と分かった時はビックリした。こういうところも若干石持浅海っぽいな、と笑った。 ただし文章や話運びは石持氏とはまったく違う。 そして、スケールがでかいのは動機だけかもしれない。 「木が動く」という事件から、もっと壮大でインパクトのある話を想像していたのだが、「地滑りしたミズナラ」「誰かが動かしたナナカマド」と実際は案外絵にならない地味さ加減。 鳶山の推理も、拍手してべた褒めするほどでもないような気がする。本格物に慣れている読者はあまり期待しない方がいいかもしれない。 事件現場の状況を想像するのが難しく、何度も文章と地図を突き合わせて考えた。その徒労分の驚きはなかった、というのが正直な感想。 解答編はもうちょっと整理してから書いて欲しい。ごちゃごちゃしていて「あっ!」という感覚がない。 どちらかというと、印象に残ったのは推理よりも鳶山の蘊蓄。「けんもほろろ」の語源は広辞苑では『「けん」も「ほろろ」もキジの鳴き声』と書いてあるのだが、それは大嘘で、辞書を作る人間は観察せず文献を引用するだけだからこんなミスが起こる、と鳶山は言っている。 そうか、辞書にも間違いがあるのか、鵜呑みはよくないな、と思った次第。

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2016/03/16

観察者・鳶山シリーズ。今度の舞台は北海道。 「木が動く」という事件が立て続けに起きる…この設定だけで好き。 失踪事件、首切断死体、墜落死体、毒殺死体とミステリ要素も盛りだくさん。 鳥飼否宇さんは、田舎の自然を描くのが持ち味なのか。このシリーズは作品全体の雰囲気が好み。

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2015/02/18

ミステリ作家は不可解な状況を作り出す必要があるが、一から十まで設定を考えつくのは無理。そういうとき自然に関する深い知識を持っていることは、強力な武器になる。自然の神秘=mystery=人間にとっての謎。

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2014/05/03

巨木が移動⁈ 次々起こる、木が移動する怪奇事件! これは、面白そう! と、ワクワクして読み始めた。 よほど、神秘的な体験が描かれるに違いないと期待したけど、ん! 本格派なの? あぁそういう感じなのね

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2015/02/24

「樹木の移動」の三つの謎「誰が」「何の目的で」「どうやって」がとても魅力的です。その他の殺人事件や、アイヌ文化と開発の対立を織り交ぜ、一筋縄ではいかない凝った造りになっています。 一つ一つの謎の真相は正直微妙ですが、それぞれを組み合わせて大きな効果をもたらすことに成功しています。...

「樹木の移動」の三つの謎「誰が」「何の目的で」「どうやって」がとても魅力的です。その他の殺人事件や、アイヌ文化と開発の対立を織り交ぜ、一筋縄ではいかない凝った造りになっています。 一つ一つの謎の真相は正直微妙ですが、それぞれを組み合わせて大きな効果をもたらすことに成功しています。異色の動機も印象的で、概ね良作と言っていい出来だと思います。

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2012/11/14

大樹はなぜ移動したか? 謎の設定は魅力的だったけれど、動機も手段もややこじつけの感が否めない。探偵役の登場と解決が唐突なのも残念。

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2011/07/21

なぜ木が動き回るのかという問題を論理的に解決しているのが面白かった。植物が動くことはないだろうとは思いながらも、繰り返し語られるアイヌの伝承にもしかしての疑念が拭えない。だからこそ最後の胸をすく推理に快哉を叫びたくなる。ともすればおどろおどろしい雰囲気に陥りそうな題材を扱いながら...

なぜ木が動き回るのかという問題を論理的に解決しているのが面白かった。植物が動くことはないだろうとは思いながらも、繰り返し語られるアイヌの伝承にもしかしての疑念が拭えない。だからこそ最後の胸をすく推理に快哉を叫びたくなる。ともすればおどろおどろしい雰囲気に陥りそうな題材を扱いながら、根底に流れるのはユーモア。北海道の雪山の山荘ではよく殺人が起こるが、短い秋が舞台の作品は初めて読んだ。もちろんその季節感をうまく木の移動トリックに利用している。犯人の動機は伏線が張ってあったもののいまひとつ落ちてこなかったのが惜しい。こういう人物が増えていることへのアイロニーもこめられているのだろうが・・・

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2010/10/01

植物写真家の猫田夏海は北海道での撮影旅行中に「神の森で土砂崩れが起き、巨木が直立したまま数10メートル移動した」という話を聞き、日高地方の古冠村へ向かった。 役場の青年・鬼木の案内で夏海が目にしたのは、テーマパークのために乱開発された森だった。 そして、その開発に反対していたアイ...

植物写真家の猫田夏海は北海道での撮影旅行中に「神の森で土砂崩れが起き、巨木が直立したまま数10メートル移動した」という話を聞き、日高地方の古冠村へ向かった。 役場の青年・鬼木の案内で夏海が目にしたのは、テーマパークのために乱開発された森だった。 そして、その開発に反対していたアイヌ代表の道議が失踪する事件が起きる。 折しも村では街路樹のナナカマドが移動するという怪事件が複数起きていた。 神の森にあった30メートルの巨樹までが移動し、ついには墜落死体が発見されたとき、夏海は旧知の「観察者」に助けを求めた! 鳥飼さんの新刊はトビさんのシリーズでした。わ~い♪ 移動する樹木の謎や、アイヌの神々の怒りによる天罰としか思えない数々の事件。 これらをトビさんがきっちりと説明してくれ、とてもすっきりしました。 とても美しい伏線の収束でした。 トビさんシリーズでは『非在』の次に好きな作品になりました。 今回はお遊びは少なめで、鳥飼さんなのにとても切ない真相。 なにしろあのトビさんがラストで!! 犯人の行動は極端すぎましたが、これも鳥飼さんからのメッセージと思い日々の生活で自覚しようと思いました。

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2010/01/15

とかく印象に残ったのは、「木が動く」シーン。これ、映像的にかなりインパクトがあると思うな。当然ながらきちんとしたトリックもあるし。 動機にまつわるテーマ部分はけっこう重い。でもラストでさらっと出されちゃったので、この部分にインパクトが少なかったのは少しだけ残念かなあ。

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